2029年4月13日、エジプト神話に由来する「アポフィス」という名前の小惑星が地球に最接近します。
しかも、この日は金曜日の13日。不吉な日付が、センセーショナルな「滅亡リスク」と重なることで、さらに多くの人々の関心と不安を引き起こしています。しかし、実際のリスクはどうなのでしょうか？本記事では、小惑星アポフィスの衝突リスク、NASAの対策、そしてその名前の由来や不吉な金曜日との関連について詳しく見ていきます。
アポフィスの名前の由来：エジプト神話の混沌と破壊の象徴
「アポフィス」という名前は、エジプト神話に登場する巨大な蛇で、混沌と破壊の象徴として知られています。アポフィスは太陽神ラーの最大の敵であり、毎晩、冥界を旅するラーの太陽の舟を襲う存在です。この戦いは、日食や宇宙の秩序を混乱に陥れる象徴として語られています。この神話の中で、アポフィスは人類の制御不能な力や混沌を表しており、これが現代の終末論的な恐怖感と結びついています。
アポフィス小惑星とは？
アポフィス小惑星は、2004年に発見され、直径約340メートルとかなり大きな天体です。2029年4月13日には地球からわずか31,000キロメートルの距離に接近することが予測されています。この距離は、静止衛星の軌道とほぼ同じであり、極めて近いとされています。そして、この日は偶然にも金曜日の13日で、不吉な日として知られています。これが滅亡論的な話題をさらに過熱させている要因の一つです。
2029年4月13日：地球衝突リスクはあるのか？
NASAの科学者たちは、2029年の接近について冷静な分析を行っており、現時点での衝突リスクはほぼゼロとされています。さらに、今後100年間においてもアポフィスが地球に衝突する可能性は非常に低いと評価されています。
しかし、アポフィス小惑星が地球の重力によって軌道が変化するリスクは否定できません。このような不確定要素が、メディアや一部の専門家によって「滅亡リスク」として取り上げられることがあります。特に金曜日の13日が強調されることで、不安が増幅されている可能性もあります。
アポフィスがもたらす衝突の影響：過去の小惑星と比較
アポフィスほどの大きさの小惑星が地球に衝突した場合、どのような影響があるのでしょうか。過去に恐竜を絶滅に追い込んだ「チクシュルーブ衝突」が有名です。この衝突は地球規模の気候変動を引き起こし、生態系に壊滅的な影響を与えました。
もしアポフィスが地球に衝突すれば、都市の壊滅や気候変動が引き起こされる可能性があります。特に金曜日の13日という象徴的な日にこうしたリスクが取り沙汰されると、不安感がさらに強まるのも無理はありません。
NASAの対策と未来の技術：軌道変更は可能か？
NASAは、小惑星の衝突リスクを軽減するための技術開発を進めています。軌道変更技術としては、宇宙船を衝突させる方法や、重力を利用して軌道を変える「重力トラクター」があります。また、NASAが開発した「ATLAS」システムは、地球に接近する小惑星を早期に発見し、警告を発するために設計されています。
NASAの技術とシステムによって、もしアポフィスが将来的に軌道を変更し、衝突の可能性が出てきた場合でも、早期に対応できる準備が進んでいます。
エジプト神話とアポフィスの象徴的な意味：混沌と秩序の戦い
エジプト神話において、アポフィスは単なる破壊者ではなく、宇宙の秩序に対する混沌の力を象徴しています。太陽神ラーとの永遠の戦いは、昼と夜、秩序と混乱の交替を象徴しており、人類が直面する不可避な危機や変化を表しています。アポフィスが持つ象徴的な意味は、今日においても終末論的な考えと結びつき、人々に強い影響を与えています。
まとめ
2029年4月13日にアポフィス小惑星が地球に最接近することは確実ですが、NASAの研究に基づけば、衝突のリスクは極めて低いです。しかし、「金曜日の13日」という不吉な日付とエジプト神話に登場する混沌と破壊の象徴としてのアポフィスという名前が結びつくことで、終末論的な不安が広がっているのも事実です。
このような状況下では、科学的な事実に基づいた冷静な判断が重要です。
都市伝説が好きな界隈のかたでしたらご存知だと思いますが、皆が気にするとそっちのほうへ行ってしまうという話もありますので。気持ちは明るくもっていきましょう。
