老人ホームをいざ選ぼうとすると、その種類の多さに圧倒されますよね。
入居者のニーズの違いや、支えている保険制度などの事情で多様化・複雑化してしまったのですが、全体を理解するまでにひと苦労です。
ここをご覧いただいているあなたも、おそらくは親御さんの健康状態、経済状態などを念頭に、どのようなホームがマッチするのか、そのヒントを探しておられるのではないでしょうか。
というわけでこのページでは、老人ホームにはどのような種類があるのか。それぞれの特徴や違いを理解できるよう一覧形式で紹介します。
全体の概要を理解するため、あえて細かな情報は端折り、わかりやすさを優先しました。老人ホーム選びの最初の一歩としてご利用いただければと思います。
また、お一人で悩んでいると煮詰まってしまうこともあるでしょう。初めてだとわからないことだらけですよね。そんな時気軽に相談できそうな連絡先も挙げますので、参考にしてください。
ここに書いた内容は、私自身が必要に迫られて調べた結果をシェアしたものです。専門家ではありませんが、その分皆さんと似た立場からメリット、デメリットを見られますので、知りたいポイントを絞ってお伝えできるのではないかと思います。
老人ホームの種類はいくつあるのか?
老人ホームで検索してまず戸惑うのは、施設の種類の多さ。しかも似たような名前があったり、別の呼び方でも同じ種類の施設を指したりします。
調べているうちに、ちょっと心が折れそうになりますね。
こんな風に種類が多くなってしまった理由の一つは、ニーズの多様さ。
人間、お母さんのおなかから無垢な状態で生まれてきますが、その後の人生はいろいろ。年を経るにつれ、それぞれ固有の事情が生じます。なかでも大きいのは健康状態と経済状態。
元気な方とそうでない方、お金に余裕がある方とそうでない方、それぞれの“違い”で入居できる施設が変わってきます。さらにその程度によってはサポートする保険制度が使えるのかどうかによっても、施設の種類が変わってくるのです。
このように、老人ホームの種類が複雑化している理由を理解すると、幾分イライラもおさまるのではないでしょうか?
同時に、上記の“違い”で老人ホームの種類を理解していくことが、老人ホーム選びのキモになってきます。
老人ホームの種類は全部で10種類。
それぞれ一覧にリストしながら、上のポイントをおさえて行きましょう。
(*バリアフリー設計で日常生活をサポートしてくれる、シニア向けの分譲マンションを含めることもありますが、ここでは除外します。)
民間の老人ホーム
有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームがあります。
有料老人ホーム
食事など日常生活のフォローを目的にした施設。
民間の経営であることがほとんど。
介護サービスの違いによって、次の三種類に分けられます。
健康型有料老人ホーム
介護の必要がなく、自立して暮らせる方のみを対象にした施設。
そのため、介護が必要になると退去しなければなりません。
介護保険の適用はありません。
住宅型有料老人ホーム
食事や掃除、洗濯などの生活支援を受けられます。
施設のスタッフは介護サービスを行ないませんが、外部の介護事業者と契約してサービスを受けながら暮らすことができるため、幅広い入居者に対応できます。
デメリット介護スタッフがいない。介護ごとに費用がかかる。
費用は高めと考えておいたほうがよい。
介護付有料老人ホーム
施設そのものに、介護や食事などのサービスがついている有料老人ホームです。
自立して生活できる人から介護が必要な方まで、幅広い対応が特徴
24時間対応の介護スタッフが常駐。ケアマネージャーの計画に則った介護、生活支援が受けられます。リハビリやレクリエーションなどもある。
それぞれの都道府県から介護保険の、特定施設入所者生活介護の指定を受けている施設です。
手厚いケアが期待できる。
デメリット費用が高い場合が多い。特に入居時に数千万以上かかる場合もある。
外部の介護サービスは受けられない。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
介護と医療を連携し、高齢者が安心して暮らせることを目指した賃貸住宅。
敷金と前払いの家賃で入居できます。
一定の設備、広さ、共用部分、そして安否確認、生活相談サービスがあります。
以前は高齢者専用賃貸住宅というものが制度化されていましたが、これはその後継のようなイメージです。
食事の提供や、買い物、病院への送迎などが提供されるところもある。
バリアフリーで、自立した生活を遅れる。
デメリット専門職員の常駐は無い。
介護レベルが高くなると、住み続けられなくなる場合がある。
認知症には対応していない場合がほとんど。
グループホーム(認知症老人共同生活介護)
複数の入居者がグループをつくって、自前の能力を生かして助け合いながら共同生活する施設です。
できることは自分たちで行うことが基本になりますが、食事や入浴、排泄介助などの支援は受けられます。
施設の形態は、それぞれ差が大きいと言われています。
共同生活により、認知症の改善や進行を遅らせることを期待できる。
デメリット認知症を患った方達の共同生活なのでトラブルがある場合も。
必要な医療の程度が高くなると、住み続けるのが難しい場合もある。
長期入所が可能なことと、施設の数そのものが少ないため、一般に待機期間が長い。
公共型の老人ホーム
養護老人ホーム
65歳以上で、心身上の問題や経済的な事情により、家で養護することが難しい人向けの施設です。
身寄りのない方や住む場所が無い方を対象にしていた、昔の養老院の後継というイメージです。
介護保険法ではなく、老人福祉法における「福祉施設」になります。
行政が措置として入所を決めるため、自分で施設を選ぶことはできません。
相談は福祉事務所、市町村役場へ。
特別養護老人ホーム(特養)
寝たきりや認知症などで介護が必要な方。原則は65歳以上。
要介護度3以上の認定が必要。
計画に沿って、日常生活のサポート、リハビリを行います。
家賃や食費が必要になります。
介護保険施設。
相談は地域の役所に行います。
手厚い介護が受けられる。
長期入所が可能。終の住処となる場合もある。
デメリット入所そのものが難しい。待機期間が長く、一年以上が一般的。
高度な医療ケアが必要な場合は住み続けられない場合もある。
レクリエーションなどはあまり期待できない。
介護老人保健施設(老健)
65歳以上。要介護1以上の認定者が対象。
病気で入院した後、病状が安定。でも自宅での自立生活は難しく、リハビリテーションも必要というような方向け。
病院と自宅の間というイメージで、入居できる期間はそれぞれの施設の会義で決まります。
入居相談はそれぞれの施設に直接行います。
月額費用も比較的安い。
デメリット原則的に入所は三ヶ月間と、期間が決められている。
施設を出たあとの介護方針を決めておく必要がある。
相部屋になる場合が多い。
介護療養型医療施設(療養病床)
65歳以上。要介護1以上の認定者が対象。
病状が安定しているが、長期の療養が必要な方向けの医療施設。
病院や診療所の敷地内にある場合も多い。
介護保険施設ですが、生活実態は入院生活というイメージです。
相談はそれぞれの施設に直接行います。
この形の施設は、2018年3月には廃止されることになっています。
必要な医療の程度が高くても対応できる。
長期入所やターミナルケアにも対応。
費用は比較的安く、入居時の費用も不要。
デメリット一般的に、待機期間を要る。
生活援助は厚くはない。
相部屋がほとんど。
軽費老人ホーム(ケアハウス)
定額で入居できる。経済的な事情などで家族同居することが難しい方が対象。
日常生活のフォローを目的にしている。
一般型と、介護職員が常駐する介護型があります。
入居相談はそれぞれの施設に直接行います。
介護型は要介護度が上がっても対応できる。
デメリット入居一時金が必要。
自立型は介護レベルが高くなると住み続けられない場合も。
介護型は待機期間が長いのが普通。
その他
ご両親の入居先を考えていらっしゃる方には必要のない情報かも知れませんが、一時的に入所できる施設もあります。
老人短期入所施設
一時的な入居施設で、介護を担う人が一時的に介護できなくなる場合に入所することができます。
単独の事業としてこれを行っているところは少なく、ほとんどが介護保険施設に併設されたものとなっていると考えてよいでしょう。
生活支援ハウス(高齢者生活福祉センター)
高齢者に介護支援、居住、地域交流を促す施設。
最近の実態としては、老人福祉施設を退去した方たちの受け皿になっています。
老人ホームの選び方
相対的に経済的な負担が少ないのは、やはり公共型の施設。
そのうち、介護の度合いが変わっても住み続けられるのは、特別養護老人ホームです。これまでは介護療養型医療施設もありましたが、廃止が決まっています。
特養の場合は長い待機時間を見越して入居計画を立てる必要があります。
また、公共型は、要介護の方や認知症の方が入居の条件になっていますので、介護サービスを受けながら自立した生活を送りたい、というニーズには対応していません。
こうしたシニアライフをお考えなら、民間型の有料老人ホームを選ぶことになrでしょう。日常的な生活支援のほか、介護度が上がっても対応でき、終の住処にできるところも多いです。
ですが、経済的な負担が大きくなります。
老人ホームについて相談する
ここまで老人ホームの種類について書いてきました。
できるだけわかりやすく、と思ってきましたが、いかがだったでしょうか。
ご覧いただいているみなさんそれぞれのご事情もおありだと思いますし、逆に施設の側の実態も、いろいろあるのだろうと思います。
ある程度の概略を頭に入れたあとは、行政や施設なりに直接相談するのもよい方法だと思います。
民間の専門の業者さんの中には無料相談を受けているところも多いので、ここで理解できなかった点や細かい不安を確認すると、話が早いと思います。特に急いでいる場合は積極的に利用させていただいて、スピーディに情報を得ていきましょう。
こちらのサイトは、ホームの情報も豊富ですし、無料の相談も受けてくれるとあるので、リンクをつけておきます。
→安全・安心な老人ホーム探しの無料相談窓口|シニアのあんしん相談室
また、介護一般にお悩みでしたら、こちらのサイトでも無料相談があるようです。
→“まずは相談”介護のいろいろ【介護の相談】無料お問い合わせサイト
まとめ
以上、老人ホームの種類とその選び方について、概略を書いてきました。
ご両親を預けるにしろ、ご自身の入居先を探すにせよ、まずその種類を頭に入れておく必要があります。公的な施設であっても経済的な負担はそれなりに発生しますので、ぜひ慎重に選びたいものです。
以上の内容は、私自身の必要も含めて書いたものですが、私自身は専門家ではなく、調べた情報をシェアしたものに過ぎません。誤りもあるかも知れませんので、入居をご検討する際には必ずご自身で直接、情報をご確認ください。上記のように専門の業者さんの力を借りるのも手だと思います。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。

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