普段何気なく見ている街路樹にも、それぞれ異なる表情があります。いかにも元気旺盛な樹や、いまにも朽ちかけている老木などは、素人目にも違いがはっきりわかります。しかし、一見したところ似たように見える樹木にも、違いを見分けられる人たちがいます。それが樹木医。その名のとおり樹勢が衰えた樹を治癒するエキスパートですが、その活躍の場は今や町づくりなどへも広がっていると言います。
今回はそんな樹木医の中でもプロ中のプロと言われる和田博幸さんに注目してみました。
後で詳しく書きますが、和田さんは弘法大師が治癒したと言われる神話時代からの老木を、今の時代に再び治癒した実績を持ちます。それ以外にも貴重な木々の数々を調査、保全した実績の持ち主。
というわけで、以下、和田博幸さんの年齢やご出身、大学などのプロフィールや、関わった銘木や桜の名所などの計画の一部をご紹介したいと思います。
また、折よくテレビでも和田さんがとりあげられるので、その番組名と放送時間についても、末尾でふれています。
和田さんと樹木医の世界を知るよい機会だと思いますので、関心のある方は必見ですよ。
和田博幸さんの年齢や出身大学などのプロフィール
まずは和田博幸さんのプロフィールについて、ざっくりしたところを。
和田博幸さんは1961年生まれ。誕生日まではわかっていないので、現在は56か55歳ということになります。
ご出身は群馬県。
大学は東京農業大学農学部で、農芸化学科を卒業なさっています。
以下、簡単に和田博幸さんのプロフィールを表にまとめてみます。
和田博幸さんのプロフィール
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 和田博幸 |
読みかた | わだ ひろゆき |
生年月日 | 1961年 |
年齢 | 56歳 |
出身地 | 群馬県 |
最終学歴 | 東京農業大学農学部 |
高校 | 東京農業大学第二高等学校 |
ジャンル | 樹木医 |
結婚 | 不明 |
和田博幸さんの経歴
和田さんは東京農業大学を卒業した後、1983年に「公益財団法人日本花の会」に所属します。そこで桜の名所作りの仕事に関わり、キャリアを積み始めます。
花の会の業務の内容は調査研究だけでなく実務にもおよび、2000年には樹木医の資格を取得しました。
現在は「公益財団法人日本花の会」の主任研究員として、桜をはじめとする花・緑の地域づくりの主導的役割を果たしています。
また、国内外の事例にも詳しく、「全国花のまちづくりコンクール」の企画サイドのスタッフとして関わっています。
もちろん樹木医の本来の仕事・傷んだ樹木の治癒も行なっており、
・NPO法人 東京樹木医プロジェクト
・NPO法人 みどり環境ネットワーク
の理事もつとめていらっしゃいます。
和田博幸が関わった桜・銘木
ここで和田博幸さんが関わった有名な事例をご紹介しましょう。
山高神代ザクラ
山梨県武川町の実相寺の境内にそびえる山高神代ザクラは、三春滝桜(福島県)や淡墨桜(岐阜県)と並ぶ日本三大名桜。
推定樹齢は1800年〜2000年の大木で、樹高10.3m、根元の幹周りは11.8mもあります。
種類としてはエドヒガンザクラになります。
この樹齢ですからもちろん国の天然記念物に指定済。というよりも、この天然記念物という指定制度の第一号なのだそうです。
あのヤマトタケルノミコトが東征を行った際に植えたと伝わっており、それが神代の名の由来にもなっています。
神代の昔に由来する桜ですが、13世紀頃に枯れかけた時があったと言われており、その時回復させたのは日蓮聖人。
そのため別名を「妙法桜」とも言われているそうです。
和田博幸さんはこの歴史ある聖木の治癒・回復を手がけました。
現在も調査に関わっておられます。
弘法大師の法力で治したサクラを、現代の和田さんが再び治す・・・樹木医の技術は法力と並ぶもの、なんでしょうか(笑)
伊豆大島の桜株
伊豆大島の北東部・泉津の山中ある桜の株。
推定樹齢800年。種類はオオシマザクラ。
1935年に国天然記念物指定、1952年に国特別天然記念物の指定を受けているのですが、国指定の特別天然記念物は東京都にはこの大島の桜株しかありません。
サクラッ株と呼ばれ、地元で愛されています。
2004年頃から、和田さんはこの桜株に関与しています。
根古屋神社の大ケヤキ(山梨県)
根古屋神社の大ケヤキ(ねごやじんじゃのおおけやき)も和田さんのクランケです。
ある場所は、山梨県北杜市の須玉町江草(えぐさ)にある根古屋神社の境内。
一対を成す日本の大ケヤキで、本殿の右手が「畑木」、左手が「田木」。
双方ともに高さ20メートル、幹囲10メートル超あるそうです。
古来から地元で親しまれていて、その年の収穫を占うのにも使われていたそうです。
右の畑木が早いと畑作が、田木が早いと田が豊作、と伝えられていたとか。
国立(くにたち)の桜並木
こうした数々の巨木・銘木にも関わって来た和田博幸さんですが、町づくり的な計画も手がけていらっしゃいます。
東京都国立駅の目抜き通り、一橋大学に向かって伸びる大学通りの桜並木は有名。
数にして150本が、花見の季節には通りを彩ります。
桜の特徴
ちょっとここで脱線ですが、みなさんおなじみの桜と言えばソメイヨシノですよね。
このソメイヨシノ、実は種ではほとんど増えることがない。
そのため、みんなの存在しているソメイヨシノは、ほとんどが接ぎ木で人工的に増やされ、植えられたものなのだそうです。
私たちは桜の木を日本の象徴のように感じている面がありますが、実はその桜は人の営みによって培われたもの。満開の桜が咲き乱れる春の光景は、代々に渡る人の努力によって実現しているものだということです。
樹木医の仕事はいわばこの最前線。特に古くからのソメイヨシノの名所などは、和田さんのような方が不可欠ということになりそうですね。
高遠城址公園
高遠城址公園(たかとおじょうしこうえん)は、長野県の伊那市、高遠町東高遠にある高遠城を中心にする公園。
高遠城は、大河ドラマにも時折でてくる山本勘助による設計で、別名兜山城とも呼ばれています。
見所はこの公園にしか咲かないといわれるコヒガンザクラ1500本。
日本さくら名所100選にも選ばれており、お花見シーズンには全国から観光客が訪れます。
ここでご紹介したのは和田博幸さんが関わった樹木・町づくりの事例の一部に過ぎませんが、いずれも有名なスポットで、シーズンには人でにぎわいます。
そのため根が傷んだり、土壌もダメージを受けたりします。樹木を保全するには土地の健康も重要ですから、和田さんら樹木医の仕事はこうした方面にも及んでいます。
樹木医の仕事〜治癒・保全・まちづくりや啓発活動
樹木医は、呼んで字のごとく樹木のお医者さんです。
痛んだ樹木の治癒・回復を行う知識、技術、経験がある人々。
守備範囲は広く、記念物指定されるような巨木・銘木から、身近な街路樹や庭木まで、勢いの衰えの原因を診断し、回復をはかります。さらにその後も健全に育つよう、保全にも関わるケースも多い。
また、単なる樹木の治癒だけではなく、樹木を用いた都市計画、町づくりなどに関与したり、そうした景観や個々の樹木を守るための知識の啓蒙・啓発活動として、講演会なども行うそうです。
樹木医になるには? 資格取得までの裏技?
樹木医は、あくまで民間の資格で、「樹木医試験」に合格することで取得できます。
ただし、通算で7年以上の実務経験が必要。その上で資格試験を受験することができます。
審査は二次まである。
けっこう長い道のりですね。
樹木医補だと実務経験が1年で!
ただし、この道のりを短縮する方法もあります。
2004年にもうけられた「樹木医補」の制度がそれ。
大学などで専門的な教育を受け、認定試験に合格すると樹木医補の認定を受けられます。
樹木医補の場合は、樹木医試験の受験資格を、実務経験1年間に短縮できます。
樹木医になりたい人にとっては朗報ですね。
ちなみに2016年末の時点での登録樹木医は、2600人弱。
ほぼ9割が男性です。
樹木医の年収はどのくらい?
樹木医になりたい場合、収入がどのくらいかも気になるところですね。
これは所属する組織によってまちまち。
平均すると400万円くらいではないか、という情報もいくつか見かけましたが、ソースが不明なものが多いです。
あくまで参考値で。
数々の銘木・名所を手がけてきた和田さんの凄腕は、樹木医界の“ブラックジャック”のようでもあります。マンガのように法外な治療料を払ってでも治して欲しいという依頼も多そうですが、もちろん和田さんはヤミではないし、法外な治療料を請求したりもしないでしょうね(笑)。
和田博幸さんの結婚や家族は?
和田博幸さんのプライベートに関する情報は見つけられていません。
年齢的にご結婚されていても不思議ではありませんし、お子さんもいらっしゃるのではないかと、個人的には思うのですが、あくまで推測の域を出ません。
NHKプロフェッショナルの放送時間
さて、樹木医・和田博幸さんについて、プロフィールや実績などの情報を集めてきましたが、テレビ番組で特集される機会があるそうです。その番組名はNHK『プロフェッショナル・仕事の流儀』。
放送時間は、6月5日、22時25分から23時14分、NHK総合で初放送。
『プロフェッショナル』は、通例だと金曜日にも再放送されます。
こちらは午前1時25分から2時14分の放送。同じくNHK総合です。
曜日は金曜ですが、木曜の深夜になりますのでご注意ください。
樹木医・和田博幸さんまとめ
以上、ごく簡単にではありますが、樹木医・和田博幸さんについての情報でした。
群馬県出身の和田さんは現在おそらく56歳。
一貫して樹木に関わってきて、樹木医として手がけた銘木も多数にのぼります。
さらに街並みづくりや、樹木保全の啓発活動にも関わっておられる。
そんな和田さんの人生に一貫しているものは何なのか?
そのあたりへの突っ込みを『プロフェッショナル』には期待したいところです。
最後までご覧くださり、どうもありがとうございました。
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