【実践】DREAMメソッドで学ぶ「断り方」:HSP・完璧主義な人のための5ステップ

DREAMメソッドで考える断り方 断り方

「どうして私は、また断れなかったんだろう…」

誰かからの依頼や誘いを断る時、心の中でそんなため息をついたことはありませんか。相手を傷つけたくない、関係を壊したくないという思いから、本当は断りたいのに断れない。そんな経験をお持ちの方は少なくないはずです。

この記事では、4C分析で自己理解を深めた方に向けて、より実践的な「断り方」のメソッド、DREAMメソッドについて詳しく解説します。

この記事を読むと:
・HSPや完璧主義な人でも実践できる、具体的な断り方が分かります
・相手との関係性を損なわずに、自分の気持ちを伝える方法が見つかります
・実践的な例文とともに、5つのステップを理解できます

なお、このDREAMメソッドは、「4C分析」で状況を整理した後の、具体的な実践方法として特に効果を発揮します。まだ4C分析について学んでいない方は、先にそちらをご覧いただくことをお勧めします。

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なお、私については、こちらをご覧ください。

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なぜDREAMメソッドなのか:繊細な人のための断り方

「断り方」に関する記事やアドバイスは、インターネット上に数多く存在します。しかし、その多くは「はっきり断れば良い」「自分の意見をしっかり主張しよう」といった、繊細な人には実践が難しいものばかり。

実際のところ、断ることに悩む人の多くは、むしろ周囲への気遣いができすぎてしまう人たち。
相手の気持ちに敏感で、些細な表情の変化も見逃さない。そんな繊細さを持っているからこそ、断ることが難しいのです。

DREAMメソッドは、そんな繊細な人たちのために開発された実践的なフレームワークです。相手への配慮を忘れず、かつ自分の気持ちも大切にする。その両立を可能にする具体的な方法を、このメソッドは提供します。

DREAMメソッドの全体像:5つのステップで導く、やさしい断り方

DREAMメソッドは、Direct(直接性)、Respect(尊重)、Explain(説明)、Alternative(代替案)、Maintain(関係維持)という5つの要素で構成されています。

これらの要素は、断る際の自然な流れに沿って配置されています。まず意思を伝え、感謝を示し、理由を説明し、代替案を提示し、そして関係性を維持する。この流れは、私たちの日常的なコミュニケーションとも調和しており、不自然さを感じることなく実践できます。

重要なのは、これらの要素を必ずしも全て使う必要はないということ。状況に応じて、必要な要素を選んで使うことができます。柔軟性の高さも、このメソッドの特徴の一つです。

では、それぞれの要素について、具体的に見ていきましょう。

Direct(直接性):曖昧さのない、優しい意思表示

誰かに「NO」と伝えるとき、私たちはつい言葉を濁してしまいがちです。「できれば…」「なんとなく…」「もしかしたら…」。そんな曖昧な表現を使うことで、相手の気持ちを和らげようとするのです。

しかし実は、このような曖昧な表現は、かえって相手を困らせることになります。相手は「もしかしたらOKかもしれない」と期待を持ち続け、結果として、より大きな失望を感じることになるかもしれません。

では、どのように伝えれば良いのでしょうか。

ここで大切なのは、「はっきり」と「優しく」を両立させること。決して冷たい態度を取る必要はありません。温かみのある言葉で、しかし明確に意思を伝えるのです。

例えば、「申し訳ありませんが、今回のご依頼はお引き受けすることができません」という言い方。これは、相手を思いやる気持ちを込めながらも、明確な意思表示ができている良い例です。

このような直接的な表現は、最初は使いづらく感じるかもしれません。でも、この明確さこそが、実は相手への最大の思いやりになるのです。

Respect(尊重):感謝の気持ちを込めて

「断る」という行為は、決して相手を否定することではありません。むしろ、誘ってくれた相手への感謝の気持ちを示す機会となり得るのです。

特に、HSPや繊細な人は、相手の気持ちに敏感です。だからこそ、相手への感謝や敬意を示すことで、自分の気持ちも楽になります。

感謝を示す方法はシンプルです。「お声かけいただき、ありがとうございます」「このような機会をいただき、嬉しく思います」といった言葉を添えるだけで十分です。

この「感謝」という要素は、実は断る側も受ける側も、お互いの心を温かくする効果があります。相手は自分の提案や誘いが尊重されていると感じ、あなたは感謝を示すことで後ろめたさが軽減されるのです。

Explain(説明):シンプルで誠実な理由を

断る理由を説明する際、多くの人が「より説得力のある理由を」と考えてしまいます。しかし、実はシンプルな説明の方が、かえって相手の理解を得やすいものです。

例えば、「予定が入っています」「体調を整えたい」「今の状況では十分な対応ができない」といったシンプルな理由。これらは、誰もが理解できる、普遍的な理由です。

ここで絶対に避けたいのが、嘘をつくこと。たとえ相手への配慮からでも、嘘は避けましょう。嘘は必ず後々、より大きな問題を引き起こす可能性があります。

代わりに、自分の状況を正直に、しかしシンプルに伝えることを心がけてください。「今、体調を崩しやすい時期なので」「家族との大切な予定があるので」といった、誠実な理由を伝えることで、相手の理解を得やすくなります。

Alternative(代替案):可能性を広げる提案

「断る」という行為は、会話の終わりではありません。むしろ、新しい可能性を開く機会となり得るのです。

例えば、飲み会の誘いを断る際に「今度、ランチでお話できたら嬉しいです」と提案する。または、仕事の依頼を断る際に「来月であれば、お手伝いできるかもしれません」と別の選択肢を示す。このような代替案の提示は、相手との関係性をより良い方向に導く可能性を持っています。

ただし、ここで気をつけたいのは、無理な提案はしないこと。実現可能性の低い代替案を提示することは、かえって信頼関係を損なう可能性があります。自分にとって無理のない範囲で、誠実な提案をすることを心がけましょう。

Maintain(関係維持):未来につながる言葉を

最後に大切なのは、関係性を維持する意思を示すこと。「断る」という行為が、関係の終わりではないことを、言葉で表現するのです。

「また機会があればぜひ」「今後ともよろしくお願いします」といった言葉は、シンプルですが、相手との継続的な関係を大切にしたいという気持ちを伝えることができます。

この要素は特に、HSPや完璧主義な人にとって重要です。なぜなら、関係性の維持への意思を明確に示すことで、断ることへの罪悪感や不安が軽減されるからです。

具体的な実践例:状況別の対応

職場での残業依頼を断る場合

「申し訳ありません。本日は以前からの予定があり、残業することが難しい状況です。(Direct&Explain)お声がけいただき、ありがとうございます。(Respect)明日であれば、必ず今日の分までカバーさせていただきます。(Alternative)今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。(Maintain)」

この例では、明確な意思表示と共に、具体的な代替案を提示しています。これにより、上司も理解を示しやすくなります。

友人からの飲み会の誘いを断る場合

「ごめんね、今回は参加できないんです。(Direct)誘ってくれて、本当にありがとう。(Respect)最近、体調を整えたい時期で…(Explain)代わりに、来週末にランチでも行けたら嬉しいな。(Alternative)また誘ってもらえると嬉しいです。(Maintain)」

このように、友人に対しては、より柔らかい表現を使いながらも、要素は同じように組み込むことができます。

4C分析との関係:分析から実践へ

DREAMメソッドは、4C分析で得た判断を実践に移すためのフレームワークです。4C分析で「断るべき」と判断した状況で、具体的にどのように断るかの指針を提供します。

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まとめ:あなたらしい断り方を見つけるために

DREAMメソッドは、決して固定的なフォーマットではありません。これは、あなたが自分らしい断り方を見つけるための、ゆるやかな指針です。

私自身、HSPとして長年「断ること」に苦しんできました。だからこそ、このメソッドを実践することで、相手も自分も大切にする関係性を築けることを、身をもって実感しています。

完璧を目指す必要はありません。時には上手くいかないこともあるでしょう。でも、一歩ずつ、あなたらしい断り方を探していけばいいのです。

この記事が、あなたの新しい一歩を支える力になれば、これ以上の喜びはありません。

さあ、明日からは、少し違う自分に出会えるかもしれません。その一歩を、一緒に踏み出してみませんか。

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