「青魚(あおざかな)は健康にいい」
そんな話をよく聞きます。
でも青魚って、具体的に何を指しているのでしょう?
アジ、サバはともかく、ブリやシシャモは?
・・・あらためて問われると、はっきりしない面もあるのでは?
しっかり理解していないと、隣の奥さんやお姑さんとの話が微妙にズレてしまうかも?
というわけでここでは、青魚の種類について書いています。
加えて、
- 青魚が健康にいい理由や
- よく言われるアレルギーとの関係
についてもふれています。
この機会に青魚のもろもろを確認してください♪
青魚とは?
青魚は実用上の概念
青魚の代表はアジ・イワシ・サバです。
青魚は実用上使われている、便宜的な呼び方。生物の分類学的な意味での青魚というものはありません。
青魚の典型的な特徴はいくつかありますが、実際にはアジ・イワシ・サバを念頭にしつつ、
背が青くてお腹が白い赤身の魚+お値段が手頃な魚ということになるでしょう。
実際に「青魚」という言葉を使う上では、こんなざっくりしたイメージで用いれば大丈夫です。
青魚の特徴
もう少し細かく言うと、青魚は次のような特徴を備えています。
- ほとんどが海の魚
- 海の表面近くを、群れで回遊しているものが多い。
- プランクトンなどを主食にするような、食物連鎖で言えば下のほうに位置する魚が多い。
- 背中の色が青や黒で腹側が白なのは、海の表層近くに棲息している魚にとっては保護色になります。
- 脂質には不飽和脂肪酸が多い。
- 油やけ=脂質が酸化しやすく劣化が早い。
- 安価な大衆魚。マグロやブリなどは、青魚とは呼ぶには多少違和感。
いかがですか?
青魚というイメージ、割とはっきりしてきたのではないでしょうか?
青魚の種類
具体的な魚の種類としては、主にニシン目、ダツ目、スズキ目の、次のようなものが挙げられます。
ニシン目の青魚
ニシン科
ニシン、マイワシ、ウルメイワシ。
キビナゴをふくめる場合もあります。
カタクチイワシ科
カタクチイワシ。
ダツ目の青魚
サンマ科
サンマ。
スズキ目の青魚
アジ科
マアジ。
サバ科
マサバ、ゴマサバ。
サワラを含める場合もあります。
それぞれの目・科には他の魚が存在する場合もありますがが、さきほどの観点から、青魚と呼ばれるものを挙げています。
これらのほかにトビウオや、カンパチなどを含める場合もあります。
ブリやカツオ、シシャモも青魚?
ブリやカツオも青魚に含める場合もあります。
ただ、背中が青でお腹が白・銀、赤身という点ではそうなのですが、手軽に食卓に上るかどうかというと微妙・・・ですよね。
逆にシシャモはお値段が手頃な場合もありますが、青魚という認識はあまり一般的ではないような気がします。
青魚の効能
青魚は身体によいというイメージがありますね。
これは青魚が不飽和脂肪酸を多く含んでいるから。
不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には、中性脂肪を下げる作用があるのです。
EPA、DHAともに身体の中で作ることはできません。そのため、これらを手軽に摂取できる青魚に健康イメージがついているわけです。
不飽和脂肪酸の摂取の目安は、1日1グラム。
これはおよそ青魚100gに含まれる量にあたります。
アジやサバ一の切れを食卓に加えれば
- 血液の循環を促し、動脈硬化・心臓病・がんの予防
- 脳の働きを活性化し、脳卒中や認知症の予防
の心強い味方になってくれます。
青魚とアレルギー
青魚は健康の味方というプラスイメージがある一方で、じんましんなどのアレルギーのイメージもつきまとっています。サバアレルギーって、けっこうよく耳にしますよね。
青魚関連の情報として、少しだけふれておきましょう。
サバだけじゃなかった魚アレルギー
青魚のタンパク質に含まれるパルブアルブミンは、加熱するとアレルギーの元=アレルゲンになりやすいと言われています。
ただ、このパルブアルブミン、青魚特有のものではなく、他の魚にも含まれているんです。だからサバアレルギーが出たら、シャケやマグロ、カレイやタイ、タラ、ブリ、ホッケなど、ほかの魚でも注意が必要です。
青魚アレルギーの症状としては、
- 目のかゆみやはれ
- じんましんなどの皮膚湿疹、かゆみやはれ
- 腹痛・下痢・嘔吐感
- 鼻水やくしゃみ
- 咳・呼吸困難
などがあります。
なかには呼吸困難になったり内蔵に影響することもあるので、注意が必要です。
心配なときは医療機関に相談しましょう。
ヒスタミン中毒
青魚アレルギーと紛らわしいのがヒスタミン食中毒。
魚に含まれるアミノ酸の一種・ヒスジチンが、微生物のはたらきでヒスタミンに変わることがあります。冷蔵しなかったり、保存状況がよくなかった時は危うい。
このヒスタミンが大量に含まれた食品をとると、アレルギーに似た症状の食中毒をひきおこすことがあるのです。
じんましんや嘔吐・下痢・腹痛が起きたり、頭痛や発熱の症状があらわれます。口の周りが赤くなったりすることも。
困ったことにこのヒスタミン、食品の見た目や臭いに変化が出ないため見分けにくい。さらに加熱しても全然平気なんです。やはり保存には十分注意しましょう。
アニサキス食中毒
アニサキスという寄生虫に寄生された魚を生で食べると、激しい激しい腹痛・嘔吐を引き起こすことがあります。
これはアニサキスの幼生が、胃や腸の粘膜を破るのが原因。
痛みがひどいことで知られ、ニュースに大きくとりあげられたこともあります。
場合によっては開腹手術で幼虫を摘出しなければならないケースもある、恐ろしい寄生虫です。
青魚の種類、効能まとめ
以上、簡単ですが青魚の種類や、健康上の効果、影響などについて書いてきました。
ポイントを振り返ると、まず青魚という呼び方は特定の種類を指すのではなく、実用的な意味で定着している呼び方だということ。
イメージとしては、
外見的には背が青・黒で、お腹が銀・白。
赤身で、サイズは割と小さめで、お値段も手頃。
がまず挙げられます。
代表的な青魚はアジ、イワシ、サバですが、地域によって身近な魚は違ってきます。なので範囲にはブレがあると思っておいたほうがよいでしょう。
青魚にには中性脂肪を下げる効果がありますので、アレルギーや食中毒に注意しながら、上手に食卓にとりいれたいものですね。
最後までご覧くださり、どうもありがとうございました。
コメント