大人になってから何かを学ぼうとすると、まず最初に困るのが場所。
自宅に自分の部屋があればいいけれど、そうじゃない人も多いのが実情でしょう。
公共図書館は混んでいるし、カフェやレストランはあまり長居できない+お金もかかる。
- 静かに集中できて、
- 長居していても嫌がられ
- 費用もそれほどかからない
・・・こう考えると、意外にいい場所って、無いんですよね。
ところが京都にある「私設図書館」は、まさにこの理想にピッタリ!
というか、そもそもの運営コンセプトが、こういうニーズに基づいているのです。
ということで今回は、京都にある静かすぎる図書館「私設図書館」について調べました。
- 場所
- 利用方法
- 料金
- 沿革やオーナーの田中厚生さんのこと
- 営業時間
などを確認しました。
この私設図書館、見た感じちょっと敷居が高い風なので、お近くの方でも入ったことがない人もいらっしゃるかも知れません。ここで予習してから訪れてみてはいかがでしょう?
(*アイキャッチ画像はイメージです。「私設図書館」を写したものではありません。)
私設図書館とは?
最初に書いておきますが、この私設図書館は「私設図書館」という名前です。
確かに個人経営の私設の図書館なのでややこしいですが、これは屋号。←ここ、おさえておいてくださいね。
一方、イメージとしては図書館というより、有料の自習室と言ったほうがしっくりくるかも知れません。館内には机が並べられていて、それぞれついたてで仕切られてブース状になっています。
プライバシーが守られるので、安心して勉強や読書に集中できます。
飲み物やお菓子などは持ち込み自由。中途退席もOK、という懐の深さ。
さらに緑茶サービスあり。自由に飲んでいいのだそうです。コーヒーや紅茶は一杯120円という値段で提供してくれます。
雑誌やマンガコーナーもあるため、気分転換によいでしょう。
私設図書館の場所
次に場所をご案内しましょう。
私設図書館の所在地は、京都府京都市左京区浄土寺西田町74。
地図で示すと場所はここになります。
↓ ↓ ↓
なかなか雰囲気のある外観です。
バス停のすぐ傍というのはありがたいですね。
私設図書館の周辺には、銀閣寺や吉田神社、京都大学など訪れたいスポットがいろいろあります。
特に日本画家の橋本関雪のアトリエ兼邸宅・白沙村荘(はくさそんそう)は、広大な敷地の中にある国名勝指定の池泉回遊式庭園が見事。平安から鎌倉時代にかけての石像美術品数多く設置されています。また、京都の浄土宗四ヶ本山のひとつである知恩寺も比較的近いです。
私設図書館の利用方法
利用に関して難しいことは何もありません。
入ってすぐの受付の座席表で席を選び、来館カードを受け取ります。
退出時にそのカードを帰して料金を清算。
料金は時間ごとに決まっています。
私設図書館の料金
- 2時間まで250円(3P)
- 4時間以内350円(4P)
- 6時間以内450円(5P)
- 8時間以内550円(6P)
- 8時間超650円(7P)
「P」というのは回数券。
回数券は3600円で45P分買うことができます。しかもコーヒー(紅茶)券付き。
一枚あたり80円なので、上の表でしたら、2時間160円という大幅ディスカウントになります。
リピーターに優しい料金設定ですね。
受け付けで販売しているので、気に入ったら入手するのがよさそう。
私設図書館の創立と沿革
私設図書館は1973年(昭和48年)5月開館。
すでに半世紀になろうかという歴史を持っているんですね。
当時はまだ学生運動の余波が残っていた時代。
館主の田中さんは大学卒業後も就職する気になれず、なんとか本に囲まれつつ生活の糧を得る方法はないか、と考えていた。折よく奥さんの親戚の借家が空いていて、そこで私設図書館を運営することを思いついた、というのが始まりだそうです。
で、続けているうちに、自分たちの思いとはやや違って、自習の場として活用している人が多いことに気づいた。それで現在のような、有料自習室的なかたちに落ち着いていったそうです。
オーナーは田中厚生さん
オーナーは田中厚生さん。おそらく70歳くらいだろうと思います。
大学は京都大学の工学部。
なんと、日本初の有人熱気球飛行を成功させた方だそうです。
そんな凄い方だったら就職先はかなり選べたはずですよね。なにしろ京都大学ですし。
でも当時の時代の空気なのでしょう、田中さんは型にはまることを嫌い、本好きのたまり場を創った。スタート当初は16席しかなかったそうです。現在は42席。
とはいえ運営は楽ではなく、40歳を過ぎて奥さんとともに建設会社に働きに出たこともあるとか。
貴重な場を守っていくには、ご苦労もあるようです。
私設図書館の開館時間はいつからいつまで?
次に、私設図書館の開館時間を確認しましょう。
開館時間は午後12時00分から、午前0時00分まで。
日曜、祝日も開館しています。
休館日は毎月第三金曜日。
電源やwifiは使えるの?
全席で、PC用電源を使用できるそうです。
2009年からこの手当をしているそうです。かなり早いですね。
また無線LANにも対応しています。
これも2007年からといいますから、田中さんのユーザー本位の運営姿勢が感じられます。
利用上の注意
「隣の人に迷惑をかけない」のが私設図書館のルール。
食べ物や飲み物の持ち込み可でしたが、音やにおいなど、そのあたりはマナーで自己チェックすることになりそうです。貴重な場を壊さないよう、配慮は必要ですね。
全席禁煙です。
館内の様子
座席は私が思っていたより広いイメージ。
公式サイトに写真が掲載されています(別タブで開きます)。
座席の指定もできる
日曜・祭日のみですが、座席を予約することができます。
前日までに予約券を購入しましょう。
予約券の発売は、前の週の日曜日からの発売が原則。祭日や連休については、前々週の日曜から発売するケースもあるそうです。
予約券の値段は、昼間(9時から17時まで)が550円(6P)
夜間(17時から0時)が550円(6P)
昼夜(9時から0時)が750円(8P)
私設図書館利用者の声
京都は台風がすぎて少し落ち着きましたね。
雨上がりは本をしっとり読みたくなる、そんなひとにおすすめ。京都の学生とともに44年。
銀閣寺・哲学の道のそばに佇む「私設図書館」はとっておきの場所 https://t.co/zpn7CP47s1 pic.twitter.com/5wTlgLWMK8— Wa! 京都を発掘する地元メディア (@Wa_weare) August 8, 2017
何故か京都には「静けさ」を取り扱えるお店が集まってるよね。
深夜に見つけた私設図書館、何か起こりそうな雰囲気がステキ過ぎて「胸が高まってしまう」と話題に – Togetterまとめ https://t.co/yTr7B1oRry @togetter_jpから
— Alpha Chieno (@tomorrowlog) August 8, 2017
梨木果歩の「家守綺譚」をよんだのが、あの京都の私設図書館だったんだけど、読み終わって図書館を出ても、なんだか「不思議」と「生活」の切れ目が全然わからなくなって、ふわッふわしたまま夜道を帰った気がする
— イヌゥ (@bunbuninu_) September 14, 2017
ここいいです、京都の私設図書館。静かに本読むのにぴったり。コーヒー飲めるし。
— さつまおごじょakaにったん (@kaoristory) August 7, 2017
私設図書館が『ドキュメント72時間』でとりあげられます
この私設図書館、近々テレビでとりあげられるそうです。
番組名はNHK『ドキュメント72時間』。
取材する場所を行き交う人間模様を通して、しっとりとした感動を与えてくれるよい番組です。
放送予定は10月27日。放送時間は、22時50分から、23時15分までだそうです。
ムロツヨシさんの語りもよさそう。

おわりに
歴史ある有料自習室「私設図書館」。
たんなる自習ルームではなくどこか趣があるのは、昭和の学生運動の時代の文化を継承しているからなのかも知れません。
つぶやきにも見られましたが、静けさをひとつのサービスとして提供してくれる場所って、現代ではけっこう貴重です。近くにあれば私もきっと入り浸っていることでしょう。お近くの方が羨ましい限り、ぜひドアを叩いてみては?
最後までご覧下さり、ありがとうございました。
お気に入りの『ドキュメント72時間』の回について、以前レポートした記事です。
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コメント
友人熱気球飛行?
Yu-yuさん、ご指摘どうもありがとうございます!
助かります。