ガンダムサンダーボルトの画風はどう変化した?ビフォー・アフターで比較

機動戦士ガンダム・サンダーボルト』が話題になっています。

最新の13巻が4月26日に発売されたのですが、通しで読むと話の途中で画風がガラリと変化したというのです。

サンダーボルトはメカや人物の描きこみが魅力。
いったいどんな風に変化したのか、ビフォー・アフターで比較してみます

 

『ガンダム・サンダーボルト』、画風変化で作者が釈明

『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は小学館の「ビッグコミックスペリオール」で連載されている、大人向けのコミック作品。テレビで初放映以来、ガンダムシリーズで脈々と描かれ続けている「一年戦争」を舞台にしたサイドストーリーで、連邦とジオンのほかに南洋同盟という第三勢力もからんでくる、読み応えのある作品です。

ストーリーと同時に魅力なのが描きこまれたメカニック。

ガンダムの魅力の半分はかっこいいモビルスーツのデザインですが、作者の太田垣康男さんの手で盛られた意匠が、それはそれはかっこいい。もちろんガンプラ化もされ、ひとつの高級路線を形成しています。

コミック作品『サンダーボルト』では、そのモビルスーツが精密に描かれつつ、躍動していたわけです。

『ガンダム・サンダーボルト』の画風はどう変化した?

大田垣さんは今回の新刊のなかで、その精密な描写がもう不可能になったと釈明。
理由は腱鞘炎だそうです。長年の描きこみでダメージがたまっていたのでしょう。
ファンの間では「がっかりした」「魅力半減」という声も当然あがっています。

どんな風に変わったのか、例をひろってみました。

ガンダム・サンダーボルト、変化前の絵の例(ビフォー)

こちらが従来のコミックの画風の例。
変化前のビフォーということになります。

サンダーボルトの画風変化・ビフォーの例

*出典:『機動戦士ガンダムサンダーボルト』(太田垣康男・小学館)より

ガンダム・サンダーボルト、変化前の絵の例(アフター)

こちらがアフターですね。

サンダーボルトの画風変化・アフターの例

*出典:『機動戦士ガンダムサンダーボルト』(太田垣康男・小学館)より

サンダーボルトの画風、どこがどうう変化した?

確かに、長年読んできたファン(わたしですが)の目からすると、かなり大きく変化しています。

これまでは精密・克明にに描きながら、構図やアングルなどの工夫でメカやキャラクターに生命を与えていたものが、線自体が動きのある画風に変化しています。漫画としては割と普通の表現のようにも思いますし、十分鑑賞に値する画ですが、大田垣さんのサンダーボルトは、あくまでシャープな線で克明に描かれていた点が新しかっただけに、惜しいという気はします。
アフターのほうは、ガンダムのキャラクターデザインや作画を担っていた安彦良和氏の絵に少し似ている気が、私はします。

 

ガンダムサンダーボルトの画風が変化した理由

画風が変化した理由は、前述のように、作者の左手腱鞘炎の悪化だそうです。

ガンダムサンダーボルトの画風の変化はいつから?

13巻には、106話から114話までが掲載されており、そのうちの109話から画風が「アフター」なものになっています。

ビフォーの文が3話分、アフターが6話分ですから、今回の13巻は三分の二がアフターになっています。

ファンは、ビフォー分の3話に、大田垣さんの維持と努力を感じながら拝読することになるかも知れません。

 

おわりに

この変化がコミックの途中でおこなわれと確かにびっくりでしょうね。
大田垣さんが異例のコメントをしたのもうなずけます。

ですが、きちんと説明をしてくれたことには誠意を感じますし、その理由も十分理解できます。
というか、むしろこれまでご苦労様でしたといいたいです。

前述のとおり、『サンダーボルト』はストーリーも大人向けのハードなものなので、これからも手をいたわって、長く作品を紡いでくれたらなと感じています。

 

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