山口真由の経歴、信じられん! 財務省を辞めた理由は何?

森友学園への国有地売却に関するゴタゴタが長引いてます。
事はキングオブ省庁である財務省による公文書改ざん疑惑にまで発展。日本の行政への信頼が根幹から動揺しています。

こんな状況の中でメディアから引っ張りだこなのが、山口真由さん。
財務省のキャリア官僚だったご経歴から、羽鳥さんの『モーニングショー』や恵さんの『ひるおび!』をなど、数々のワイドショーで日々コメントをしておられます。

財務省の出世コースにいたというだけでも凄いですが、山口真由さんの驚くべき経歴はそれだけではありません。
大学は東京大学。しかも主席で卒業。
その後、ハーバード大学の法科大学院で学び、現在は弁護士だとか。あの難関である司法試験にもパスした、ということになりますね。

いやいや、こんな経歴ありえんやろ、ウソやろ? と感じてしまったのは自分だけでしょうか?

見た目にも美しく、さらにこのゴージャスな経歴。
人間の成せるワザとは思えません。

ということで、あらためて山口真由さんの経歴について確認をしてみました。

また、財務省の在籍時代のことや、なぜ財務省の出世コースを捨ててしまったのか? そのあたりも大きなナゾだったので、確認しました。

 

山口真由(やまぐち まゆ)さんの経歴はウソ?

山口真由さんは1983年7月6日、北海道札幌市生まれ。
現在は40歳です。

経歴を見るとこんな↓感じです。

2002年:筑波大学附属高等学校卒業
2002年:東京大学教養学部文科Ⅰ類入学
2004年:3年時に司法試験に合格
2005年:4年時に国家公務員採用Ⅰ種試験(法律)合格
2006年:東京大学法学部を首席で卒業。平成17年度東京大学総長賞(学業)を受賞。
2006年:財務省入省、主税局配属。
2008年:財務省を依願退官。
2009年:弁護士登録(62期、第一東京弁護士会)
2009年:長島・大野・常松法律事務所アソシエイト。
2015年:ハーバード大学ハーバード・ロースクール入学。
2016年:ハーバード大学ハーバード・ロースクールを修了。ディーン・スカラー・プライズを受賞、LL.M.学位を取得。
2017年:東京大学大学院 法学政治学研究科 総合法政専攻 博士課程

*参考:山口真由 – Wikipedia

東大を主席で卒業、財務省を経てハーバード、というご経歴はウソではなく本当だったんですね。それどころか、大学在学中に司法試験に合格しちゃってます。

東京大学総長賞もしっかり取得。
ハーバードのディーンスカラープライズ(Dean’s Scholar Prize)は、クラスで1番の学生だけに与えられるものだそうで、英語圏の学生以外が取得するのはたいへん珍しいのだとか。

輝かしいにも程がある!
疑ってごめんなさい!

 

山口真由さんの財務省時代

こんな素晴らしすぎる経歴のなかでも、目下、特に山口真由さんが注目されているのは、元財務官僚だったから。

しかも、一番上も目指せるキャリア官僚だったということで、我々庶民には知る術もない省内の様子、特に仕事の流れとか、官僚さんたちの常識・心理などを私たちにわかりやすく解説してくれている。

隠しようのないエリート臭は仕方ないとしても、物腰は柔らか。「そこまで言っちゃっていいのかな」と思うくらいありありと、省内の様子を伝えてくれます。

財務省では電話の破壊が茶飯事?

特に自分が聞いて面白かったのは、電話が壊れるのを何度か目撃したことがある、と言っていたこと。
部下があり得ないことをやらかした際、その連絡を受けた上司が受話器を叩き付けたんだそうです。で、電話機がガッチャーン、、、みたいな。けっこうよくあるみたいなことを言ってました。(TBS『ひるおび』)

省庁の中の省庁、それもトップ官僚が集う財務省というと、庶民からすると相当な距離を感じますが、なかの人たちの人間くささが伝わってくるエピソードですね。でも電話機も税金で備えたものだと思いますんで、たいせつにしてくださいw

財務省は家族的組織

山口真由さんは財務省を「家族的」な組織だったと振り返っています。

入省して初めて配属先を訪れた時、山口さんは忙しそうにしている上司から、書類を届けるよういいつけられます。それを持って主計局に移動している途中、山口さんは新聞記者から呼び止められる。聞けば、新人官僚を取材しているのだと言う。
どうしたものかと逡巡していると、その新聞記者は山口さんが持っていた書類に興味を示し、どうしても見せてくれと言って聞かない。ためらう山口さんをよそに強引に書類の中身を見た記者。するとみるみる顔色を変え、廊下を走り去って行った。

これはヤバいのでは、と察した山口さん。急いで元の部局に戻ると、目の前で課長の手元の電話が鳴り、課長の顔色がみるみる変わって行く。話をきけばあの資料はトップ中のトップ機密、それが新聞記者の知るところとなり、夕刊トップに出るという知らせだと言う。

これはいきなりたいへんなことになってしまったと焦る山口さん。内心もう半泣きです。

だけどこれ、恒例の新人歓迎のエイプリルフールだった・・・というオチ。

財務省というのは、傍目にはガチガチのマシーンみたいな官僚がうごめく組織だと思いきや、こんな家族的な側面もあったという話です。

*参考:財務官僚として働いてわかった「日本の組織に欠けている大事なこと」(山口 真由) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
*ストーリーの細部はわかりやすくするため、端折ったり私の想像を加えるなどしたところがあるので、正確に知りたいかたはリンク先のご本人の文章をご確認ください。また、この逸話を山口さんが語っている主旨は、家族的組織の功罪を伝えるためだと思われます。家族的だからよいとか、財務省は親しみが持てる組織だ、などという文脈ではなく、むしろ家父長的組織が個人を抑圧するという主旨で、記事全体は書かれています。

山口真由が財務省を辞めた理由

ともあれ山口真由さんは、東京大学を卒業した2006年の春に財務省に入り、2008年に依願退職するまで、行政官として活躍することになります。

ご存知の方も多いと思いますが、霞ヶ関で働くには、登用時の試験があります。
それによって一種から三種までの職種に分けられるのですが、山口さんが受験したのはトップ官僚を目指すことができる一種。未来の事務次官候補というわけですから、この試験そのものも当然難しい。

そんな難関を乗り越えてつかんだ出世コースを、なぜ山口さんは辞めてしまったのでしょう?
凡人からすると、もったいない、と思ってしまいます。

家族的、あるいは家父長的

山口さんが財務省を辞する決意をしたのは、そこが、上でもふれた「家族的」な組織だったから、のようです。
ここで言う「家族的」とは、「家父長的」と言い換えてもいいような概念。
一家のお父さんが、まだ世間知らずな子どもたちのために、ああしろ、こうしろと言う。そんな空気が支配的だったというわけです。

お父さんは、当然ながら我が子の幸せのために、いろいろと口を出す。
将来はこの道に進めとか、こういう問題はこう解決するものだ、とか、自分の“豊富な”経験と知見から、「アドバイス」する。子どもの立場から見ても、それに従ったほうがよい場合も少なくない。

自立を蝕む家族的組織

だけどこれは、子どもにとって短期的にメリットがあったとしても、やがて子どもの自立を蝕むように働いて行くのではないか。ひいて言えば、家族的(家父長的)組織の中で働き続けていると、自分の人生の判断もできなくなってしまうのではないか、という懸念がある・・・そんな風に山口さんは感じておられたようです。

家族型組織の問題点というのは、個人が自分の人生に関する自主的な判断をしなくなってしまうことにある。「君のためだ」という家父長的な意見には一理あり、はじめはそうやって会社に押し切られる。そのうち、徐々に会社が自分に何を望むかが判断基準になっていく。会社の価値観が個人を侵していき、それに従うことに疑問を覚えなくなる。
この過程はきわめて自然で、そこに強制などない。これが家族型組織の真の恐ろしさだと思う。
*画像出典:財務官僚として働いてわかった「日本の組織に欠けている大事なこと」(山口 真由) | 現代ビジネス | 講談社(4/4)

森友学園払い下げに関わる文書改ざん問題との関係は?

昨年来問題になっている森友学園への国有地払い下げ問題。まさに財務省の中枢がやり玉に上げられるまでに発展してしまいました。

昨年は「忖度」というキーワードとともに語られたこの問題。一連の不透明な取引に横たわるモヤは、「徐々に会社が自分に何を望むかが判断基準になっていく。会社の価値観が個人を侵していき、それに従うことに疑問を覚えなくなる。」という官僚心理と関係しているようにも思えます。

政権が何を官僚に望んでいるのか? それを判断基準にした時、超えてはならない一線を超えてしまった・・・それが「忖度」だったのか、それとも「無言の圧力」だったのか、はたまた「指示」だったのか、これが今現在の焦点になっているようです。

 

おわりに〜山口真由さんへの期待

財務省の「家族的」体質をいち早く見抜いて退職した山口真由さん。今回の文書改ざん問題においても、この見識と実体験とに基づいて、大いに活躍してくれそうな気がします。

私のこの記事のまとめとしては、

山口真由さんの華々しい経歴は本当。
財務省には二年くらい勤務。
財務省を辞めた一因は、家族的(家父長的)な組織の持つ問題点に気づいたから。
この問題意識は、今回の公文書改ざん問題の理解にも役立ちそう。

となります。
もちろん私の個人的な意見になりますし、家族的(家父長的)組織は財務省に限ったことではありませんが、今後の山口真由さんの活躍を、こんな観点から見て行こうと思っています。

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