お布団の正しいたたみ方、みなさんご存知ですか?
最近では「ベッドでしか寝たことがない」という人も多く、布団をたたむ機会は減っています。
なので布団の正しいたたみ方を知らない方も増えているんですよね。
ですが、
- 旅行で旅館に泊まった。
- 旦那さんの実家に泊まって布団で寝た。
など、布団の正しいたたみ方を知らなくてちょっと困った・・・というケースもあるでしょう。
そんな方に向けて、ここでは布団の正しいたたみ方について書いていきます。
布団をたたむ上で外せない意外なポイントや、中表(なかおもて)、外表(そとおもて)についてもふれておきましょう。
布団の正しいたたみ方
布団の正しいたたみ方は、まず敷き布団をアルファベットのZ字にたたみます。
三つ折りですが、包むようにくるむのではなく、蛇腹に重ねます。
一方、掛け布団のほうは、四つ折りにします。
で、Z字にした敷き布団の上に、四つ折りにした掛け布団を重ねます。
敷き布団と掛け布団を比べるとわかりますが、敷き布団のほうが縦長ですよね。
掛け布団のほうは横幅において敷き布団を覆う一方、縦の長さは頭の分短い。なのでZ字にたたんだ敷き布団と四つ折りの掛け布団はサイズ感がマッチするわけです。
布団の正しいたたみ方の理由
布団で寝ることが一般的だった頃は、こういうたたみ方が常識でした。
誰に言われるでもなく、親がふとんをたたむのを見て、子どももあたりまえにそれを真似していたのです。
また、こうやって布団をたたむと押し入れにピッタリ入るということも、みんな経験的に知っていました。
そして、まさにこの「押し入れにピッタリ入る」という点が、布団の「正しい」たたみ方の根拠だったのです。
もう少し言うと、こんな風にたたんで押し入れにピッタリ入る、というのは単なる偶然ではありません。
そもそも「押し入れ」とは布団を収納するためのスペースだったんですね。日本の家屋や布団は同じ基本単位(モジュール)でできており、あらかじめうまい具合におさまるようにできていた、というわけです。
時代とともに変わるたたみ方
ですが最近では、寝具のサイズも押し入れのサイズも多様化しています。
日本人の身長は大きくなり、それにつれて布団のサイズも大きなものが出てきました。
他方では住宅設計の基本単位も、昔ながらのものばかりではありません。
なので現在では、上のような布団のたたみ方をしても、押し入れにピッタリおさまらない、というケースもあるでしょう。特に集合住宅では合わないケースが多いかと思います。
ですから上に書いたようなたたみ方にこだわらず、ご自宅の収納スペースにうまくおさまるようなたたみ方をしてよいのではないかと、私自身は思っています。
ただ、たたむ上で注意して欲しい点がひとつあります。
それは・・・
布団の正しいたたみ方、意外な要注意ポイント
起きてからすぐに布団をたたむのはお勧めできない。
↑これです。
たたみ方、折り方の話ではなくて拍子抜けしたかも知れません。
でもこの点は本当に要注意です。
起きてすぐは、布団が温まり、湿っています。
寝ている間に吸った汗もあるし、温まっている分湿気を含んでいます。
これをすぐたたんでしまうと・・・・・・おわかりですよね。
適度な温度と湿度でダニが繁殖したり、カビが生えやすくなります。
しかも、現在の集合住宅のような気密性の高い住宅の押し入れにしまい込んでは、目も当てられません。
布団は起きてからしばらく時間を置いて、熱が冷めてからたたむのがよいでしょう。
旅館では布団をたたむ? たたまない?
ちょっと脱線しますが、旅館では布団を敷いてくれますよね。
では、朝になって起きた時、そ’の布団をどうしますか?
やっぱりたたんだ方がマナーにかなっている、、、ような気がしますよね。
ですがこれも湿度の観点から言えば「たたまなくてOK」と考えてもよさそう。
そもそも旅館では、宿泊客ごとにシーツや布団カバーなどを交換します。
なので、丁寧にたたんで押し入れにしまってあったりすると、それを再び出す手間が発生します。
それを旅館側が迷惑と感じるかどうかは別として、こういう問題もあるという点は知っておいてよいかと思います。
ちなみに旅館の場合、押し入れのスペースが一般の民家よりも大きく、布団を二つ折りで収納できる押し入れも多いとか。こういう時はもちろんZ字ではなく、二つにたたんで構わない。折る回数が減る分、布団の痛みも少なくなります。
ちなみに掛け布団のほうは、中表にして四つ折りにすることが、旅館では多いそうです。
表側(掛け布団で言えば上側)を内側にして折るのが中表、表側を外側にして折るのが外表です。
かさばる羽毛布団、収納する時の畳み方はどうする?
これもオマケ情報ですが、フワッフワの羽毛布団をお使いの方もいらっしゃるでしょう。
軽くて温か、寒い時期はとてもありがたいですよね。
でも、季節が過ぎたととたんに、巨大にかさばるお荷物と化します。
そんな羽毛布団、夏場はまるめて押し入れに放り込んでいる、という方はいらっしゃいませんか?
羽毛布団こそ、正しい方法でたたんでから収納する必要があります。
おそらく、買った時についてきた収納袋があると思います。
多くの場合、羽毛布団を縦に三つにたたんで細長い状態にし、その後に短くなるよう三つ折りにすると、収納袋におさまるサイズになります。もちろん中の空気を押し出してやらないと、袋には入りませんが。
この場合の三つ折りはZではなく、くるむかたちでOK。かさがありますので、そのほうが折りやすいでしょう。
また、空気を押し出す時は叩かずに、ゆっくりと圧をかけてやさしくつぶしてください。
中に入っているのは、デリケートな羽毛ですからね。
布団のたたみ方まとめ
以上、正しい布団のたたみ方について、脱線まじりにご案内しました。
ポイントを振り返ると、
- 敷き布団はZ字に三つにたたみ、
- その上に掛け布団を四つ折りにして重ねる。
となります。
ただしこれはかつての日本家屋の押し入れにしまう際の都合。
現在は住宅の収納スペースや布団のサイズはいろいろですから、その場できれいにおさまるたたみ方でよいと、私は思います。
むしろ重要なのは、湿気をとってからしまうという点=タイミングです。ダニやカビ対策のためにも、起きてから少し時間をおいて、温度が冷めてから収納するようにしましょう。
正しいたたみ方がわからず、布団をたたむ時になると何となくモヤっとする、という方も少なくないようです。そんな方にとって、この記事がご参考になれば幸いです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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