洞窟と聞くとちょっと怖いイメージがありますが、同時に冒険心もかきたてられ、ロマンも感じます。
さらにその洞窟が水中にあるとしたら?
・・・怖さもロマンも倍増ですね。
今回興味をひかれたのは「オルダ水中洞窟」。
ロシアのウラル山脈の麓にある、巨大な水中洞窟です。
危険をかえりみずに潜ってみると、そこにはどこまでも透明な青い世界が広がっている。
ありがたいことに今夜のNHKスペシャルではその絶景を、お茶の間で見られるそうです。
以下は放送に先立って私が予習した結果です。
オルダ水中洞窟の大きさや特徴、場所は地図でどこか? 事故や遭難などの危険度、潜ったダイバーは誰で、どんな訓練をしたのか? などをまとめました。
そして最後に、神秘的すぎるオルダの女神の動画をご案内します。
オルダ水中洞窟とは?
オルダ水中洞窟はロシアにある水中洞窟。
2008年、ユネスコ世界自然遺産に登録されています。
特徴をみていきましょう。
巨大空間
まずその大きさが凄いです。
4.8kmの長さは世界最長とも。深さは200m。
約5kmですから、地上で歩いてもけっこうな距離ですよね。
深さのほうも、仮に高さと置き換えるとその巨大さがイメージできそうです。
透明度
次に水の透明度。数字で言うと50ヤードまで見えるそうです。メートルになおせば視界が45メートルくらいあることになります。
透明すぎて水が見えないため、ダイバーが、まるで空中に浮かんでいるように見える。
このあたりは映像を見ると実感できそうです。
石膏でできている
この透明度は洞窟を形成している素材とも関係していると言われています。
その素材は石膏。
そのため、洞窟の壁はけっこう壊れやすいのだとか。
数百万年という、気の遠くなるほどの歳月をかけて作られたそうです。
空間的な巨大さもさることながら、巨大で透明な洞窟に蓄積された時間の膨大さにも驚かされます。
青く澄み渡った光景はまるでCG。「水晶の洞窟」とも、地球で最も美しい水中洞窟とも呼ばれるオルダは、まさに神秘の場所と言えそうです。
オルダ水中洞窟の場所は、地図でどこ?
オルダ水中洞窟があるのは、ロシアのペルミの近くのオルダ村。
ウラル山脈の麓にあたります。
地図で確認しましょう。
さすがにストリートビューはありませんが。
生物は存在するのか?
オルダ水中洞窟には、生物はいるのでしょうか?
いるとしたらちょっと変わった新種など期待できそうですが、結論から言うと、いないと考えられています。
石の壁と水だけの、どこまでも静謐な空間、ということになります。
生物がいない理由
というのもこのオルダ洞窟、光が届かないため植物が育ちません。
そのため、植物を食べる生き物も生存できない。
なるほどですね。
それに水温が低い。この付近は気温がマイナス40度になることもありますし、水温は5度。
かろうじて氷点下を上回っている程度。
事故や遭難と隣り合わせ〜オルダ水中洞窟の危険度
これだけ知るだけでも、危険な場所だと言うことは想像できますね。
青く神秘的な水中空間に心惹かれますが、そもそもは暗黒の冷たい水中の世界。
しかも洞窟内部はまるで迷路さながらに入り組んでいる。
もちろん、確認されていない場所も多い。
今回の放送では、このなかのギドロコスモス(氷の宇宙)、というスポットを目指す模様です。
なんともダンジョン感満載なネーミング。ワクワクです。
当然遭難するダイバーも少なくない。一説に寄ると300人が亡くなっているそうです。
そのため水中洞窟の各所には、警告のためのサインや看板が設置されているそうです。
潜るには訓練が必要
洞窟内部では、迷うことがないよう、ロープを岩に結びながら進んで行くそうです。
そのため、陸上でまず訓練を積むことが必要。木を岩がわりに、目隠しをして進む練習をするのだとか。
なぜ目隠しをするかと言うと、水中でライトが消えてしまったり、あるいは泥が舞い上がるなどして視界が奪われてしまう場合があるから。
さらに、これを決められた時間内に行う訓練を積んで行きます。
ダイビングですから、背負って行く空気に限りがある。すなわち、時間に限りがあるということですね。
ベテランダイバーにもなかなかハードと言わしめる訓練で、高いスキルが要求されます。
こうやってライセンスを取得して初めて、洞窟に潜ることを許されるのだそうです。
潜ったのは誰?
今回のNHKスペシャルでこの訓練を積んだのは高野克彦チーフ・カメラマン。
約25年間の潜水撮影の経験があるエキスパートです。
日本で4日間、アメリカのフロリダで8日間の訓練を積んだそうです。
そのおかげで神秘の光景を見ることができるのですから、感謝ですね。勇気も要ることだと思います。
フリーダイビングの女神
こんな困難なスキルが要求されるオルダ水中洞窟のダイブですが、世界にはさらなる強者がいるようです。
フリーダイバーで科学者のNatalia Avseenkoさんはこのオルダケーブで、なんと素潜り!
しかも神話の世界のような衣装で浮遊間満載の映像を残しています。
The Lady of Orda Cave Хозяйка Орды from Kiril Ivanov on Vimeo.
すごいですね。
この方、やることが徹底していて、水温1.5度の北極海で全裸で泳いだこともあるそうです。
裸になったのは寒さ我慢の根性を見せつけるためではなく、人工的な素材が苦手なシロイルカと一緒に泳ぐためだったそうです。
すごいですね(再)。
NHKスペシャル『巨大水中洞窟を潜る 絶景オルダ“水の宇宙”』の放送時間はいつ?
こんなありがたい番組を見られるのは、2017年5月13日(土)21時から。NHK総合です。
再放送があるそうです!
見逃した方はぜひ!
放送時間は、2017年5月18日(木)午前1時00分から1時49分(17日の深夜になります)。
オルダ水中洞窟のまとめ
以上、簡単にまとめますと、
・オルダ水中洞窟はロシアにある、世界最長の水中洞窟。
・巨大さと透明度が特徴。
・内部は入り組んで危険なため、潜るには専門の訓練が必要。
・生物はいない。
地球上でも、もっとも神秘的な場所のひとつと言えそうな場所ですね。
放送が楽しみです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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