GOE(ジーオーイー)は何の略?出来映え点・加点の意味とは?〜フィギュアスケートの採点方法

フィギュアスケートの試合を見ていると、
これはジーオーイーで加点がもらえます
とか
出来映え点のほうでプラスされます
なんてことを解説の人がよく言ってますよね。

あれって何なんでしょう?

技が見事だと評価されるらしい・・・くらいに理解しているのですが、はっきりしたことはよくわかりません。

そもそも、

  • ジーオーイーって一つの言葉なんでしょうか?
  • それとも何かの略?
  • 略だとしたら元の言葉は何?
  • 出来映え点とジーオーイー、加点は、それぞれ違うの?同じなの?

このあたりの“そもそも”な疑問で、モヤっとしている方にご覧いただけたらと思います。

*基本のキ、の話なので、フィギュアファンの方がお読みになってもお役には立てないかと思います。あしからずご了承ください。

 

GOE(ジーオーイー)は何の略

ジーオーイー?
ジオーイー?

解説する方によってちょっと聞こえ方が違うこともありますが、正しくは
ジー・オー・イー」。

Grade of Execution
の頭文字だそうです。

英語ですけど、カタカナ読みとしては
グレード・オブ・エグゼキューション
でいいんじゃないかと思います。

 

GOEはどんな意味?

execution には、実行とか実施とかいう日本語が当てられています。
grade のほうは等級とか格みたいなことですよね。

なのでフィギュアスケートで Grade of Execution と言う場合には、要素(ジャンプ、スピン、ステップ)を実際に行なったときの質を、段階的に格付けしたものと考えてよいのだと思います。

フィギュア競技の業界(?)内での正式な翻訳用語がどうなっているのかわかりませんが、テレビ解説などのなかで「出来映え点」と言い換えられているものがGOEと考えてよいでしょう。

このジャンプはいい出来だった、見事だった、と判定されればGOEでプラス。
なんか軸が傾いたな、両足ついたかも? となればマイナスになるわけです。

出来映え点の採点方法〜基礎点にプラマイする

というわけで、GOE(ジー・オー・イー)と出来映え点とが同じであることはわかりました。
ではもうひとつの疑問、「加点」との関係はどうなっているのでしょう?

これについてはフィギュアスケートの、現在の採点方法を理解する必要があります。
ちょっと独特な採点方法になっているんですよね。

まず、それぞれの要素(技)には、基礎点といわれるものが決まっています。
例えば三回転のループジャンプなら、現在の基礎点は5.1点。演技後半に行なった場合、1割増になります。

この基礎点に対して、7段階の評価がなされます。

まず、トリプルループをやった、と見なされれば、基礎点が与えられます。
普通に成功すれば基礎点からプラマイ0で、5.1点。

でも、高さや幅があって素晴らしかった、などとなると、最大2.1点がプラスされる。
逆に軸がぶれてたり、足をついた、などとなると、最大2.1点のマイナスがなされます。

何点のプラマイがあるかは、ぞれぞれの要素によって決められています。
この3Lo(トリプルループ)の例では、
GOE +3では+2.1
GOE +2では+1.4
GOE +1では+0.7
三回転ジャンプの場合、マイナスはちょうどこの逆になっています。

GOEと出来映え点、加点とは違うの?

GOEについてもっと詳しく言うと、複数のジャッジの平均をとるとか、その時一番上と下の点はカットするとか、いろいろあるようですが、ともかくまず、

1.技の認定があり、
それに対して
2.GOEがプラスorマイナスされる

という図式を念頭においておけばよいでしょう。

そういうわけですから、GOEは「加点」となる場合もあるけど「減点」になる場合もあります。

新しい要素(技)はリスキー?

ここからわかるのは、高度な技を持っている人が単純に勝つわけではない、ってこと。

私たちにとっては悔しい記憶になりますが、トリプルアクセルを跳んだ浅田選手が、トリプルルッツまでしかもっていないキム・ヨナ選手に敗れる、というようなことも普通に起きてくるわけですね。

ですから選手たちからすると、ひとつの高度な技を入れることは大きなリスクであり、チャレンジにもなってきます。できる技を無難にまとめる。あるいはそれを磨き上げて出来映えをよくする、そういう戦略のほうがリスクが小さいわけですから。

それでも真央選手はリスキーなトリプルアクセルに果敢にチャレンジしていった・・・知れば知るほど素敵で、カッコいい選手だと感じますね。

・・・と、話が逸れましたか・笑

主なジャンプの基礎点とGOE

これ以上の詳しい解説は私の手に余るのが正直なところ。すみませんが専門サイトをご参照ください。

ちなみに、ジャンプの現時点での基礎点とGOEによる加減点を、ご参考ですがつけておきます。

三回転ジャンプの略称と基礎点

( )内は略記号、右側が基礎点です。

  • 3回転トウループ(3T)4.3
  • 3回転サルコウ(3S)4.4
  • 3回転ループ(3Lo)5.1
  • 3回転フリップ(3F)5.3
  • 3回転ルッツ(3Lz)6

これらの三回転ジャンプには、GOEマイナス三段階で -2.1、-1.4、-0.7
プラスでは +0.7、+1.4、+2.1が加減されます。

3回転アクセル(3A)の場合は基礎点が8.5
GOEでは -3.0、-2.0、-1.0、+1.0、+2.0、+3.0 が加減されます。
アクセルは三回転半のジャンプになります。成功したときの加点も大きいですが、ダメだったときの減点も大きいです。

四回転ジャンプの略称と基礎点

  • 4回転トウループ(4T)10.3
  • 4回転サルコウ(4S)10.5
  • 4回転ループ(4Lo)12
  • 4回転フリップ(4F)12.3
  • 4回転ルッツ(4Lz)13.6

GOEは -4.0、-2.4、-1.2、+1.0、+2.0、+3.0。

現状でできる選手はいませんが、4回転アクセル(4A)は基礎点が15と定められています。
GOEは -4.0、-2.4、-1.2、+1.2、+2.4、+3.6。

ジャンプだけでなく、スピンやステップにも、各種の技についてこうした規定がなされています。
私たち素人は演技全体を見て、素晴らしかったとか印象薄いとか勝手なことを言っていますが、専門的にはかなり詳細で緻密な判定が、その瞬間瞬間になされているんですね。

転倒について

GOEでの減点とは別に、ディダクションという減点があります。

これも私たち素人にはわかりにくい点ですが、転倒はこのディダクションに入ります。
ジャンプの失敗ではなく、転んだことそのものが減点対象になるんですね。

一度転ぶごとに1.0点の減点ですが、三度目は2.0点減点されます。

なので選手にとって最悪なのは、四回転ジャンプをしようとしたにも関わらず、タイミングが合わずにダブルになってしまい、さらにバランスをくずして転倒、などという状態。

四回転のはずの基礎点がダブルになり、それも不完全でGOEでマイナス。さらに転倒でディダクションです。
こうなると印象も悪くなりますし、転倒すると曲からずれてしまうことも起きますから、印象面、演技構成点にも響いてしまうかも知れません。

さっきも書きましたが、難しい技をプログラムに入れるのは選手にとってたいへんなことなんだな、とあらためてわかりますね。

転倒以外にもディダクションはあって、時間超過や髪飾りの落下なども減点になります。

 

おわりに

以上、ごく初歩的な疑問ですが、GOE(ジーオーイー)って何なの? というお話でした。

まとめると、フィギュアスケートの技(要素)ごとに決められている七段階の加減点、ということになろうかと思います。

お役に立てれば幸いですが、なにぶん素人が調べた結果をシェアしたものです。もし誤りがあればご指摘くださると有り難いです。

なお、GOEは平昌オリンピック後、現在の7段階から11段階に拡大・細分化されることが公表されていますので、ますます技の完成度・洗練度が求められるようになってくる見込みです。

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

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