NHKの朝ドラ『わろてんか』、和風のモチーフをちりばめたオープニング映像とともに流れてくる、松たか子さんの優しい歌声が心地いいですね。
やわらかく包み込んでくれるような、それでいて伸びのある透明感。
朝の空気によく合います♪
でも、よく聞いていると、歌詞の内容は謎だらけ。
意味がわかりません,(´・_・`)
・・・私だけでしょうか?
ということで今回はこの『わろてんか』の主題歌『明日はどこから』の歌詞の意味を深堀りしました。
また、歌詞と物語との関連はどうなっているんでしょう? このあたりも気になります。
あくまで私の主観的な理解なので、その点はご了承くださいね。
アイキャッチ画像出典:NHK『わろてんか』オープニング映像より(部分)
わろてんか主題歌『明日はどこから』の歌詞の内容
『わろてんか』の主題歌『明日はどこから』は、作詞・作曲とも松たか子さんによる書き下ろしです。
ちいさな“魔法”って何?
歌詞を追って行くと、内容は次のようになっています。
出かける時の忘れ物
ひょいとつかむハンカチのように
心の中にすべり込む
いちばんちいさな魔法
普段何気なく手にとるハンカチのように、目立たないままに心の中に入ってくる小さな魔法がある。
・・・“魔法”って何?
一瞬、こんな疑問が湧きますが、おそらくこれは笑いのこと、と見当がつきます。
『わろてんか』のテーマは“笑い”なんですよね。
ふだんは意識しない&目立たないけれど、いろんな奇跡を引き起こす。そう思うと、ここは笑いだと理解するとしっくりきます。
NHKの公式でもこんなコメントが公開されています。ちょっと長いですが、制作陣の思いが伝わってくるので引用させていただきましょう。
古来、笑う動物は人間だけといわれてきました。その真偽は定かではありませんが、少なくとも笑いは苦しさや悲しさから逃れるために、人間が長い年月をかけて獲得した<生きるための技術>であることは確かなようです。でもしばしば、私たちは笑うことを忘れてしまいます。もし、あなたの周りにそんな人がいたら、やさしく「わろてんか」と話しかけてください。そして笑顔で「隣の家に囲いが建ったらしいよ…へえー」なんて最高のギャグをどうぞ。きっと生きる力が生まれてきます。ああ、人に生まれて良かった…そう思える、大阪の“魔法の言葉”=「わろてんか」をタイトルにしました。
出典:ドラマについて|連続テレビ小説「わろてんか」|NHKオンライン
最近では、病気の治癒にも笑いが効果的だと言われます。真偽のほどはわかりませんが、命に関わる重大な病気が「お笑いを楽しんでいたら治った」などという記事も、どこかで見かけた気がします。病は気から、とも言いますから、あながちインチキと決めつけるのもどうかと思います。
というわけで、“ちいさな魔法”は「笑い」のこととして、先に進みます。
謎の“パレード”が続く歌詞
とはいえ、わかりやすいのはここまで。
この後は???が続きます。
泣いたり 笑ったり 今日も歩き出す
泣き笑いしながらも、変わらずに歩み出る・・・え、何が?
違和感を理解する間もなく、サビのフレーズがやってきます。
ありがとうと言いたい あなたのために
ごめんねと言えない あなたのために
ちょ・・・
感謝を言葉にしたいあなたのため、
間違いを認めることが難しいあなたのため
って、何のこと?
意味を見失っておいてけぼりになっているところへ、松さんは容赦なくたたみかけてきます。
ありがとうと言える そのときのために
ごめんねと言えた あなたの心に
やがて来る感謝を表せるとき、
謝ることができた、あなたの気持ちに
・・・??
すいません、つながりが全然わかりません。
さらに最後のだめ押し↓
パレードはまわり続けている
いやいや、パレードって何のこと?
いくらなんでも唐突でしょ。
私の頭の中で、???がぐるぐるパレードですよ。
松さんの歌声が爽やかなだけに、置いてけぼり感が胸に刺さります。
『明日はどこから』の歌詞の意味
そもそも、最初のつまづきである“泣いたり笑ったりしながら歩む”のは誰なんでしょう?
小さな魔法?
いやいや、魔法は歩きません。
ここはさしあたり、やがて大事業を起こすことになるヒロイン・藤岡てんをイメージするのが正解っぽい。
そう解釈すると、後半繰り返される“あなたのため”は、苦難をのりこえるヒロインの歩みの目的、ととれそうです。
悲しいときも嬉しいときもあるけれど、今日もわたしは歩き続ける。
感謝の気持ちを伝えたい、たいせつなあなたのため、
その気持ちを表せる、そのときのために、
ゴールを目指してヒロイン・てんは歩いてく。
“ごめんね”についてはよくわかりませんが、立志物語の途中には誤解やトラブルなど、いろいろな人間関係の葛藤もあるのかも知れません。
そんなわだかまりを乗り越えるときがきっと来る。そんな和解のゴールを暗示しているのかも知れない、と(勝手に)推測しています。
そして最後・・・
心からわかりあえたその時、心にはきっとみんなの歩み=人生(パレード)がまわり続けているだろう。
あるいは、
心からわかりあえるその時のために、人々の歩みがある。
こんなことかな、と私は思います。
もうちょっと書くと、その歩みを支えるものこそ“ほんの小さな笑い”なんだ、と言っているのかも知れません。
・・・ちょっと自信はありませんが、今のところ『明日はどこから』の意味はこんな感じと理解しています。
(多分OPで流れてるのって、曲の一部分なんでしょうね、きっと。)
『わろてんか』主題歌にこめた松たか子さんの思い
松たか子さんはこの『明日はどこから』を制作するにあたり、次のような思いで書いたといいます。
長丁場の撮影にのぞむ皆さんに寄り添う気持ちで、曲を書きました。(中略)今日が明日につながっていく、ささやかな私なりの応援歌です。
出典:ドラマについて|連続テレビ小説「わろてんか」|NHKオンライン
私の理解があたっているかどうかはわかりませんが、とりあえず松さんの思いを感じ取れる気はします。
心から通じ合えるその時を思えば、勇気をもらえる気がしますね。
この松さんの主題歌に、ヒロイン・てん役の葵わかなさんが寄せたコメントはこちら↓。
「笑い」や愛がテーマのこのドラマを優しく温かく包んでくれる、そんな曲です。 お話がどんなに楽しくても、悲しくても、皆さんの目覚めが良くても、悪くても(笑) 必ず始まりにこの曲が流れて、松さんの優しい声が聞こえて「ああ、『わろてんか』が始まる」 「今日が始まる」と思って頂ける朝を想像すると、とても素敵で、今から楽しみです!
出典:ドラマについて|連続テレビ小説「わろてんか」|NHKオンライン
これも私の印象ですが、この主題歌、歌詞の内容よりも松さんの声が印象的です。
優しいなかにも力強さがあって、まさに温かく包まれるようなイメージ。
葵わかなさんのおっしゃる通り、という気がして納得しています。
『わろてんか』の物語との関係は?
ヒロインの藤岡てんは老舗の薬問屋の娘。いわゆるお嬢様です。それでいてゲラ。
行儀が悪いと見かねた父親に笑うのを禁じられ、鬱屈した日々を送ります。
そのてんが旅芸人の藤吉と出会ったことから、てんの大胆人生がスタート。ひいては笑いをビジネスに変えて成功して行くというストーリーです。
ヒロインのモデルは吉本興業を起こした吉本せい(1889年12月5日〜1950年3月14日)氏。
上でも書きましたが、その人生は一筋なわの歩みではありません。
そんな中を笑いに導かれ、やがて世界を笑いで満たして行くヒロイン。
『明日はどこから』は、直接的には藤岡てんの胸の内を表したもの理解できそうです。
ですが同時に、我々見ている者をはげましてくれる歌でもありますね。
みんなの感想
『明日はどこから』のみなさんの感想も探していきたいと思ってます。
よかったらコメント欄にもお寄せください。
NHKの上田良一会長もこの『明日はどこから』が気に入っているようです。
「朝ドラというのは、テーマの音楽とセットになっているところがあって、ここのところ毎回毎回非常にいい音楽を提供していただいて、私もうれしく思っております。4日間ですけど、歌の面も含めて愛していただける展開になればと期待しております」
出典:NHK会長、松たか子の「わろてんか」主題歌に「非常にいい音楽」 (デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース
こちらの上田会長、前の朝ドラの『ひよっこ』の主題歌『若い広場』を“難解”と評して、ちょっとした波紋を広げたんですよね。今回は聴き取りやすいし、朝らしい爽やかさがある点が評価されたのかも知れません。けっこう難解なのは変わりないと思うんですが・・・
前作がよかった場合新作には拒否反応が出てしまいがちだが、歌が松たか子さんなので拒否反応が和らいだ。よかった。#わろてんか
— みんみん (@minmin0802) October 2, 2017

「わろてんか」面白い。千葉雄大くんが演じるお兄ちゃんの新一くんがとても素敵。あんな優しいお兄ちゃんがずっとほしかったなあ、私も。でも、主題歌の音程が未だにとれない。松たか子ちゃんは難しい歌を歌う人だよなあ。
— 澪那本気子(ミオナマジコ) (@mionamajiko) October 5, 2017
わろてんか、松さんの歌声、ちょうどいい。朝はやはり女性の軽やかな歌がいいなあ
— sao (@sao_theatergoer) October 5, 2017
#わろてんか 『ゲラ』ときくと、中森明菜さんの歌「DESIRE」をふと想い出す(笑)。
当時、
「Get up, Get up, Get up, Get up, burning heart」が『ゲラ』に聴こえただけですがね。。 pic.twitter.com/uXDiRigPvY— Mr.いえぴょん(5ちゃぃ) (@iehiko) October 3, 2017
おわりに
以上、『わろてんか』の主題歌『明日はどこから』の歌詞の意味について書いてきました。
最初は歌詞の理解に戸惑いましたが、私なりに理解できた気はしています。
ただ、『ひよっこ』の『若い広場』の例もあって、公開されているのは一部分、という可能性もありますよね。解釈はまた変わるかも知れません。その時はどうぞご容赦ください。
いずれにしても、『わろてんか』が今後どう展開するのか、楽しみです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。


イメージ.jpg)


コメント
パレードを多用していることですが、自分も別の意味でパレードの歌詞が頭に残っています。おそらく旦那がライブメンバーである山下達郎氏の名曲「パレード」からインスパイアされたのではないかと思いました(竹内まりやも松さんに楽曲提供しているので、達郎氏のこともよく知っていると思います)。
ただし、達郎氏の「パレード」は行っているだけで、回ってませんが(笑)
SUGERさん、こんにちは。
示唆に富むコメントをくださり、どうもありがとうございます!
なるほど、山下達郎さんのあの曲ですね。
パレードが少し唐突だなと感じていたのですが、そんな見方も面白いですね。
この後ドラマが進むと、また何か明らかになってくるかも知れません。
楽しみに見て行きたいと思います。
お返事が遅くなってしまって、たいへん失礼しました。
ありがとうと言いたい あなたのために
ごめんねと言えない あなたのために
ここが、あなたって、ずいぶんありがとうとかごめんねって言わない人で、そんな人のために何かするのかいな?って思っていましたが、
これは、あなたが、言えないんではなくて、あなたに対して言えないんですね、死んじゃったから。藤吉郎が死んでやっと意味が分かり始めました。でもこの歌詞だけじゃ意味が伝わらないと思いますね。
パレード=お笑いのお仕事、魔法=お笑い、ですね。
よしさん、ご感想をありがとうございます。
物語が進んで、主題歌の感じ方も変わって来ますね。ドラマがスタートしたころは正直どうなるのかと心配していましたが、今は安心して見ています。
最終回まで楽しませていただこうと思います。
お返事が遅れて失礼いたしました。