「美少年」という言葉がもつ耽美的な響きは、どこから来るのでしょう?
織田信長、三島由紀夫など、若い男性特有の美にとらわれていたと聞きます。
そんな若い男性の美しさに惹かれた女性写真家が一人。
男社会に単身飛び込み、女性目線で若い男性の美しさを切り取り続けています。
今回はそんな女性フォトグラファー・大串祥子さんに注目してみます。
大串祥子(おおぐし しょうこ)さんのプロフィール・経歴
- 佐賀県生まれ
- 東京外国語大学卒業
- 株式会社電通に勤務
- 渡英して写真を学ぶ
生年月日などの詳しい情報はわからないのですが、電通の山田壮夫氏と同期入社だそうなので、1969年頃のお生まれなんじゃないかと思います。仮に同じとすると、年齢はアラフィフということになりそうです。
大学卒業後は電通に勤務
大学ではイタリア語学科で学んでいました。
卒業後は、何かと激務が話題になっている電通で、コピーライターやCMプランナーとして活躍していました。
コピーライターと言えば今も昔も人気の職業ですが、広告業界の頂点・電通でその任に就いていたということは、相当な実力をお持ちだということがうかがえますね。
イギリスで写真を学ぶ
ところが大串祥子さんは、その花形職業を辞して渡英。ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティング・アンド・ディストリビューティブ・トレードという学校でフォトジャーナリズムを学びます。この、日本語で書くと長い名前の学校は現在、ロンドン芸術大学(University of the Arts London)を構成するひとつとなっています。
写真のテーマに選んだのは美少年
大串祥子さんは在学中の1998年から『アドニスの森 Men Behind the Scenes』というプロジェクトを開始。
- パブリックスクールイートン校(1998年)
- ドイツ連邦軍の兵役(1999年)
- コロンビア軍麻薬撲滅部隊(2000-2001年)
を舞台に若い男性の写真を撮りはじめます。
パブリックスクールイートン校は全寮制の私立校で、ウィリアム王子やヘンリー王子など、英国の貴族の子息らが通うことで知られています。つまりは、いろいろな意味で階級意識や規律が厳しい世界。
続くドイツ連邦軍の兵士たちや、コロンビアの麻薬撲滅舞台に至っては軍隊ですから、モロ階級と規律の世界です。
大串祥子さんは、このようなオトコ社会で生きる男性に、被写体としての魅力を感じていることがわかります。
2004年から2011年は近代五種競技に撮影の場を移します。
近代五種は射撃・フェンシング・水泳・馬術・ランニングをひとりでこなす競技で、これも由来は19世紀のフランスの軍隊にあります。大串祥子さんは国際近代五種連合UIPMに認められ、2008年には北京オリンピックの公式フォトグラファーに任命され、同種目を撮影しています。
こうして規律社会で戦う男の姿を捉えて来た大串祥子さんですが、2011年には東日本大震災を機に故郷の佐賀へ戻ります。
以後のテーマは、中国の嵩山少林寺。この世界遺産にもなっている寺院にで修行に明け暮れる僧侶たちの日常を撮影しました。
個展・写真集などの主な実績
2009年 写真集『MODERN PENTATHLON』(独・Ralf-Hellriegel-Verlag)
2010 写真展 北欧Bar風の森(新宿)
2014年11月 『美少年論 Men Behind the Scenes』(佐賀新聞社)
2014年 写真展 銀座ヴァニラ画廊(東京)
2015年1月 写真展 佐賀新聞ギャラリー(佐賀)
同年 写真展 ギャラリーBIN(福岡)
2016年 『Men Behind the Scenes』 第2章 アジア篇初の写真集『少林寺』
大串祥子さんの写真集は通販でも買える?
そんな大串祥子さんの写真を、実際に手に取ってみたいという方もいらっしゃるでしょう。
大串祥子さんの写真集はamazonでも取り扱いがあるようです。
こちらは第一期のイートン校などのもの。
(*クリックすると通販サイトへ移動します。)
こちらは第二弾で、少林寺の若者たちです。
大串祥子さんのネット上の情報源
公式のウェブサイトがあります。
SHOKO OGUSHI PHOTOGRAPHY : MEN BEHIND THE SCENES
大串祥子さんまとめ
以上、簡単ですが、美少年写真を撮り続けて20年、写真家・大串祥子さんのプロフィールや仕事についてでした。
大串さんに関しては、2017年7月18日に放送される『その決断に人生が動く! 生き様オンリーワン』でスポットが当てられるようです。まさに美少年を求めて“オンリーワン”な活動を続ける大串祥子さん、作品とそれを支える意志についてうかがうよい機会になりそうです。
放送時間は19時00分~20時57分。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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