80年代の岐阜を舞台に展開している『半分、青い。』が快調に飛ばしています。
バブル期のキーワードをちりばめながら、懐かしいと感じる世代、何それ?と気になる世代をともに巻き込んでSNSをにぎわせています。
本日登場したのはイカ天とハウスマヌカン。
特に『夜霧のハウスマヌカン』という迷曲がBGMで流されたので、トレンドにまでなってしまいました。
というわけでハウスマヌカンについて、情報を集めてみました。
ハウスマヌカンって何?
ハウスマヌカンは、簡単に言えばDCブランドのショップの売り子さんのことです。
DCブランドって?
DCブランドはデザイナーズ(Designer’s)ブランドとキャラクターズ(Character’s)ブランドの総称。
両者の違いはよくわかりませんが、デザイナーや経営側のブランドイメージを前面に出したファッションブランド。
代表的なところでは、
- BIGI(TAKEO KIKUCHI)
- NICOLE(MITSUHIRO MATSUDA)
- JUNKO KOSHINO(JUNKO KOSHINO)
- ISSEY MIYAKE(ISSEY MIYAKE)
- COMME des GARCONS(REI KAWAKUBO)
- Y’s(YOHJI YAMAMOTO)
などがあります。
今もほぼ続いているものばかりですが、ファストファッションに押され気味というのが実状でしょう。当時の栄華は見る影も無い。
というのもこれらのDCブランド、値段がむっちゃ高かった。
Tシャツ一枚でも平気で12,000円くらいしていたそうです。
今ではそこそこステキなものを500円くらいで買える店も多いですから、途方も無いですね。
ハウスマヌカンとは
で、こうした高級イメージのショップにいる売り子さんも、同じく高級イメージを醸し出さなければならなかった。なので、あんまり親切ではなかった・・・というか、ありていに言えばツンケンしていて、値段と同じくらい高飛車だった。
これは個人のイメージですけど、ぶっちゃけ「ん?買いたいの?」的な、ツンデレの「デレ」が無いやつ・笑
(* 2018/04/21 追記)高飛車な人ばかりではなく、むしろ優しかったというご指摘をいただきました。上の一文はあくまで個人の印象でことを付け加えさせていただきます。
そしてハウスマヌカンさんはたいてい自社ブランドをビシっと身につけて、“洗練された人”感を全身でアピール。
当時流行した髪型であるツーブロック&刈り上げという女性が多かった。
ブランドイメージのためのファッション・アイコン、それがハウスマヌカンという存在です(でした)。
でもこれがウケていて、DCブランドの空前のブームにひと役買っていたわけです。
高いものほど売れる、バブルとはそんな時代。ハウスマヌカンはその時代のあだ花と言う人も。
ちなみにマヌカンはフランス語で mannequin 。マネキン=モデルさんのことを指しています。
ハウスのほうは英語なので、ハウスマヌカンは造語でしょう。
『夜霧のハウスマヌカン』
とはいえお客の方にも、客に向かってそのツンケンした態度は何だよ、的な不満が無かったわけではありません。
DCブランドが大流行していたということは、それを買っていたのは庶民ということ。つまりは一般大衆です。
それに対して「田舎者がこれ着るの?」的な視線を(たとえ仕事としてでも)浴びせていたわけですから、当然ハウスマヌカンには多くの人が複雑な思いを抱いていた。
洗練された憧れであると同時に、どことなく鼻持ちならないというイメージもあったわけです。
そこへ一石を投じたのが『夜霧のハウスマヌカン』
舞台(ショップ)では垢抜けた様子でツンとしているけれど、その実、お金はあんまり無く、労働も厳しい、みたいな内実を、演歌調で切々と歌い上げた。ややさんのスモーキーな声がこれにドハマり。一般大衆にくすぶっていたハウスマヌカンへの複雑な思いのフタを開きました。
『夜霧のハウスマヌカン』のリリースは1986年1月。『タモリ倶楽部』で火がつき、30万枚を売り上げたといいます。作詞はいとうせいこうさん。
歌詞を見ると、ハウスマヌカンの刈り上げを皮肉った
刈りあげても剃りあげても
夜霧の ハウスマヌカン
また 毛が はえてくる*引用:『夜霧のハウスマヌカン』作詞:いとうせいこう
や
お金もないのにみえをはる
夜霧の ハウスマヌカン
また 昼は シャケべんとう*引用:『夜霧のハウスマヌカン』作詞:いとうせいこう
など、見た目は華やかでも苦しいお財布事情などをイジっています。
実際マヌカンさんになる人は、ファッションを志した地方出身の学生さんなども多く、暮らしが楽な人ばかりではなかったようです。
ハウスマヌカンまとめ
というわけで、ごく簡単にですがハウスマヌカンと『夜霧のハウスマヌカン』についてご紹介しました。
今のショップでも高級イメージなところはありますが、ハウスマヌカンとは違ってみなさんフレンドリーで親切ですよね。ただしハウスマヌカンも人柄が悪かったわけではなく、ブランド戦略の一貫だったと理解したほうがよいでしょう。
ま、中には本気で偉いと思っていた人もいた、、、かも?
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
コメント
当時のハウスマヌカンは皆優しかったですよ、ツンツンなんかしてなかった。あなたがそう感じただけじゃないですか? こんな間違いを伝えてはいけないと思い、書かせていただきました。
マヌカンさん、ご指摘どうもありがとうございます。
本文中にも注釈を入れさせていただきます。