文壇バー、昭和の香りがただようこの響き、なんだかそそられます。
ちょっと行ってみたい気もしますよね?
「でも世の中はネット全盛。もう文壇バーなんて無いんだろ?」
いやいや、今夜のNHK『プロフェッショナル仕事の流儀』では、伝説の文壇バー・クラブ数寄屋橋の園田静香ママが登場。「銀座、夜の女たちスペシャル」と題し、同じく高級クラブを経営する白坂亜紀ママとともに、その現役っぷりが紹介されます。
というわけで文壇バーはまだ健在。
園田静香ママのクラブ数寄屋橋のほかにも、文壇バーがあるのか、気になって情報を集めてみました。
なかには素人が気軽に文学話を楽しめそうな文壇バーもある?・・・かも!
文壇バーとは?
最初に「文壇バー」が何なのか、軽くおさえておきましょう。
文壇バーと言っても、きちんとした定義があるわけではありません。
ざっくりと、作家や編集者たちが集まっているバー、というイメージ。
文学界隈の業界人が集まるバーですね。
園田静香ママのクラブ数寄屋橋の常連には小説家だけでなく、たくさんの有名漫画家もいる模様。
おそらく文学批評家や、文学以外の文化人などもいると思われます。
煙草の煙をくゆらせつつ、酒を片手に文学話・・・とは門外漢の勝手なロマンでしょうか。
文学を軸につながる関係者たちの世界。
作家をはじめ、文芸評論家・批評家や編集者、出版関係者などからなる。
園田静香ママとクラブ数寄屋橋
文壇バーの象徴的な存在が園田静香ママとクラブ数寄屋橋。
番組でも取り上げられるので、少し予習をしてみました。
園田静香ママについて
名前:園田静香(そのだ・しずか)
誕生日:6月23日
出身地:熊本県熊本市
出身高校:私立尚絅(しょうけい)高校
年齢はわからないのですが、1967年9月に上京、その年の11月末には『クラブ数寄屋橋』を開店したという情報があります。仮に当時20歳くらいとすると、現在は70歳くらいなのかも知れません。
高校時代から美人で、国税局や自衛隊のポスター、地元企業のテレビCMのモデルとして活躍していたとか。
クラブ数寄屋橋
クラブ数寄屋橋の常連客には、森村誠一・松本清張・西村京太郎といった昭和の大御所をはじめ、東野圭吾・林真理子・宮部みゆきといった現在の文壇のスターたちも。
店を一日も休まないという園田ママの信条のもと、昨年は遂に50周年を迎え、4月に華々しい記念パーティが行なわれました。
こちらのブログさんにその時の様子が写真入りで紹介されているのですが、そのそうそうたる出席者の面々に驚かされます。まさに日本の文壇を影で支えてきた店だと実感。
→【2017年を振り返る】“クラブ数寄屋橋”五十周年記念の会 – 藤子不二雄ファンはここにいる/koikesanの日記
また手塚治虫やちばてつや、藤子不二雄らマンガ界のレジェンドも常連で、手塚治虫氏から園田ママは「そのうち宇宙連れて行くと約束してもらった」とか。また藤子F氏からは「静香ちゃんの名前はママからとった」とか言われたというエピソードがあるそうです。
ほかにもあった文壇バー
さて、文壇バーはクラブ数寄屋橋だけではありません。
さくっと調べただけでも、次のようなお店の名前が出てきます。
*他にも有名店があったらすみません。
ルパン
ほかにも、などと書くとかなり叱られそうなのがこの「ルパン」。
日本一有名な文壇バーという人もいますし、バーそのものの草分け的な存在と言ってもよさそう。
昭和3年(1928年)創業。銀座の戦前・戦後を知り尽くしています。
太宰治がこのルパンのカウンター席であぐらをかいていたとは有名な話。
ほかにも泉鏡花、坂口安吾、永井荷風といったレジェンドや、小松左京、星新一らも通っていた。
所在地は東京都中央区銀座5丁目5−11。
BAR魔里
こちらの魔里も老舗の文壇バー。ママは大久保マリ子さん。
詳しい情報を集めきれていませんが、2012年に帝国ホテルで50周年パーティが行なわれたそうです。
なので創業は1962年頃となります。
司会はピーコさんで、渡辺淳一さんがスピーチ、小学館や講談社の社長も顔を見せたとか。
所在地は東京都中央区銀座8丁目5−8 かわばたビル 2F
風花(かざはな)
数寄屋橋ほどではありませんが、こちらの「風花」も老舗。
2010年に30周年を行なった様子がこちらのブログさんで紹介されています。
→美術・文壇バー「風花」三十周年を祝う会
高橋源一郎さん、嶋田雅彦さんや山田詠美さんのお顔が見えます。
素人は行きにくいだろうという口コミがあります。
→『素人厳禁文壇バー』by jeena andow : 風花 – 新宿三丁目/バー [食べログ]
風紋
こちらも開店して50年を超える老舗バー。
林聖子ママは有名な画家・林倭衛(はやししずえ)を母にもつ人物。
太宰治の短編小説『メリークリスマス』のヒロイン、シズエのモデルだと言われています。
有名な文学者が出入りしているが、一般のお客さんも分け隔てなく対応してくれるお店だと言う口コミがありました。
→『日本を代表する文壇バー。でも、作家でなくても誰でも利用できる素敵なバーです。』by 伝説づくり : 風紋 – 新宿三丁目/バー・お酒(その他) [食べログ]
所在地は新宿三丁目という情報と五丁目という情報があり、googleMapsで見ると閉鎖という表示がでてきます。
一般人でも行けるお店だと知り、わくわくしたのですが・・・
所在地は東京都新宿区新宿5-15-2 池与ビルB1。
猫目
2006年にできたバー。
所在地は、多分 新宿区新宿5丁目-12-1
→Seiichi Hayashi Art world – 若き文壇バー『猫目』11周年記念パーティー。
プチ文壇バー『月に吠える』
日本一敷居の低い文壇バーとも呼ばれるている。創業も2012年6月と新しい。
店内のいたるところに数多くの本があり、自由に読んでよい。来店二回目以降はそれらの本を借りられるとか。
チャージ料は500円(お通しつき)。
オリジナルカクテルも紹介されていました。
- 『印税生活』コアントロー+金粉
- 『締切前夜』カルーア+エナジードリンク
- 『走れメロス』スポーツドリンク+日本酒
店内はライターやライター志望、学生、読書好きなどさまざまなお客さんがいて、ゴールデン街入門の店としても適しているという評判です。
所在地は新宿区歌舞伎町1-1-10 新宿ゴールデン街G2通り
おわりに
以上、昭和ロマンただよう文壇バーについて、園田静香ママのクラブ数寄屋橋をたよりに情報を集めてみました。
半世紀以上の歴史をもつ文壇バーが素晴らしいのはもちろんですが、カジュアルに楽しめる新しい動きもあるようで、楽しみです。残念ながら文学の世界は衰退気味などとも言われます。気軽に語り合える場があり、そこで仲間が生まれれば、文学の裾野も広がりそう。そうなればてっぺんも高くなりそうです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
詳しくないので情報に漏れは多々あると思いますが、文壇バーに興味をもった方の最初の一歩になれば嬉しいです。
園田静香さんとクラブ数寄屋橋がとりあげられるのは、
NHK『プロフェッショナル仕事の流儀〜銀座、夜の女たちスペシャル』
放送は2018年4月16日(月) 22時25分~23時10分です。
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