J-POPでよく聞く「Aメロ」とか「Bメロ」って、何なんでしょう?
「サビ」も一般的に使われていますが、なぜ「サビ」って言われるんでしょうね。
どれもこれも、感覚的にはわかるけど、実ははっきり意味がわからないまま使ってたりしませんか?・・・というのは私のことです(汗)
というわけで、今回はこのAメロ、Bメロ、サビについて、曲のなかのどのあたりをさしているのか?決め方はあるのか?その意味や由来とともに、調べてみました。
J-POPの構成のパターン
ここでは日本のポップスを念頭にお話しします。
サビとサビ以外
いろんなJPOPを聞いていて、みなさんも感覚的につかんでいらっしゃると思うのですが、ほとんどの曲に「サビ」がありますよね。
「サビ」は、曲の中で最も盛り上がる部分です。
いわゆる聞かせどころ。声量がウリのアーチストなら、ここぞとばかりに声を響かせるパートになります。
そんなわけで基本的には多くのJ-POPが、「サビ」と「サビ以外」のパートで構成されています。
Aメロ、Bメロ
さらに「サビ以外」の部分も、よく聞くと違ったフレーズで構成されていることがあります。
仮に二種類のフレーズが聴き取れるとしたら、最初のほうがAメロ、次がBメロ、ということになります。
ここは単に順番で、最初がA、次がBとなります。
Cメロがある曲もありますが、Aメロ+Bメロでサビに行く曲が多いでしょう。
逆にAメロからBメロ無しですぐサビに行くものもあるし、いきなりサビから入ってAメロに移行する曲もある。
ともかく、サビ以外のフレーズのうち、最初のものがAメロ、と考えてよいと思います。
Bメロは、少し変化させてAメロを繰り返している場合も多そうです。A’とされることもあります。
典型的な構成
二番まである場合、「Aメロ+Bメロ+サビ」の次に「Aメロ+Bメロ+サビ」がまた来ることになります。
例えば、こんな構成の曲、よく耳にしませんか?
イントロ
Aメロ Bメロ サビ(一番)
間奏
Aメロ Bメロ サビ(二番)
間奏
Cメロ サビ
Cメロには、変調したフレーズが入っていたりします。
こんな具合にフレーズを分けて考えると、曲の見通しがよくなり、わかりやすくなります。
これは聞くほうの便利だけではなく、作る側もそう。
パターンで構成されている、などと書くと、ワンパターンでクリエイティブじゃないようにも聞こえますが、逆に組み合わせの変化で、いろいろなバリエーションを生み出すことができます。
あえてある程度の型を持つことで、逆に発想を広げて行けるわけですね。
構成上の明瞭な定義は無い
いずれにしてもこれらのAメロ、Bメロ、サビ、またCメロなどと言う呼び方は慣例的なものなので、カッチリとした明確な定義はないようです。私が調べた結果、おおむね上記のようなイメージで使われていると言えそうですが、人によってはサビをCメロと言っている場合もありました。
音楽はそもそも自由なものですから、潮流が変わればこうした構成も変わり、それにつれて使いかたも変わってくるものと思います。
Aメロ、Bメロの由来
AメロとかBメロなどと使い始めた由来は、このような楽曲構成上の必要からというよりは、もっと具体的な、演奏上の問題だったようです。
つまり、練習する際に「〜〜小節目からやりましょう」と言うより「Bメロからやろう」と言った方がわかりやすい。
それで楽曲をいくつかに分割し、そこにマークをつけた・・・A、B、という具合に。
リハーサルマーク、とも言うそうです。
だいたいはメロディの性格によってマーキングされるわけですが、必ずしも厳格な決まりはなく、人によって判断も、マークの仕方も違ってくる。さきほどのように、サビとCメロを区別していない人もいる。
洋楽の場合はVerse、Bridge、Chorusという、曲の構成上の分け方があるそうです。
日本流のAメロ、Bメロ、サビに、それぞれ当たる場合もあるけれど、無理に当てはめて整理しようとするとギクシャクしてしまう、というのが実態のようです。
“サビ”の由来
一方、サビという“言い方”には割とはっきりした説があります。
ただ、二つあるんですが(汗)
ひとつは、謡曲や昔からある語りものなどで使われる、太い&低い&渋い声を寂(さび)と言うそうです。実践的は、声帯を強く奮わせて発する。
もうひとつは、ワサビから来ている、という説もある。
ピリっと引き締まった味にするところから転じて、曲のヤマ場を指すようになった、というわけです。
感覚的に言えば“ワサビ説”はわかりやすいですが、やはり芸事の世界から由来している“寂説”のほうが、私にはしっくりきます。みなさんはいかがでしょうか?
Aメロ、Bメロ、サビの使い方
いろいろ書いてきましたが、実践的にはこれらの言葉をどう使えばいいのでしょう?
基本的には
・曲をサビとサビ以外のメロディに分ける
・サビ以外のメロディを分け、速い方からA、Bとつけていく
というやり方でよいと思います。
現在のJ-POPでしたら、おおむね上にあげた構成の例をざっくりイメージしていくと、分けやすいのではないでしょうか。
友達と好きな曲について語っていて、微妙にずれているなと感じたら、その場で修正すればよいと思います。
おわりに
以上、どことなくもやっとしながら使っているAメロ、Bメロ、サビという言い方についてまとめてみました。
調べた結果、“サビ”は楽曲の構成上の言葉なのに対して、AメロやBメロというのは別の、演奏上の都合に由来する言い方だとわかりました。このあたりが、わかりにくい原因かなと思ったりしています。
ただし私は音楽の専門家ではありません。情報をあれこれあたった上で、自分自身の使い方と照らし、しっくりする説としてこれを書きましたので、そのようなものとしてご理解ください。誤っている可能性は大いにあります。理解のきっかけにしていただければ嬉しいですが、引用等による責任は負えませんのでご了承ください。
また、もしご専門の方から誤りをご指摘いただければ、たいへんありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
最後までご覧くださり、どうもありがとうございました。
コメント
くえり様へ
初めまして、中国上海のヲタ芸打ち師、松不理と申します。
先日はひびこれで、くえり様の『Aメロ、Bメロ、サビはどの部分?分け方や意味?由来、使い方』を拝読して、非常に気に入ります。それで、中国の「知乎」と「ピリピリ動画」での個人ブログに転載して、中国語に通訳してもらいたいで、より多くの人に歌曲の構成などをわけれるように、ここで転載と通訳の許可を申請していますが、もちろん転載して通訳した作品には、原文のアドレスとくえり様の署名をきちんと注釈しますので、よろしいでしょうか。
ご返事お待ちしております。
以上です。お手数をおかけして恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。
松 不理さま、ご訪問・ならびに当blogの記事に関心をもってくださり、どうもありがとうございます。
ご依頼の件、わかりました。中国語に訳していただけるとは光栄です。
もし何か不都合が起きた場合は、またご相談させていただきますので、よろしくお願いいたします。
また、私の都合で記事を改編、削除することもありますので、あらかじめご了承ください。
承知しました。ありがとうございます!