自分の人生、何をなすべきか?
そんな根本的な悩みに、
若き豊臣秀吉が、
とあるドラマのなかで答えています。
アイキャッチ画像出典:『黄金の日々』第6話 より
“まあまあ” の物語を送るために
人の一生というもの、狂言のようなものではないのかのう.
猿の面をかぶれば猿に、
武者の面をかぶれば武者になる.
あとは、幸運であれば幸運を生かし、
不運であれば不運を生かして
いかに達者にふるまうか.
そう思うて己の反省を眺めてみると
我ながら、“まあまあ” の狂言に思えてくるんだ.
出典:大河ドラマ『黄金の日々』第6話 信長狙撃 より
セリフの背景と解釈
これは『黄金の日々』第6話で登場したセリフです.
北陸攻めが失敗、落ち延びる途上で、
死を覚悟した木下藤吉郎(後の秀吉、緒形拳)が、
主人公の助左に向かって語った言葉.
どんな役回りであろうと、時と状況を生かして
前向きに行動する.
それが人生という物語を
よいものにしていくコツだ.
農民の出でありながら大きな成功を目指す人物の
柔軟な発想と胸の内が表されている.
演じている若き緒形拳の洒脱な
雰囲気がいい。
この時、藤吉郎は親方・信長の死を覚悟している.
自分の、今までのキャリアの一切が不意になり、
命すら危険にさらされている状況.
だが藤吉郎は、次は船乗りになって名をあげよう、
と助左と談笑.
秀吉という男が、どんなフィールドであっても
成功しただろうと確信させられる.
多くの人が
– 本当の自分
– 自分のやりたいこと
など、「自分」について悩んでいる現在、
アイデンティティを芝居の役のように捉え
その役を全力で演じきる、という発想は、
かえって実践的な指針になるかも知れない.
『黄金の日々』について
『黄金の日々』はNHKが1978年に放送した大河ドラマ.
主人公の助左は松本幸四郎(現・松本白鸚)、
ヒロインは栗原小巻.
ほかのキャストもものすごくて、
緒形拳のほか
川谷拓三
根津甚八
丹波哲郎
鶴田浩二
なんかがゴロゴロでてくる.
女性陣も
夏目雅子
名取裕子
竹下景子
といったビッグネームが
さらりと出てきます.
昔の作品だから、今の大御所クラスが
たくさん出ているのは当然なのかも
知れませんが、オールスター感が
半端ないです.
物語も斬新。
時代は定番の戦国なのですが、
商人にスポットを当てているので、
武人の出世譚とは違った角度で、
堺の町衆や茶の湯文化のテイストが
効いています.
『黄金の日々』を見る方法
『黄金の日々』はNHKオンデマンドで
見られます.
私はU-NEXTを経由して見ています.

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