NHKの朝ドラ『ひよっこ』、ご覧になってますか?
時代は昭和の高度成長期。炊飯器にトランジスタラジオなど、さまざまな家電製品が庶民にも普及して行く時代ですね。
そんな夢のある暮らしを象徴しているのが、『ひよっこ』の冒頭で流れるオープニング映像。
日本の青春時代が、レトロなミニチュアで作り込まれています。
今回はこの『ひよっこ』のオープニング映像を制作した森江康太さんと、田中達也さんについて調べてみました。
『ひよっこ』のオープング映像がまるで宝探し!
こちらはディレクターの森江さんご自身のtweet。
本日、放送開始された、朝ドラ「ひよっこ」のオープニング映像を監督しました。ミニチュアアーティストの田中達也さん(@tanaka_tatsuya )との共作です。CGバリバリの作品になってますので、いずれ出るメイキングもお楽しみに。各所にトリビアを沢山散りばめた作品にしてあります! pic.twitter.com/OGCmE5IiiP
— 森江康太 Kohta Morie (@kohta0130) April 3, 2017
各所にトリビアが詰め込まれているとのこと。視聴者が何度も見ることになるオープニングですから、飽きないように配慮してくれているのでしょうね。宝探し感覚で毎回楽しめそうです。
ミニチュアのモチーフに意識が向きますが、全体包んでいる雰囲気がレトロなカラーで統一されてます。このあたりは森江氏の手腕、CG処理も目立ちすぎず、映像世界を深めるのに役立っています。
桑田佳祐さんが書き下ろしたオープニング曲『若い広場』との相性も好評。
こちらの画像のシーンでは、ブラシを並べて奥茨城の秋が表されています。
こうした小道具で小さな箱庭世界を作るのは、ミニチュアアーチスト・田中達也さんのお得意な“見立て”です。
#ひよっこ 桑田さんの主題歌も昭和感あふれて…ちょっと東京ラプソティー入っていた感が…このオープニングも早くもお気に入り。 pic.twitter.com/JABmn4aEQI
— satosi_s (@satosis) April 3, 2017
こんな細かいところに気づいた方もいらっしゃいます。
息子が「ひよっこ」のオープニングを見て、「なんか変や…あ!塗った色がピンクやのにローラーが黄色やっ!」って。
そういう違和感に気づく能力は非常に重要だよ。#朝ドラ #ひよっこ #連ドラ pic.twitter.com/O8q1rISIcS— へんも(三原貴嗣)@フットバッグ日本チャンプのブロガー住職 (@henmority) April 2, 2017
確かにローラーはピンクのはず!
何気に見ていたらスルーするところでした。すごい!
でもあそこの黄色が無かったら、画面のパキっとした明るい感じが無くなるかも知れませんね。
黄色はいわば“ひよっこ”カラー。ディレクター森江氏の配慮が伺われます。
森江さんがオープニング映像についてこんなつぶやきを投稿していました。
ひよっこのタイトルバック映像は実はこんな風に作られています。バスにはちゃんと運転手も乗ってるんです。そんなタイトルバックのメイキングはしばらくしたら公開されます。是非ご覧になってください。#朝ドラ #ひよっこ pic.twitter.com/iBAgT7ZVHr
— 森江康太 Kohta Morie (@kohta0130) May 2, 2017
月曜日はオープニングが長いそうです。
「ひよっこ」のウラ話をご紹介( *´艸`)
“朝ドラ”のタイトルバックは月曜日だけ他の曜日よりも少し長いって知っていましたか?月曜日はスタッフの名前も入っているため長いのです。夕景のシーンもたっぷりご覧いただけますよ♪#ひよっこウラ話 #朝ドラ #ひよっこ— 連続テレビ小説「ひよっこ」【公式】 (@nhk_hiyokko) May 2, 2017
森江康太(映像ディレクター)
まず映像全体を制作したのはこちらの森江氏。
キャリアのスタートはCGアニメーター。
そこからディレクションの仕事の比重を増やして行き、今回の『ひよっこ』で起用されることになりました。NHKでは『生命大躍進』(NHKスペシャル)のCG映像の制作にも関わっています。
トランジスタ・スタジオ所属。ディレクター/CGアニメーター。CGWORLD本誌にて連載中の「アニメーションスタイル」著者。CGアニメーターとして「FREEDOM-PROJECT」などに参加し、今年放送されたNHKスペシャル『生命大躍進』をはじめ、多くの作品で、アニメーションディレクターを務める。また、ミュージックビデオやCMなどでディレクターとしても活躍中
出典:「技術屋であり監督」を追求したい~森江康太(トランジスタ・スタジオ)~今年活躍したデジタル・コンテンツ制作者に聞く(1) | インタビュー | CGWORLD.jp
・森江氏の個人サイト
・twitterアカウント
・facebook
・vimeo
田中達也(ミニチュアアーティスト)
一方の田中達也氏は、『ひよっこ』の映像のようなミニチュア写真を、趣味で毎日ネットに掲載。それが評判になって独立したという変わった経歴をお持ちです。
田中さんがその“ミニチュアカレンダー”の営みを始めたきっかけは、ご自身の結婚を3ヶ月後にひかえたカウントダウンだったとか。こんなエピソードを伺うと、いっそう作品にあたたかみが増すような気がしますね。
そういうわけで作例には事欠かないわけですが、たとえばこのようなもの。
「都会の色には染まらないわ!」
#化粧品 #都会 #東京 #口紅 #新幹線 #女性専用車両 pic.twitter.com/hczDdP7MEa— Tatsuya Tanaka 田中達也 (@tanaka_tatsuya) March 15, 2017
身の回りのものを並べてミニチュア世界を構成するだけではなくて、それを撮影した写真が、ひとつのストーリーを感じさせます。
絶妙なセレクトで「あー、なるほど」と思わせる説得力。これによって、並べられた物たちに別の命が吹き込まれています。
田中さんいわく、作品制作のマイ・ルールを次のように語っています。
「“見立て”を入れることです。ただ小人の世界を作るのではなく、今あるモノを何かに“見立てる”。例えば、おにぎりで山、レタスで波を表現するなど、“〇〇で〇〇”といったワードに当てはまるようにしています」
出典:『ひよっこ』のミニチュアOP映像が話題 クリエイターが語る制作秘話 | 週刊女性PRIME [シュージョプライム] | YOUのココロ刺激する
また、作った作品は置き場所が無いので解体してしまうのだとか。
そのとき限りのミニチュア世界、はかなさも作品のうち、ということでしょうか。
ミニチュア写真家。1981年熊本出身。日常にある物を別の物に見立て、独自の視点で切り取ったミニチュア写真「MINIATURE CALENDAR」がインターネット上で人気を呼び、雑誌やテレビなどのメディアでも広く話題に。広告ビジュアル、映像、装画など手がけた作品は多数。’17年NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックを担当。
出典:MINIATURE CALENDAR
写真集も出版なさっています。

『ひよっこ』のオープニング映像へのみんなの反応
ひよっこのオープニングがとても好き。
カーネーションも好きだったな。— 奏 (@misak_kana) April 4, 2017
ひよっこのオープニングのジオラマ感いい〜
— みっちー (@m310kone) April 4, 2017
#ひよっこ のオープニングは、ノンテロップでじっくり隅々まで観たいですよね
— 蓮花茶天狗フォーエバー⌚実況 (@lotusteajikkyou) April 4, 2017
#ひよっこ 久しぶりに好みのオープニング。炊飯器やビール瓶が昭和町の建物になってるのがすごくいい。かわいいだけじゃなくて、少し奇天烈でアートなEテレ的。
— tamic (@tamic53) April 3, 2017
終わりに
『ひよっこ』はまだ始まったばかり。オープニング映像もまだ数えるほどしか見ていませんが、毎日宝探しをするように楽しめそうです。
『ひよっこ』関係の記事、他にもいくつか書いています。よかったらご覧ください。
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1964年の東京と農業をテーマに有村架純を撮り下ろし。劇中写真、オフショット+宮本信子さん、佐久間由衣さんとの対談など、って、かなり見たいですね。


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