和牛の精液が国外に持ち出されそうになる、という事案が発生。
人々の関心を集めています。
和牛と国産牛の違いが曖昧な方もいらっしゃるかもしれませんが、和牛と名乗れるのは古くから(明治時代以前)日本で一定の基準のもとで育てられてきた牛だけ。
調べてみると、「黒毛和牛」「褐毛和牛」「無角和牛」「日本短角種」の4品種しかないそうです。
そんな貴重な和牛が海外でも作れるようになっては一大事、ですよね。
で、この時に使われたのがドライジッパーという容器。
聞きなれないものなので、どんなものか気になって確認してみました。
名前は“ジップロック”みたいですが、全然違ってました…。
ドライシッパーとは、どんなもの?
ドライシッパーとは、平たく言えば、生きた試料を超低温で冷凍輸送するための容器。
液体窒素を封じ込めて使います。
例えば今回の和牛のように、凍結精子や胚を、安全・確実に輸送する際に使います。
いろいろな種類があって、容器が転倒するとなかの液体窒素が漏れてしまうもの、転倒しても大丈夫なもの、などあるようです。
ドライジッパーの画像
もしかしたらこのドライジッパー、何となくイメージできる人もいるかもしれませんが、多くの人は言葉だけではよくわからないんじゃないかと思います。
製品の一例ですが、ドライジッパーとはこういうもののようです。
*出典:凍結試料搬送容器 ドライシッパー DSシリーズ https://www.wakenbtech.co.jp/product/post-5361
かなり堅牢な構造ですよね。
一般的には、液体窒素を、なかのスポンジにしみこませて断熱し、使うものらしい。
こんな風に、さらに別容器に入れて使うこともあるみたいです。
*出典:凍結試料搬送容器 ドライシッパー DSシリーズ https://www.wakenbtech.co.jp/product/post-5361
かなり厳重で、特殊な容器であることが感じられますね。
低温を保つために液体窒素を使っているわけですが、常温では気化してしまうので、気密性や転倒時の対策がほどこしてあるかが鍵のようです。
ドライシッパーの使い方動画
通常は使うことはまずないと思われるドライジッパーですが、使い方を解説してくださっている動画がありましたので、ご紹介させていただきます。
液体窒素ってこんな風に使うんですね、、けっこう危なそう。
超低温ですから、体に触れるとたいへんです。
こちらは英語版。
ドライシッパーの価格はいくらくらい?
私がドライジッパーを使うことはほぼないと思いますが、お値段はいくらくらいするものなのか?
興味本位で調べて見ました。
上の画像の製品の価格はわからなかったのですが、もっと小型のもので、値段が明記されているものがありました。
大陽日酸のCryoHandyは92,000円。
画像出典:→大陽日酸 CryoHandyf(pdfです)
ドライジッパーの種類は当然ながらたくさんあり、これはかなり小型のもの。
動画にあるような大きなものだと、お値段はもっともっとお高いということになるのでしょう。
おわりに
以上、ごくごく簡単にですが、ドライジッパーについての情報でした。
ドライジッパーは専門的な製品になりますので、取り扱いにはきちんとした手順、使い方を学ぶ必要がありそうです。
特に液体窒素は危険ですから、(いないと思いますが)素人が見よう見まねで使うのはやめたほうがよいと感じました。
最後までご覧くださり、ありがとうございます。
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