デービッド・ロックフェラー氏が、2017年3月20日、心不全で亡くなりました。
御年101歳、ロックフェラー家の三代目当主は時に世界経済を牛耳る影の帝王などとも言われます。
今回はこのデービッド・ロックフェラー氏がいかに凄いのか、その資産はいくらくらいあるのかについて調べてみました。また、この巨大権力を引き継ぐのは誰なのかにもふれます。
ラスボス感が半端ないデービッド・ロックフェラー氏
まずデービッド・ロックフェラー氏について、簡単に見てみます。
デービッド・ロックフェラー
デービッド・ロックフェラー(David Rockefeller)氏は1915年6月12日、ニューヨークで生まれました。父はジョン・ロックフェラー2世。ロックフェラー家の三代目です。6人兄弟の末っ子でした。
ハーバード大学時代の恩師はヨーゼフ・シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter)。現代経済学の巨人です。
今回の訃報では銀行家とされていますが、陰に陽に世界経済を牽引する巨大財閥のリーダーなだけに、肩書きは数えきれないほどあると思います。
ラスボス・デービッドは心臓を六つ持つ?
巨大すぎて、どのくらい凄いのかすらよくわからないロックフェラー家。
その当主であるデービッドのラスボス感も半端ないです。
何しろこの地球上の経済活動の頂点にあると言っても過言ではない一族。そのパワーはもとより、あまりメディアの表舞台に出てこないこともあって、デービッドの周りには謎めいたヴェールが存在する。それを象徴するのが、6つの心臓を持っているのではないか、という都市伝説。
確かに、六個も心臓を備えていればパワフルです。ラスボスのスペックとしても十二分・・・いえいえ、それはいくら何でもあり得ません。
どういうことかと言うと、デービッド・ロックフェラーは心臓を患っていて、6回も心臓移植手術をしている、というのです。
出典は不明ですが、これが本当だとしたら、かなり凄いことですよね。
都市伝説はこのあたりから始まる。
お金持ちですから、最先端かつ最高度の医療を受けられるのでしょうが、心臓の入れ替えとなれば拒否反応が必ず出るはず。人間の身体は機械の部品のように交換できるわけではありません。異物が入ればそれを拒否する反応が生じる。
「これ、オレの心臓じゃないよ」
となって排除しようとする反応が、多かれ少なかれ生じるわけです。臓器が心臓ともなれば、移植手術はかなり危険なことのように、素人ながら感じます。
そんな心臓移植を一回のみならず六回も???
これを解決するのが、クローン人間。つまり、デービッドのクローンが作られていて、それが彼の心臓のスペアになっている、という話。
クローンなら、理論上は拒否反応が出ない。人体のコピーですからね。
ほとんどSFですが、こんな話がささやかれ、都市伝説としてまことしやかに流通するほどの人物、それがデービッド・ロックフェラーだ、という言い方もできるでしょう。
ロックフェラー一族について
デービッドがまとうラスボス・オーラの源、ロックフェラー一族について見てみましょう。
ロックフェラー家はもとはフランス系のユグノー。それがドイツに移り、さらにアメリカに移住してロックフェラーを名乗るようになった。
世界最大の石油トラストとして君臨したスタンダード・オイル創始者のジョン・D・ロックフェラーと弟でナショナル・シティー銀行ニューヨーク(現在のシティグループ)創業者の一人であるウィリアム・ロックフェラーによって発展した一族。世界的な財閥で、石油業や軍事産業、金融業など様々な企業を傘下に収める。その中の代表的企業には、ジョンの孫のデイヴィッド・ロックフェラーが頭取を務めたチェース・マンハッタン銀行(現在のJPモルガン・チェース)がある。これはカーギルのメインバンクであった。モルガン財閥、メロン財閥と並ぶ米国三大財閥の一角。
出典:ロックフェラー家 – Wikipedia
ジョンとウィリアムは兄弟。石油と金融の両輪があるとは無敵すぎます。
一族はジョンの子どもジョン・ロックフェラー2世を経て、デービッドに引き継がれました。
デービッドの兄弟であるネルソンは副大統領、同じくウィンスロップは州知事を務めています。
豊富な経済力を背景に、ロックフェラー一族は政治の世界でも活躍しているわけですね。
ロックフェラーの総資産はいくら?
スタンダード・オイルとシティの名前が同時に出ただけでも凄いですが、グループ傘下の企業となれば数はさらにふくれあがります。
これも詳細に裏をとったわけではありませんが、株式投資の世界ではロックフェラー一族関連銘柄として次のような企業群が挙げられていました。
【通信】
NBCテレビ、AP通信、USNEWS【石油】
エクソンモービル、テキサコ(石油を利用した製品)【軍事】
ボーイング【食品】
ペプシ【情報】
IBM、ウェスティングハウスエレクトロニクス【建設】
ベクテル(世界最大のゼネコン)、ロックフェラーセンター【金融】
モルガンスタンレー、チェース・マンハッタン銀行、ファースト・ナショナル、シティバンク【交通】
GM・フォード・クライスラー(米BIG3)【その他】
GE(ゼネラル・エレクトリックは世界最大のコングロマリット)
出典:ロスチャイルド系企業とロックフェラー系企業からバフェット銘柄が見つかる?|ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資
よくもまあこれだけの有名企業を並べられたものだと思います。
これらの企業の時価総額を合計したら、いったいどれくらいになるんでしょう?
しかし、そんな数字すら問題にならないくらいの資金源を、ロックフェラー一族はもっている。
これはもうホント魔法のレベル。どんな資産を持っていてもこれに比べたら無意味な、「最後の問題の正解者には1億点」的な禁じ手です。
それはFRB。連邦準備銀行です。
アメリカでは中央銀行にあたるFRBですが、その実態は私企業。その私企業によってドルは発行されているのです。そしてそこで金融政策も決められている。
大統領に対して、政府機関中最も強い独立性を有する一方で、世界経済に対する影響力は絶大であるため、FRB議長は「アメリカ合衆国において大統領に次ぐ権力者」と多くの人々に考えられている。
出典:連邦準備制度 – Wikipedia
もちろん、ロックフェラーだけの意向で金融政策が決められるわけではありません。アメリカではモルガンも強い。しかし、多岐にわたる企業を統括するロックフェラーが、金融政策にも隠然たる力を持っていることは十分すぎるほどあり得ることです。
世界の基軸通貨であるドルを、半ば自由に発行できるとしたら、どうでしょう?
文字通り最強、ですよね。資産の額は無限大と言っちゃっていいかも。
次代を引き継ぐのは誰?
気になるのはデービッド・ロックフェラーの後を誰が継ぐのか、ということ。
ネットで情報を集めた限りでは、デービッドの兄弟のジョン・ロックフェラー三世の息子であるジェイ・ロックフェラー氏の力が強いようです。
デービッドから見れば甥にあたる人物ですね。
ジェイ・ロックフェラー氏は1937年6月18日生まれ。
1985年から、ウェストバージニア州選出の上院議員をつとめています。
調べてみて知ったのですが、ハーバード大学では東洋の歴史や言語を学び、東京の国際基督教大学でも日本語を三年間学んだことがあるそうです。
ほかに日本との関わりでは、政治家の小沢一郎さんの著書にジェイ氏の序文が掲載されたことがあるとか。
おわりに
デービッド・ロックフェラー氏の訃報を受けて、簡単にですがロックフェラー家について調べてみました。その“頂点っぷり”にはあらためて驚かされます。まさに住む世界が違う。これほどのパワーがあれば、船を持ち上げたり機関車を止めたりできなくても、スーパーマンと言ってもいいかも知れません。もしかしたら「6つの心臓」という説もホントかもなと思ってしまうほど。
跡目を誰が継ぐのかわかりませんが、もしジェイ氏だとしたら親日家のようでもありますので、うまい具合におさまってくれたらと思いますね。
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