お見合いを断るとき、誰もが「相手を傷つけたくない」「紹介者との関係を壊したくない」と悩みます。
この記事では、お見合い前から交際期間中まで、あらゆる状況での適切な断り方を、具体的な例文とともに解説します。上司や親戚からの紹介、結婚相談所での対応など、シーン別の実践的なアドバイスも詳しく紹介しています。
この記事を読むと、以下のことがわかります:
- 相手と紹介者、双方への配慮が行き届いた断り方
- タイミングや状況に応じた、具体的な例文と実践テクニック
- 4C+DREAMメソッドを使った、後悔しない判断と伝え方
私については、こちらをご覧ください。
お見合いを断るタイミングと断り方
お見合いを断るタイミングによって、適切な対応は大きく変わってきます。ここではそれぞれのタイミングで気をつけるべきポイントを詳しく見ていきましょう。
会う前の断り方
写真やプロフィールを拝見した段階で、お相手とのご縁を感じられない場合があります。この段階での断りは、実際に会ってからの断りに比べてお互いにとって負担が少なくて済みます。
会う前の断りで最も重要なのは、速やかな意思表示です。写真やプロフィールを受け取ったら、なるべく早く判断を下し、紹介者に伝えましょう。迷う時間が長くなればなるほど、相手や紹介者に余計な期待を持たせてしまう可能性があります。
大手企業で働く智子さん(28歳)は、上司から同じ会社の別部署の方を紹介されました。しかし、プロフィールを見た段階で、結婚後の価値観が大きく異なることに気づきます。早めに断ることで、お互いの時間を大切にしたいと考えました。
このような場合の例文をご紹介します:
せっかくご紹介いただき、ありがとうございます。
お相手のプロフィールを拝見させていただきましたが、申し訳ございません。
結婚後の生活についての考え方に違いを感じ、
このままお会いするのは失礼になると判断いたしました。
今後、このような素晴らしいご縁をいただく機会がございましたら、
その際は改めてよろしくお願い申し上げます。
この度は素敵な方をご紹介くださり、光栄に存じます。
しかしながら、私自身の結婚に対する準備が十分でないことを実感いたしました。
大変申し訳ございませんが、今回はお断りさせていただければと存じます。
このご縁は私にとって大切な気づきとなりました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
ご紹介をありがとうございます。
真摯に検討させていただきましたが、現時点では前向きなお返事ができる状況にございません。
このようなご縁をいただきながらお断りすることは大変心苦しく存じますが、
ご理解いただけますと幸いです。
お心遣いをいただいたことに深く感謝申し上げます。
これからもお引き立ていただけましたら幸いでございます。
お見合い直後の断り方
実際にお会いして、お相手のお人柄は素晴らしいと感じながらも、結婚を前提としたお付き合いは難しいと判断することがあります。このような場合、できるだけ早くお気持ちを伝えることが、お互いにとって最善の選択となります。
結婚相談所に入会して3ヶ月の健一さん(34歳)は、ITエンジニアとしてのキャリアを大切にしています。お見合いでお会いした方は魅力的でしたが、結婚後は専業主婦を希望されており、お互いの描く将来像に違いを感じました。
3つのパターンでの例文をご紹介します:
先日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
とても楽しい時間を過ごさせていただきましたが、
お互いの描く将来像に違いがあることを感じ、
このタイミングでお伝えすることが誠実な対応かと考えました。
ご縁がなかったことをお詫び申し上げます。
お会いできたことは私にとって貴重な経験となりました。
今後お目にかかる機会がございましたら、どうぞよろしくお願い申し上げます。
この度は大切なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
お会いして、お人柄の素晴らしさを実感いたしましたが、
申し訳ございません。
結婚を前提としたお付き合いについては、
慎重に考えさせていただいた結果、
お断りさせていただければと存じます。
このような素敵な出会いの機会をいただいたことに感謝しつつ、
今後の相手様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
素敵な出会いの機会をいただき、感謝申し上げます。
しかしながら、価値観の違いを感じる部分があり、
お互いにとってベストな選択ではないと判断いたしました。
真摯にご検討いただいたにもかかわらず、
このようなお返事となり、申し訳ございません。
この出会いを大切な思い出として胸に刻ませていただきます。
相手様にとって素晴らしいご縁が訪れることを願っております。
デート後の断り方
お見合い後、数回のデートを重ねた後での断りは、より慎重な対応が必要です。この段階では、お相手の感情も深まっている可能性があり、丁寧な説明と誠実な対応が求められます。
公務員として働く理恵さん(31歳)は、地元の老舗企業の後継者との縁談で、3回ほどデートを重ねました。お相手の誠実さに好感を持ちましたが、実家を継ぐことへの重圧を考えると、踏み出す決心がつきませんでした。
このような場合の例文です:
この度は、何度も貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございました。
お会いするたびに、誠実なお人柄に感銘を受けておりました。
しかしながら、結婚後の生活について深く考えた結果、
私の力不足ゆえ、お応えすることが難しいと判断いたしました。
楽しい時間を過ごさせていただいただけに、
このようなご連絡となり、大変申し訳ございません。
お相手様との出会いは、私の人生における大切な経験として
心に刻ませていただきます。
どうか素敵なパートナーに巡り会われますことを、
心よりお祈り申し上げております。
何度もお時間を作っていただき、心より感謝申し上げます。
お会いする中で、多くの発見や学びがあり、
かけがえのない時間を過ごさせていただきました。
ですが、将来のことを考えると、私には十分な覚悟が持てず、
これ以上お付き合いを続けることは、
お互いにとって誠実ではないと考えました。
この貴重な時間を通じて学ばせていただいたことは、
今後の人生の糧とさせていただきます。
お相手様の更なるご活躍とご多幸を、
心からお祈りしております。
先日までお時間を共にさせていただき、ありがとうございました。
お人柄の素晴らしさ、お気持ちの温かさに、
毎回心打たれる思いでございました。
しかし、私自身の中で、結婚後の生活について
具体的なイメージを描くことができず、
このままではお相手のお気持ちに真摯に応えることができないと
考えるに至りました。
お相手様との思い出は、私にとってかけがえのない宝物です。
このご縁に感謝しつつ、今後お相手様に
素晴らしい出会いが訪れることを願っております。
シチュエーション別の断り方実践ガイド
状況によって求められる配慮や対応は大きく異なります。ここでは代表的なシチュエーションごとの適切な対応方法を解説します。
上司・会社関係者からの紹介を断る
職場での人間関係に影響を与えかねないケースだけに、特に慎重な対応が必要です。この場合、断る理由は「仕事に支障が出ないよう」という観点から選ぶことをお勧めします。
人事部で働く玲子さん(29歳)は、取引先の部長から「うちの息子と」と言われ、困惑していました。直接の取引担当ではないものの、会社間の関係性への影響も考慮しなければなりません。
以下のような例文が参考になるでしょう:
この度は私のことを気にかけていただき、
誠にありがとうございます。
しかしながら現在、重要なプロジェクトの担当を任されており、
結婚について真剣に考える時間を持てない状況です。
せっかくのご厚意に対し、このような返答となり、
大変心苦しく存じます。
今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう、
よろしくお願い申し上げます。
これからも精進を重ね、ご期待に添えるよう
努めてまいります。
貴重なご縁をいただき、心より感謝申し上げます。
ただ、私自身まだキャリアの確立途上にあり、
結婚についての判断を下せる段階ではないと感じております。
このような機会をいただきながら、
お断りする形となり申し訳ございません。
今後も仕事を通じて、ご指導ご鞭撻を
賜れましたら幸いでございます。
末永いお付き合いをお願い申し上げます。
ご配慮いただき、ありがとうございます。
慎重に検討させていただきましたが、
現時点では結婚を具体的に考えられる状況にございません。
今はまず、与えられた業務に全力で取り組ませていただきたく、
お時間をいただければと存じます。
引き続き、ご指導ご支援を賜りますよう、
心よりお願い申し上げます。
このたびのお心遣い、重ねて御礼申し上げます。
結婚相談所でのお見合いを断る
結婚相談所では、システムとして断り方のルールが決められていることが一般的です。ただし、定型的な対応だけでなく、誠意ある対応を心がけましょう。
システムエンジニアの正人さん(32歳)は、結婚相談所で3人目のお見合いを経験しました。話も弾み、楽しい時間でしたが、自分が求める結婚生活のイメージとは異なると感じています。
断りの連絡は以下のような形が望ましいでしょう:
担当様
本日はお見合いの機会をいただき、ありがとうございました。
とても素敵な方でしたが、
お互いの理想とする結婚生活に違いを感じ、
今回はお見合い後のお付き合いを
ご辞退させていただきたく存じます。
お相手の方には、どうぞよろしくお取り次ぎください。
担当者様
本日のお見合いについてご報告させていただきます。
楽しい時間を過ごさせていただきましたが、
申し訳ございません。
次のステップに進ませていただくことは
控えさせていただきたく存じます。
お相手様には、私からのお詫びとお礼をお伝えいただけますと幸いです。
担当者様
お見合いのご設定、ありがとうございました。
真摯に検討させていただきましたが、
今回は次へ進ませていただくことを
お断りさせていただきたく存じます。
改めて、ご紹介いただきましたことに感謝申し上げます。
親戚からの縁談を断る
親戚からの縁談は、家族関係や地域のつながりにも影響を及ぼす可能性があり、特に慎重な対応が求められます。決して相手の欠点を指摘するのではなく、自身の準備不足や状況を理由にするのが賢明です。
地方都市で教師をしている明子さん(30歳)は、母方の従姉妹から地元の名士の息子さんを紹介されました。プロフィールや家柄は申し分ないのですが、結婚後は専業主婦として家を守ることを期待されているようで、悩んでいます。
このような場合の例文をご紹介します:
このたびは私のことを気にかけていただき、
心より感謝申し上げます。
しかしながら、教師としての責任を全うしたいという思いが強く、
現時点では結婚を真剣に考えられる段階ではないと感じております。
せっかくの素晴らしいご縁をお断りすることとなり、
大変心苦しく存じます。
これからも変わらぬお付き合いを賜りたく存じます。
親族の皆様にも、どうぞよろしくお伝えくださいませ。
このたびの温かいお心遣い、重ねて御礼申し上げます。
素晴らしいご縁をお取り持ちいただき、
誠にありがとうございます。
ただ、私自身の生活基盤がまだ十分に整っておらず、
ご期待に添えるような結婚生活を送る自信がございません。
このような形でのお返事となり、申し訳ございません。
これからも親族として末永くお付き合いいただけましたら幸いです。
お正月やお盆にお目にかかる際には、
いつも通り温かく接していただけますと嬉しく存じます。
ご親切にお心遣いいただき、本当にありがとうございます。
お話を伺い、とても素晴らしいご縁だと感じました。
しかし、現在の私には、ご家族の期待に応えられるだけの
心の準備ができておりません。
このようなお返事となり、深くお詫び申し上げます。
私の未熟さゆえの決断ではございますが、
今後とも親族として温かく見守っていただけましたら幸いです。
いつもお心にかけていただき、心より感謝申し上げます。
よくある失敗とその対処法
お見合いを断る際の失敗には、いくつかの典型的なパターンがあります。ここでは、避けるべき行動とその対処法を紹介します。
してはいけない対応
1.曖昧な態度を取り続ける
「考えておきます」と言ったまま返事をしない、具体的な返答を避け続けるなどの行動は、相手の時間を無駄にするだけでなく、紹介者との信頼関係も損ないかねません。
2.相手の欠点を指摘する
「〇〇な点が気になった」など、相手の特徴や性格を批判するような断り方は避けましょう。これは相手を必要以上に傷つけ、紹介者との関係も悪化させる原因となります。
3.事実と異なる理由を述べる
嘘の理由で断ると、後々話が食い違って困ることになりかねません。また、信頼関係を損なう可能性も高くなります。
4.メールやLINEで安易に済ませる
重要な話は直接会って、あるいは電話で伝えるのが基本です。ただし、結婚相談所のシステム上、メールでの連絡が定められている場合は、それに従います。
断りにくい心理のメカニズム
私たちが「断る」という行動に抵抗を感じる背景には、以下のような心理が働いています:
1.相手の期待を裏切ることへの罪悪感
2.人間関係が悪化することへの不安
3.自分の評価が下がることへの懸念
4.断ることで生じる事態への漠然とした不安
これらの感情は自然なものですが、断ることを先延ばしにすれば状況は更に複雑になります。むしろ、適切なタイミングでの誠実な対応が、結果として全ての人にとって最善の選択となるのです。
4C+DREAMメソッドで考えるお見合いの断り方
お見合いを断る際の判断と実行に、体系的なアプローチを提供するのが4C+DREAMメソッドです。この手法を使えば、より適切な判断と円滑な実行が可能になります。
このblogで提唱させていただいている手法で、以下にそれを適用して解説します.
もっと詳しくお知りになりたい方、断れない性格の自分に悩んでいらっしゃる方は、次のリンクからご覧になってみてください。
→「断り方」が人生を変える
4C分析で状況を整理する
まず、4つの観点から現状を分析しましょう。
Context(文脈):お見合いの形式、紹介者との関係性、相手との接点などを整理します。例えば、職場の上司からの紹介なのか、結婚相談所を通じてなのかで、とるべき対応は変わってきます。
Consequence(結果):断ることによる影響を検討します。例えば、社内での人間関係への影響や、地域社会でのご縁への影響などを考慮します。
Culture(文化):お互いの価値観や結婚観の違いを認識します。例えば、結婚後の働き方や生活様式についての考え方の違いなどを分析します。
Capacity(能力):自身の現在の状況や準備状態を正直に評価します。結婚生活を始める準備が整っているか、相手の期待に応えられる状況にあるかを判断します。
DREAMメソッドで伝え方を設計する
分析結果をもとに、以下の5つのステップで断り方を組み立てます:
Direct(直接性):曖昧な表現を避け、誠実に意思を伝えます。
「申し訳ございませんが、お気持ちにお応えすることは
できない状況でございます」
Respect(敬意):相手と紹介者への感謝と敬意を示します。
「このような素晴らしいご縁をいただき、
心より感謝申し上げます」
Explain(説明):簡潔で誠実な理由を提示します。
「現在の私では、ご期待に添えるような
結婚生活を送る自信がございません」
Alternative(代替案):可能であれば建設的な提案をします。
「もし今後、私の状況が整いましたら、
改めてご縁を頂戴できれば幸いです」
Maintain(関係維持):良好な関係性を保つ言葉で締めくくります。
「今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます」
まとめ
お見合いを断るという行為は、決して否定的なものではありません。むしろ、お互いの幸せのために必要な決断となることも少なくありません。大切なのは、相手への敬意と紹介者への感謝を忘れず、誠実に対応することです。
状況は人それぞれ異なりますが、この記事で紹介した方法を参考に、あなたらしい丁寧な断り方を見つけていただければ幸いです。結婚は人生の大きな決断です。後悔のない判断のために、この記事が少しでもお役に立てば嬉しく思います。
ここまでご覧くださり、ありがとうございました.なお本文中に登場する人物たちは、状況を思い浮かべやすいように作成した架空のキャラクターです.皆さんの状況に近いケースを選んで参考にしてくだされば幸いです.
ところでこれは私見ですが、「断り方」は小さな自己主張の第一歩だと思っています.断ることが苦手だという方はぜひこちらの記事もご覧いただければと思います.
「こんな断り方をしたらうまくいった」
「こんな断り方はまずかったと反省している」
という体験を、もしあなたがお持ちでしたら、ぜひコメント欄で共有してください.
同じお悩みを抱えたみなさんの助けになると思いますので、ぜひよろしくお願いします!
コメント