聞き慣れない病気がニュースになっています。それは乳児ボツリヌス症。
みなさんご存知でしたか?
3月末に、生後6ヶ月の男の子がこの病気で亡くなってしまったそうです。
調べてみると、特に赤ちゃんにとって注意を要する病気らしい。
ですが、ちょっとした知識さえあれば予防できたかも知れない、ということもわかりました。
今回はこの乳児ボツリヌス症について、症状や予防方法、ポイントとなるハチミツとの関係など、わかる範囲で調べてみました。
ハチミツが原因で乳児ボツリヌス症〜ニュースの概要
ニュースによるとこの乳児ボツリヌス症、蜂蜜と関係があるらしい。
蜂蜜と言えば昔から健康食品というイメージですが、いったい何がどうなって、乳児ボツリヌス症なる病気と結びつくのでしょう?
気になるニュースの内容は、以下のようなものでした。
蜂蜜を食べたことが原因とみられる乳児ボツリヌス症で、生後6カ月の男の子が亡くなった。
東京都によると、足立区の生後6カ月の男の子は、2月22日午後3時ごろ、都内の医療機関から保健所に連絡が入り、けいれんや呼吸不全の症状で救急搬送された。 男の子は、3月30日に亡くなり、蜂蜜を食べたことで、ボツリヌス菌が体内に入った乳児ボツリヌス症が原因だという。
発症のおよそ1カ月前から、離乳食として、市販のジュースに蜂蜜を混ぜたものを1日10グラムほど与えられていたということで、東京都は、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう呼びかけている。
出典:体内に菌…蜂蜜で生後6カ月の乳児死亡(フジテレビ系(FNN)) – Yahoo!ニュース
乳児ボツリヌス症はボツリヌス食中毒とどう違う?
この乳児ボツリヌス症、“ボツリヌス”という名前がついていますので、あのボツリヌス菌と関係がありそうです。
ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)といえば、自然界のなかでも最強の毒性があるとされる危険な菌。
ボツリヌス毒素の致死量は体重70kgのヒトに対しA型毒素を吸入させた場合、0.7〜0.9μgと考えられており、1gで約100万人分の致死量に相当する(ちなみに青酸カリは経口投与の場合5人/g)。自然界に存在する毒素としては最も強力である。
出典:ボツリヌス菌 – Wikipedia
食中毒を引き起こす菌として知られていますが、ボツリヌス食中毒の場合は、ボツリヌス菌が生み出す毒素を“食品とともに”食べたときに起きる。
これに対して今回ニュースになっている乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌を含んだものを食べた後、ボツリヌス菌が腸内で増殖し、毒素を生み出すことで起きるらしい。
違いは、体外から毒素が入ってくるのか、体内で生み出されるのか、という点。
“乳児”と名前についているとおり、乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児にみられる病気だそうです。
乳児ボツリヌス症の症状
乳児ボツリヌス症になると、便秘状態が数日間続き、全身の筋力が低下。赤ちゃんがお乳を吸う力も弱くなります。筋肉が弛緩するため、首のすわりが悪くなる、泣き声が小さくなる等の麻痺症状が表れるそうです。
私が見た範囲の情報では、どの記事でも特徴的な症状として便秘が挙げられていました。乳児ボツリヌス症の重要なサインのようです。
乳児ボツリヌス症の原因〜ハチミツとの関係は?
ボツリヌス菌は嫌気性で、ビン詰や缶詰などの保存食品の中で発生する場合があります・・・ここでようやく、気になっていたハチミツとの関係が出てきました。
乳児ボツリヌス症の原因食品として、以前は蜂蜜がありました。1987年10月、1歳未満の乳児には蜂蜜を与えないようにと当時の厚生省が 通知を出して以降、蜂蜜を原因とする事例は減少しました。
出典:食中毒を起こす微生物 ボツリヌス菌|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
なお、ボツリヌス菌の芽胞は高温にも強いそうです。
乳児ボツリヌス症の発症はいつから?
亡くなってしまった赤ちゃんは2月22日の午後三時頃救急搬送されています。
ニュースによれば、この赤ちゃんは離乳食として蜂蜜を混ぜたジュースを、発症一ヶ月前から与えられていたとのこと。
かなり幅があるので発症までの期間の目安は確定できませんが、幅は多様なようです。
腸管内で産生された毒素による発症で潜伏期間が3~30日と長いのが特徴です。
出典:乳児ボツリヌス症
乳児ボツリヌス症の治療方法
便の検査をすると、ボツリヌス菌が増殖していることが確認できるそうですが、便秘が問題。
当然、専門機関で診てもらうことになるでしょう。
呼吸筋に麻痺が起きる場合があるので、呼吸管理が必要だそうです。
呼吸筋麻痺を起こすことがあるので、呼吸管理が必要です。ボツリヌス多価抗毒素血清を過敏症がないことを確かめて、できるだけ早期に投与します。
出典:乳児ボツリヌス症
予防がたいせつ、ハチミツには気をつけよう
乳児ボツリヌス症の場合は予防が肝要。
なかでもハチミツとの因果関係はかなり濃厚なので、気をつけましょう。
一方、大きくなると腸内の多様な細菌群によって、ボツリヌス菌は増殖しにくくなり、乳児ボツリヌス症にはならないらしい。
1歳を越えると、正常な大腸細菌叢が形成され、発症しなくなります。
出典:乳児ボツリヌス症
おことわり
以上、ニュースをうけて簡単に乳児ボツリヌス症について調べてみましたが、私自身は医療や細菌の専門家ではありません。実際の予防、治療など、重大な場面の責任は負えませんので、専門のサイトをご覧になったり、専門機関に相談するなどしてください。すみませんが、この点最後に書き添えさせていただきます。くれぐれもご留意ください。
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