『若い広場』のリルは何? ひよっこ主題歌の出だしは上海リル?


NHKの朝ドラ『ひよっこ』の主題歌『若い広場』、さすが桑田節というべきか、ついつい口ずさんでしまいます。
ただ、歌詞の出だしに不明なところがありました。

「♪愛の言葉を」、、、の次。
私は「見る」かと思っていたのですが、「射る」と聞き取っていた人もいた。英語の「little」という説も。発音からするとたしかにlittleかも、と思っていたのですが、情報をお寄せいただき、晴れて「リル」であると判明。

♪愛の言葉をリ〜ル〜

*作詞は桑田佳祐さんです。

うん、はっきりしてスッキリしました・・・といきたいところですが、“リル”って何だよ?
新たな疑問

今回はこの謎の“リル”について。

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おしらせ〜改訂作業中です

こちらの記事は改訂作業中です。
ご訪問いただいたところ、申し訳ありません。

リルは女性の名前で、上海リルのこと?

調べてみて出てきたのは『上海帰りのリル』。
戦後に公開された映画で、レコードも発表されたそうです。

『上海帰りのリル』

『上海帰りのリル』は昭和27年に発表された新東宝の映画(*)。
監督は島耕二。出演は水島道太郎、香川京子、森繁久彌、津村謙。

レコードも昭和26年7月にキングレコードから発売。爆発的に流行したそうです。

作詞:東条寿三郎
作曲:渡久地政信
歌:津村謙  

具体的な歌詞については、リンク先の動画などでご確認いただきたいのですが、その歌詞からすると、リルは戦争中は上海のキャバレーで働いていた女性、ということになりそうです。

そして歌詞の主はこのリルと恋仲で、戦況の悪化とともに別れてしまったと考えられる。

詩のなかの「四馬路(すまろ)」というのは、四頭だての馬車が通れるくらいの広い通り=大きな繁華街の意味。上海の海岸通りを暗に示しているのではと思われます。『夜霧のブルース』のなかでも“夢の四馬路”が出てきます。

で、リルの思い出を胸に本土に引き上げてきたけれど、再び共に暮らせる日を夢見ている。
そんなせつない歌詞です。

2017/05/02 追記)
こちらは本家・津村謙さんの歌っている『上海リル』。コメント欄で教えていただきました。
10chanさん、ありがとうございます。

美空ひばりさんやちあきなおみさんらも歌っている!

ちなみに『上海帰りのリル』、youtubeを見ると美空ひばりさんや坂本冬美さんも歌っている。

私はちあきなおみさんの歌唱力にやられました。

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まだまだリルはいた!

この『上海帰りのリル』の大ヒットを受けて、リルは一種のシリーズのように発表されたそうです。
例えば、
昭和27年『リルを探してくれないか』
昭和28年『心のリルよなぜ遠い』

これに便乗したのか、『私がリルよ』(三条美紀)というレコードがコロムビアから27年に発売。
この歌詞の中で三条美紀さんは“私が悲しいリルなのよ”と歌っているので、リル=三条美紀さん、ということになる、、、のかも?
ちょっと笑っちゃいうんですが、28年にはこんどはテイチクからリルの妹が登場。
『私がリルの妹よ』(三鳩ひとみ)

リルは戦後日本を彩った、一大ブームだったんですね。

上海リルのオリジナルは戦前にまでさかのぼる!

ところが、この戦後のリルブームよりずっと前、太平洋戦争以前に、すでに『上海リル』という歌が流行していたこともわかりました。
元はアメリカの歌らしく、それを日本語訳して歌われていた模様。

こちらは昭和9年に発表されている『上海リル』唄川幸子(服部竜太郎 詩)。

こちらの戦前の“リル”もヒットしたらしく、別バージョンと言ったらいいのか、上海リルの名は口ずさまれていたようです。

『上海リル』川畑文子(三根徳一 詩)


江戸川蘭子バージョン(名古屋宏 詩)


ほかにもあるかも。

おそらく戦後のリルヒットも、この戦前の流行の下地があってこそ、だったのでしょうね。

『ひよっこ』の主題歌『若い広場』との関係は?

仮にリルがこの上海のリルだとすれば、『若い広場』で歌われている “あの日見てた sound of music” はこの映画『上海帰りのリル』を指していると思われます。
子どもの頃、故意か偶然か大人の映画を見てしまい、印象が記憶に焼き付いている。“まぶたを閉じればよみがえる思い出”です。

『上海帰りのリル』は上海に残してきたリルを回想する男の歌ですが、『若い広場』にもまた、思い出の女性を回想するフレーズがある。
大陸と本土(上海帰りのリル)、幼い頃と現在(若い広場)という違いこそありますが、桑田さんはこの『上海リル』のストーリーをベースに、『若い広場』を書いたのかも知れませんね。

 

今回の記事作成にあたっては、次のサイトさんを参考にさせていただきました。ありがとうございます。



*大元はアメリカ映画だったもよう。これによれば、リルの綴りは「Lil」になります。

【関連記事】

 
 
 

追記(2017/07/17):国分寺にある“上海リル”

東京の国分寺に、知る人ぞ知る「上海リル」というお店があるそうです。
骨董品、古着などを扱っていて、ジャズ通のオーナーが息長く経営なさっている。
古きよき昭和感に浸れそうですね。

桑田さんの曲と直接の関係はないでしょうけれど、同じ『上海リル』リスペクトということで。

「動かす」に切り替えると操作できます。

 
 



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コメント

  1. パソコン大好き青年 より:

    職場で六十歳代の男性が「リル リル どこに居るのか リル だれかリルを知らないか リール」と口ずさんでいるのを私は「シール シール どこに居るのかシール だれかシールを知らないか シール」と聞き違いしていました。最もオリジナルを知らない年代(もうすぐ33歳)だから仕方ないか。

    シールを探すって何だと不思議に感じてました。
    ネットで歌詞検索して「リル」と言ってるのを知りました。今度は「リルって何だ」と疑問が沸いて検索してみたら ここにたどり着いた。

    正解は…諸説あって断定できないって事だろうか。私は英語の単語に「リル」ってあるのかと最初は思いました。でも英語の教科書には無かった。色々と語源を見つけるのも楽しそう。

    1. webmaster より:

      パソコン大好き青年さん、コメントをどうもありがとうございます。

      なるほど、やはり年長の方にとっては、つい口ずさんでしまう程、よく知られたフレーズなんですね。
      こんなネットの片隅に訪れてくださり、どうもありがとうございます!
      ちょっとした疑問でも調べてみて記事にすると、こうしてご意見をいただけるのが嬉しいです。
      励みになります、ありがとうございました。

  2. おたんちん より:

     こんにちは。再びお邪魔します。
     前回の書き込みからずっと放置して今朝やっと訪れたところ、すぐに返信を下さって、歌詞が直してくださり、ありがとうございました。

    さらに歌詞の「リル」から、話題を発展させてここまで考察を深めてくださって、感服いたしました。なるほど、意味不明であったリルが「上海帰りのリル」につながるのかぁ。確かに時代的にはそうかもしれませんってか、内容的にもきっとそうでしょう。私は東京オリンピックの少し後に生まれた世代ですので、上海帰りのリルの歌を口ずさむ世代ではありませんが、田舎の農家に育った私にとって、このドラマは小学校時代を思い出させ、とても郷愁を感じるものになっています。

     思いがけず大好きなちあきなおみの歌も聞くことができて、感動しました。
     ありがとうございました。

     
     

    1. webmaster より:

      おたんちんさん、再度のご訪問ありがとうございます。
      こちらこそ、ご指摘に感謝していたところです。

      『ひよっこ』、私も毎朝楽しんでいます。スタート時は視聴率が低いことが話題になっていましたが、次第に上向いているようです。同じように楽しんでみている方も増えているのではないでしょうかね。

      ちあきなおみさんの歌は私にとっても再発見でした。
      他の人のカバーも聞いてみましたが、私的にはちあきさんの歌がとてもよかったです。
      別のページに感想も書き始めたので、いつまで続くかわかりませんが(笑)、よかったら時折ご訪問ください。

      ありがとうございます。

  3. 10chan より:

    ここにコメントすべきかどうかわかりませんが、最初にあるリンクは津村謙さんではないと思います。
    演歌のコブシが入っていますが、津村さんはこのような歌い方はしませんので。
    こちらがホンモノです。
    https://www.youtube.com/watch?v=OVhONPFGdYU

    1. 10chan より:

      すみません、自己レスしておきます。
      ドラマはともかく「若い広場」を聞くために朝のNHKを見ています。この曲を探しまくっていてここに来た通りすがりです。
      「リル」の部分、私もよく判りませんでしたが、ここまで考察されておられることに感謝します。
      「上海帰り~」は桑田さんの産まれる前の曲なので直接の関係があるのか、ご本人に明かしてもらうしかないのでしょうね。
      もしこのコメントに不都合ありましたら削除して下さって結構です。
      また時々訪問させて頂きます。

      1. webmaster より:

        10chanさんこんにちは。コメントならびにご指摘、どうもありがとうございました。
        不都合などとんでもありません。感謝しております。

        そうですよね、私もまだ釈然としないところはあります。
        いずれ何かの機会に明かされるのかな、と、それもまた楽しみにしています。
        情報がありましたら、また教えてくだされば嬉しいです。

        お返事が遅れて、たいへん失礼いたしました。

        1. 10chan より:

          ご丁寧な返信をありがとうございます。
          また、本文にも追記頂き、恐縮です。

          桑田さん自身のコメントで「古き良き日本の情感」というくだりがあるので、やはりこの曲が元になっているのでしょう。
          まだ配信も発売もされていないようですが、発売されたら買ってみようかと思っています。

          またよろしくお願いします。

          1. webmaster より:

            いえいえ、こちらこそ、どうもありがとうございます。

            『上海リル』のような年代の曲も、なかなかよいものですね。
            桑田さん世代方がどのような感覚で聴いていたのかも気になるころです。
            うちのブログは記事がいろいろなのでアレですが(笑)、よかったらまたお越しください。

  4. ZERRY より:

    「若い広場」の出だしは、「上海帰りのリル」の音階を変えたものかな?そして曲の中盤は「花の東京」に似ていると思っています。

  5. ジュリー・アンドリュース より:

    時代的にSound of Musicは素直にSound of Musicでしょう。

  6. ジュリー・アンドリュース より:

    ついでに言うと、リルはriddleあたりが含みがあっていいな、と思っていたんですが、桑田さんご本人がリルと言われるならリルなのでしょう。でも幼い頃の思い出は、上海帰りのリルよりはサウンドオブミュージックですよね。

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