インスパイア(inspire)の意味・語源・日本流使い方〜日立やラーメン二郎の場合は?

インスパイア(inspire)、この頃よく聞く言葉です。

英語なんでしょうけど、最近の日本語の中で独特な意味を持っているような気もします。
耳にするたび多少の違和感を感じてしまうので、今回はこのインスパイアを調べてみることにしました。

本文ではインスパイアの

  • 意味
  • 語源
  • 使い方

について私流にまとめてます。

「インスパイア」を今風に使いこなしたい方や、
私のように、聞く度にヘンな感覚を憶える人のお役に立てたらと思います。

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インスパイアの意味

インスパイア、何となくピンとこないのよね・・・

インスパイアが使われるのは次のようなシーン。

「この曲は海外のアーチストにインスパイアされて生まれました」
「あのデザインは北欧にインスパイアされてる感じだね」

この場合、インスパイアは「影響」とか「感化」、「触発」という意味で使われています。

インスパイアに感じる違和感と処方箋

とりあえず、これ↑だけ。
インスパイアはさしあたり、影響・感化・触発といった日本語で置き換えることができます。

インスパイアと聞いてちょっと違和感を感じるのは、これらの影響や触発という日本語があるのに、なぜわざわざ“インスパイア”を使うのかな? という点があります。

そういう疑問はあるのですが、インスパイアという言葉がピンとこない人や、インスパイアと聞くと思考がとまってしまう人は、とりあえず「影響」「感化」「触発」あたりで置き換えると、いちおうの手当はできるかと思います。

とりあえずわかったけど、なぜ日本語で言わないの?

インスパイアの語源

ですが、これだけだと話が終わってしまうので、もう少しインスパイアを掘り下げましょう。
日本語には置き換えられないニュアンスが、きっとあるはずです。

インスパイアの綴りは「inspire」。
語源としては、ラテン語系の「in」と「spirare」から成り立っています。

このspirareは「」のことです。
日本語でも、「この人はまだ息がある」という使い方をするように、spirareにも「生命、息吹」といった意味があります。これに「in(中へ)」がつくと、「生命を吹き込む」というニュアンスになります。

また、inspireの名詞形はインスピレーション。
ここで言う“生命”や“息”が、たんなる生理的な活動、呼吸を超える霊感精神性にまでつながっていることが感じられますね。

なので「インスパイアされた」と言う場合は、確かに「影響」や「感化」なのですが、それは形式面のことではなくて、主に精神性や直感的なひらめきを指していると考えられます。

「いい曲だと思ったので、その曲調をお手本にして、似た曲を作った」というのはインスパイアではありません。
結果として曲調が似てしまう場合もあるかも知れませんが、これは後で触れる「パクリ」と区別がつきにくいケース。

そういうということではなく、先行する曲がテーマにしているものや、その曲をテーマにとりあげたアーチストの“精神性に触発された”、という点がキモ。作ってみたら全く別な曲調になる場合もあるし、例えば曲から絵が、風景から曲がインスパイアされることもあるわけです。

インスパイアは精神的なことなのね。

インスパイアの問題

私の解釈になるのでご異論はあるかも知れませんが、私はインスパイアを、こんな風に「生命力の喚起・触発」くらいの意味でとらえています。

で、このインスパイアですが、さきほど少しふれたように「パクリ」と区別がつきにくいケースがあります。
音楽で言えばそっくりな曲調、部分的に似たフレーズ、絵で言えば“まんま”な画風、タッチ、そういう、表面的な要素が似ている場合です。

先行する作品の精神性に感化された結果、似たような作品ができてしまう。そういうケースは確かにあるのかも知れません。ただしインスパイアの核心は精神性。それがしっかりと受け継がれ、発展させられていればインスパイアですが、単に形式的に似ているだけ&作品としての息吹がない場合は、どうしても「パクリ」と言われてしまいます。真似、ですね・汗。アーチストにとっては厳しいかも知れませんが。

さらに困ったケースとしては、「パクリ」じゃなくて「インスパイアされた作品であって、あくまでオリジナルと見て欲しい、とアーチスト自身がインスパイアを楯にするケース。外来語特有の意味の曖昧さを、パクリの逃げ口上に使う。これはよろしくありませんね。
インスパイアかパクリか、つきつめるとそれは、作品を受容する側が判断することになります。

インスパイアの使い方

音楽やアートを念頭に書いてきましたが、英語ではこんな風にも使われます。

He inspires players to do their best at all times.
彼は、常に全力を尽くす気持ちを、選手たちに起こさせる。

表現の領域だけではなく、やる気やモチベーションなど、気力を人に喚起する場合もインスパイアが使われるのですね。

あと、私は知らなかったのですが、国内ではこんな使われ方が広まっているそうですね。

ラーメン二郎のインスパイア店

関東で絶大な人気を誇るラーメン二郎。
その店を「インスパイア」した店が多数あって、ラーメン二郎のインスパイア系とかインスパイア店と呼ばれているそうです。

ラーメン二郎はボリュームもカロリーも超ド級のラーメンで知られていて、ジロリアンと呼ばれる熱心なファンも多い。特に三田の本店では常に行列が絶えず、そのせいもあってか入店時の作法が、暗黙のうちに決められている。
ネットで調べると食券の購入法をはじめ、「コール」と呼ばれる「ニンニク入れますか?」の問いかけへの返答法など、ファンの方がビギナー向けに詳細に解説してくれています。

ここで興味深いのは、二郎のインスパイア店は、ラーメン二郎のチェーン店ではない、という点。
数が多くて検証のしようもないのですが、ラーメン二郎とは直接関係がない店もあると思われます。
(詳しい方がいらしたら補足していただけると助かりますmm)

ここまでみてきた「インスパイア」の意味を、仮にあてはめることを許していただくとしたら、ラーメン二郎のインスパイア店は、ラーメン二郎の精神に触発された店、ということになります。

なので、ボリュームがあるとか、店主同士が直接関係があるということとは関係なく、そのラーメンが二郎のラーメンの魂に触発されているかどうかが問題になるでしょう。もちろん麺やスープの種類も、一義的には問題ではありません。

実際、インスパイア系と言われるお店が提供しているラーメンは実に多様。
ただ、ボリューム満点なところは、おおむね共通しているようです。
触発されている精神性のほうは、食べて確認するしかありません。

インスパイア店のなかには、ほんとうに二郎さんの仕事に触発されて自分のラーメンを生み出したところもあるでしょうし、ボリュームがあればとりあえずいいか、みたいなところも、もしかしたらあるのかも知れません。
よくもわるくも「インスパイア」の、現在の使われ方の好例のように思います。

日立グループのコーポレートコピー「inspire the next」

長らく使われている日立の「inspire the next」。
ここにもインスパイアが使われていますね。

このキャッチフレーズになったのは2001年1月頃からだそうですから、今のようにインスパイアが流行る前から使われていたことになります。

新しい時代を刺激しよう、といった意味になるでしょうか。
時代の息吹を刺激する企業グループでありたい、という意志が読み取れます。

今のカタカナ“インスパイア”とはちょっと違う使われ方なのが、かえって新鮮です。

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インスパイアまとめ

以上、よく耳にするけれど、何となくピンとこない面もあるインスパイアについて、私なりの解釈を書いてきました。

人によってはこのインスパイア、聞くたびにちょっとイラっとしていたかも知れません。
ほかならぬ私がそうなんですが、みなさんの違和感は解消されたでしょうか。

ここに書き連ねたのは私の解釈なので、かえってイライラが募ってしまったかも?だとしたら申し訳ないです。逆に、わずかでもヒントになる部分があれば嬉しいです。

長文を最後までご覧くださり、どうもありがとうございました。

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