メントスコーラ、凄いですよね。
頭ではわかってるけど、実際やってみると迫力あります。
メントスを入れる瞬間、どのくらい吹き出るんだろう? とワクワク。
その前の、ド派手に噴出させるようと工夫を凝らす “悪だくみ感” もたまりません。
でもこのメントスコーラ、いったいどんな原理であんな風に噴き出るのでしょう?
噴き出しすぎ、ですよね(笑)。
今回はこのメントスコーラの原理を、できるだけ“わかりやすく”書いてみたいと思います。
学術的な正確さは多少端折っても、普通の人にイメージしやすくなるよう心がけました。
メントスコーラって楽しいけど、噴出する原理・理由が不思議、というみなさんに読んでいただけたらと思います。
また、後半は、
- 成功させるための方法・やり方
- 実践する上での注意点
- メントスコーラの正式な名前
- 似たような噴出が起きる組み合わせ例
などについても触れています。
メントスコーラとは?
あらためて書くのもナンですが、メントスをコーラに入れると炭酸が急激に気化し、
ブシューーーーッ!
と激しく吹き出してくる。
これがメントスコーラです。
吹き出したコーラは、高さ数メートルに達することもあります。
百聞は一見に如かず、動画をご覧いただきましょう。
メントスコーラの動画
メントスコーラの動画はネットにあふれかえっています。
でも、下で引用させていただいた動画はひと味違います。
「メントスコーラだろ、わかってるよ」という方にも、きっと喜んでいただけるのでは、と思います。
次のの実験も楽しいです。
バカバカしいことを、大の大人が周到に計画したと思うとクスっとなります。
メントスコーラが起きる原理・理由
ここからが本題です。
コーラにメントスを入れると、どうしてブシューーーっと噴き出すのか?
メントスコーラの原理を説明しましょう。
泡になるのを防ぐ水の力
コーラに含まれている炭酸は、泡になることを封じられています。
封じているのは水。
たとえば、平らなテーブルに水をこぼした時、ある程度広がった後は適当な形で留まりますよね。その時、水のフチが少しだけもりあがっていたりします。
こうなるのは水の分子同士に、引っ張り合う力がはたらいているからだ、と言われています。
できるだけ表面積を小さくしようと働く力で、表面張力とも言われたりしますが、言葉そのものはここでは重要ではありません。
とにかく水の分子どうしが手を取り合って、炭酸が泡になることを阻んでるとイメージすればOK。
水分子の力を弱めるメントス
ところがメントスがコーラに溶けると、この引っ張り合う力が弱まります。
メントスに含まれるゼラチンやアラビアガムの成分が影響していると考えられていますが、そう言われてもピンと来ませんよね。例えば、これらの成分によって水同士の握った手が滑りやすくなった、とイメージしてもいいんじゃないかと思います。
固く引っ張り合っていた手がぬるぬる。そのため水の封印が緩くなり、二酸化炭素が気化しやすくなる。
(あくまでイメージです、学術的にはどうかわかりません。)
メントスの表面は泡製造器
おまけに、メントスの表面には無数の小さな凹凸がある。この形、二酸化炭素が泡になるのに好条件なんです。
さきほどの動画にも、メントスの表面のいたるところで、たくさんの泡が生まれているシーンがありましたよね。
コーラに投下されたメントスは、
・自分の表面から溶け出した成分によって水の力を弱めると同時に、
・自らの表面でおびただしい泡を生産しながら
底へと移動していくのです。
移動すればその分、さらにコーラと触れますので、新たな泡が生じます。
こうやって大量に生み出された泡は圧力の逃げ場を求め、勢い良く瓶の口から噴き出す。
コーラとメントスの、ほんの一瞬の出会いのなかで、こんなことが起きているのです。
けっこうドラマチックに感じるのは私だけでしょうか?
メントスコーラを成功させる温度・割合
メントスコーラが起きる理由が、なんとなくイメージできたでしょうか?
でも新たな疑問もいろいろ湧いてきますね。
例えば、コーラの温度が高いほうが、もっと勢い良く噴出するのでしょうか?
あるいはメントスは、どのくらいの割合でコーラに投入すると、より噴出するのか? 多ければ多いほどいいのか?
このあたりの疑問に真面目に取り組んだ新潟の中学生がいます。偉いですね。
以下、その研究を参考にして書かせていただきます。
参考:メントス・ガイザー発生の原因を探る partII (中学校の部 2等賞) | 入賞作品(自由研究) | 自然科学観察コンクール(シゼコン)
コーラの温度は関係がある?
上記の研究によれば、液体の温度とメントスコーラ(研究ではメントスガイザーと呼ばれています)との関係はないと結論されています。実験の結果、そうなったのでしょう。
メントスとコーラの最適な比率はどのくらい?
また、最大の泡を発生させるには、コーラ200ml+αにメントス一個が適量だそうです。
コーラの量が増えれば、それに合わせてメントスが必要になる、とも言っています。
ただし、多ければ多いほどいいのか、という疑問への明瞭な答えは見つけられませんでした。
200mlに二個入れても噴出量には意味がないのか? 私が探しきれていないだけかも知れませんが、そのあたりも知りたいところです。
例えばyoutuberのみなさんは“ロンギヌスの槍”などと読んで、メントスを大量に串に刺して投入していますよね。もし最適な個数があるとしたら、あれは無駄なのかも知れません。
でも、とりあえず200mlにメントス一個は入れないと、コーラのポテンシャルは活かせないようです。
メントスコーラのやり方
というわけで、私流のメントスコーラの方法としては、次のような手順をご提案します。
- 500mlのコーラを使う
- 小さな穴を空けたキャップを別に用意する
- 串をキャップの穴に上から通し、先端でメントスを3個指す。
- 串を上に引いて、キャップの直下にメントスがくるようにしておく。
- コーラのキャップを、上で準備したメントスのキャップに交換。
- 串を引いてメントスをコーラの中に一気に落とす。
*コーラをまき散らしても大丈夫な場所で行なってくださいね。
メントスコーラの事故、注意点
メントスコーラは反応が急激なので、注意する必要があります。
中国の吉林省の新聞が、メントスコーラの事故を報じたことがあります。
2008年、21歳の女子大生が興味本位でやったところ、病院に搬送される結果になりました。
コーラは鼻からも吹き出し、女子大生は呼吸困難におちいったという。驚いた友人は救急車を呼び、女子大生は病院に担ぎ込まれた。
診察の結果、明らかに胃の粘膜が損傷している様子で、多くの箇所で出血が発見されたという。記事では、「このような危険な方法を試さないように、ネット上での友人に警告して欲しい」と訴えている。
出典:女子大生危険な体内実験 「メントス+コーラ」で被害 : J-CASTニュース
メントスコーラを体内でやるのは、やめたほうがいいと思います。
メントスコーラの由来、正しい名前
このメントスコーラ、アメリカではメントスガイザーと呼ばれています。さきほどの中学生の実験のところでも出てきましたね。
これには理由があって、2006年の7月、メントスの発売元のVan Melle社が主催して、動画コンテストを開いたのだそうです。
その際に使われたのが「メントスガイザー」という呼称。
以来、メントスガイザーと呼ばれているというわけ。
ガイザーは日本語で言うと間欠泉のこと。温泉が水蒸気や熱湯を噴出する様子に似ているからでしょうね。
とはいえ、日本ではメントスコーラという呼び方がすっかり定着していますので、これでいいと私は思ってます。
コーラ以外でもメントスコーラは起きる?
さて、話の矛先を少し変えてみましょう。
他の炭酸飲料との組み合わせでも、メントスコーラは起きるのでしょうか?
噴き出す程度はともかく、炭酸水とラムネでも起きますし、他の組み合わせでも可能です。
ついでに言うと、普通のコーラよりもダイエットコーラのほうが、派手に吹き上がると言われています。
まだある!メントスコーラに似た現象
また、次のような組み合わせでも、メントスコーラに似た噴出現象が起きるそうです。
もしかすると一緒に口に入れてしまう場合もあるかも知れませんので、書き添えておきますね。
知らずにやってしまうと、悲惨なことになりかねません(笑)。
バニラアイス×炭酸飲料
クリームソーダの組み合わせです。
アイスをソーダに沈めると、たくさん泡が出ますよね。子どもの頃、こぼしてしまった人もいらっしゃるのでは?
アイスクリームの乳化剤が泡を出しやすくし、かつ、消えにくくすると言われています。
メントスコーラばりに噴出するわけではありませんが、泡が泡を呼ぶ感じがメントスコーラによく似ていますね。
納豆×ビール
これもメントスコーラほどの派手さはないものの、ネバネバが泡を包み込んで消えにくくなるという、他にはない特徴があります。口に入れると、噴出の“質の違い”を楽しめる(?)ようです。おすすめはしませんが。
味の組み合わせ上ビールを選びましたが、コーラなどの炭酸飲料でも似たようなことになると思われます。
バナナ×スプライト
意外なことに、バナナも泡を促進するようです。
この組み合わせはけっこうヤバくて、かなりの確率で吐いてしまうと言われています。
こちら↓の動画では可愛らしい女の子が果敢にチャレンジしています。
本人は笑ってますが、ちょっとかわいそうになるくらい苦しそうにしています。
いずれにしてもおすすめはしません。
試す際は十分に注意して、自己責任でお願いします。
メントスコーラの原理、おわりに
以上、何かと注目のメントスコーラについて、その原理を中心にまとめてみました。
わかりやすく書こうと心がけましたが、うまく伝わっていると嬉しいです。
ただ、冒頭書いたとおり、私はこの手の専門家ではないので、あくまでひとつのイメージとしてとらえていただけたら、と思います。学術的にはいろいろ問題もあろうかと思います。
それから、メントスコーラやそれに類する試みをする場合は、どうぞ十分に注意して、危険や迷惑にならないよう、ご配慮ください。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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