人類最古の祖先“サッコリタス・コロナリウス”がほぼエイリアンな件

人類はどのようにしてこの地上に出現したのか?
ロマンをかきたてる命題ですが、進化をたどっていくと、どうもロマンとはちょっとズレた方向に行ってしまうようです。

そっちじゃない!
と思わず叫んでしまいそうなのが、今回発見された“サッコリタス”。

中国北西部から世界合同の研究チームが発見・命名しました。
人類最古の祖先らしいのですが・・・

今回はこのサッコリタスについて、関連情報をまとめてみます。

 

人類最古の祖先・サッコリタス

英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された研究論文によると、「サッコリタス(Saccorhytus)」と命名された非常に小さな生物の驚くほど保存状態の良い化石が、中国内陸部・陝西(Shaanxi)省で発見されたという。
進化の重要な枝分かれのうち、人類に至るものを含むいくつかの分岐は、見過ごされそうなほど小さく目立たないこの海生生物から端を発したのではないかと研究チームは推測している。
出典:人類最古の祖先、5億4000万年前の肛門のない袋状生物か 研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

で、そのサッコリタスなる生物がこちら↓

サッコリタスの名前の由来は?

命名されたこの生物のフルネームは「サッコリタス・コロナリウス(Saccorhytus coronarious)」。

サッコリタスは「袋状の身体」、コロナリウスは「王冠状の口」を意味するそうです。

サッコリタスは袋状

袋状、という点はひとつのトピックで、この生物には主な開口部がひとつしかない。
つまり王冠状の口のみで肛門にあたるものは無く、文字通り袋状ということ。
我々人間も含めて脊椎動物は口と肛門があるので、言うなれば「筒状」ですよね。
でもこやつは筒ではなく、袋状なのです。

コロナリウスは王冠状

細かく見て行くと、その唯一のでっかい口の周囲には、円錐状の隆起が同心円状にずらりと並んでいる。
王冠状と呼ばれるゆえんです。
こういう規則性って、かえってグロいです。

大きさは最大で1.3ミリほど。
左右対称で、目の痕跡はないとのこと。

 

サッコリタスはどのくらいの時代に生きていた?

研究者たちはこの生物を、約5億4000万年前に生息していたと考えているそうです。
古生代カンブリア紀にあたっている。

これより古い化石としては、約35億年前のシアノバクテリアが見つかっていますが、これは細菌に属していて、人類とは進化の枝が違っているそうです。
ところがこのサッコリタスは後口動物といって、人類を含む脊椎動物につながっている・・・のだそう。
ま、ヒトデとかもここから分岐したものと考えられているそうですから、かなり遥かまでたどった果ての祖先様ということになるのでしょうけれどね。

発見したのは国際的な研究チーム

このロマンに満ち満ちた発見をした研究者たちは、以下の国際的な合同研究者チーム。
・西北大学(中国)
・ケンブリッジ大学(イギリス)
・カッセル大学(ドイツ)

このうち、報道はケンブリッジのサイモン・コンウェー・モリス(Simon Conway Morris)教授の話を伝えていますので、この方が中心的な役割を果たしているのかな、と推測します。

1951年11月6日生まれ、御年65歳のこの方、カンブリア紀の生物の専門家らしく、邦訳された著作もあります。
そのタイトルになるほど。

 

おわりに

サッコリタスをサクッと概観してみましたが、いかがでしたでしょうか?
エイリアンばりの姿にギョッとさせられたのは私だけではない、と思います。

ですが、仮に地球上の生物があと何億年も生きたとして、どこかで我々人類の化石を発見したら、やはり同じようにギョっとするのかも知れませんよね。

「おいおい、こいつら身体に穴が二つしかないぜ、呼吸も摂食も同じ穴からしてたとかキモっ!」みたいな?

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