内定辞退の正しい断り方|新卒・就活生向け例文集

内定辞退:断り方と例文 断り方

内定はもらったものの、もっと良い企業からの内定が出て悩んでいませんか?

内定辞退は新卒の就職活動でよくある状況ですが、初めての経験だけに不安も大きいものです。特に研究室推薦や地方就活など、人間関係に配慮が必要なケースでは慎重な対応が求められます。この記事では、新卒ならではの状況に焦点を当て、内定辞退の具体的な方法とマナーを、実践的な例文とともに解説します。

この記事を読むと以下のことがわかります:

  • 内定辞退の基本的な流れと、電話での伝え方・メールの書き方
  • 研究室推薦や地方就活など、新卒特有の状況での適切な対応方法
  • 将来の人間関係や評判を損なわない、スマートな辞退の仕方

 

内定辞退への不安を克服するために

「せっかく内定をくださったのに申し訳ない」
「担当者を怒らせてしまうのでは」
「断ったことで何か問題が起きないだろうか」
―そんな思いを抱いている方もいらっしゃるかも知れません。

実は、この不安や罪悪感は、あなたが誠実な人柄の持ち主である証でもあります。しかし、過度に悩むことで判断が遅れてしまっては、かえって企業に迷惑をかけることになります。

ここで覚えておいていただきたいのは、内定辞退は決して非常識な行為ではないということです。企業の採用担当者は、学生が複数の内定を比較検討することを十分理解していますし、より良い進路を選択することも当然の権利として認識しています。

不安を和らげるためには、以下のような心構えが効果的です:
・辞退の連絡は朝一番ではなく、自分の気持ちが落ち着いている時間帯を選ぶ
・電話の前に深呼吸をして、伝えたい内容を箇条書きにしておく
・必要以上に謝罪を繰り返さず、自分の意思を明確に伝える
・「申し訳ありません」と謝罪する代わりに「ありがとうございました」という感謝の言葉を使う

次の節では、より実践的な基本マナーについて解説していきます。

内定辞退の基本マナー

内定辞退の3つの基本ルール

まず何より大切なのは、辞退を決めたらなるべく早く連絡することです。企業は内定を出した学生の入社を前提に、採用活動や人員計画を進めています。辞退が遅れると、企業側の計画に大きな支障をきたす可能性があります。

次に、連絡は必ず電話で行うようにしましょう。メールだけの連絡は失礼にあたります。担当者と直接話をすることで、誠意を伝えることができます。また、その場で質問に答えることもできます。

三つ目は、誠意を持って対応することです。企業の採用担当者は、あなたを採用するために多くの時間と労力を費やしてきました。感謝の気持ちを忘れずに、丁寧な対応を心がけましょう。

連絡するタイミング

電話での連絡は、企業の営業時間内に行います。特に、午前10時から午後4時までの間が望ましいでしょう。朝一番や昼休み、夕方以降は避けるべきです。担当者が余裕を持って対応できる時間帯を選ぶことが大切です。

また、内定承諾の期限が設定されている場合は、できるだけ早めに連絡することをお勧めします。期限ぎりぎりまで待つと、企業側の印象も悪くなりますし、あなた自身も精神的な負担を抱えることになります。

新卒特有の状況別|内定辞退の対応方法

研究室・教授推薦のケース

研究室の推薦で内定をいただいた企業を辞退する場合は、特に慎重な対応が必要です。教授や先輩との関係性を考慮しながら、適切な手順で進めていく必要があります。

工学部4年生の田中君は、研究室の先輩が多く在籍する電機メーカーから内定をいただきました。指導教授からの強い推薦もあり、内定承諾も考えていましたが、学生時代から憧れていた企業からも内定が出て、進路について深く悩むことになりました。研究室の人間関係も気になり、なかなか決断できないでいます。

このような場合、まず指導教授に相談することをお勧めします。以下のような例文を参考に、率直に状況を説明しましょう。

【指導教授への相談・例文1:丁寧な表現】

先生、お時間をいただけますでしょうか。

ご推薦いただいたA社の件について、ご相談があります。
実は、以前から志望していたB社からも内定をいただき、
大変悩んでおります。

A社は先生にご推薦いただき、また多くの先輩方が活躍されている素晴らしい企業です。
しかし、学生時代からの目標であったB社での仕事にも強く惹かれております。

先生のお考えもぜひお聞かせいただけますと幸いです。

【指導教授への相談・例文2:率直な表現】

先生、お時間よろしいでしょうか。

ご推薦いただいたA社の件でご相談があります。
実は、私が学生時代から目標としていたB社からも内定をいただきました。

A社での仕事にも大変魅力を感じているのですが、
自分の将来のキャリアを考えた時に、B社での仕事に
より強い可能性を感じております。

先生のご意見をお聞かせいただけないでしょうか。

【指導教授への相談・例文3:謝罪重視の表現】

先生、大変申し訳ございませんが、お時間をいただけますでしょうか。

ご推薦いただいたA社の件について、
申し上げにくいお話がございます。

他社からも内定をいただき、私の中で進路について
改めて深く考えた結果、そちらへの入社を考えております。

先生のご期待に沿えず、大変申し訳ございません。
ご助言いただけましたら幸いです。

地方就活での注意点

地方での就職活動、特に地方銀行など地域に密着した企業への内定辞退は、将来的な影響も考慮する必要があります。

地方国立大学の山田さんは、地元の有力企業である地方銀行から早々に内定をいただきました。しかし、その後、首都圏の大手企業からも内定が出て、人生の転機として挑戦したいという思いが強くなっています。地元企業との関係性も気になり、どのように伝えるべきか思案しています。

そのような場合の連絡例文をご紹介します。

【地方企業への辞退連絡・例文1:丁寧な表現】

お世話になっております。
先日内定をいただきました○○大学の山田と申します。

この度は内定をいただき、誠にありがとうございました。
貴重なお時間を割いて面接していただき、
また、地域金融の重要性についても深く学ばせていただきました。

しかしながら、自身のキャリアについて改めて熟考した結果、
この度は誠に申し訳ございませんが、内定を辞退させていただきたく
ご連絡させていただきました。

突然のご連絡となり、大変申し訳ございません。

【地方企業への辞退連絡・例文2:将来を見据えた表現】

お世話になっております。
内定をいただいております○○大学4年の山田でございます。

この度は、内定をいただき、誠にありがとうございました。
面接を通じて、貴行の地域への深い思いや
皆様の真摯な姿勢に、大変感銘を受けました。

このようなご縁をいただきながら、
誠に申し訳ございませんが、今回は内定を辞退させていただきたく
ご連絡をさせていただきました。

将来、何らかの形で貴行とお取引させていただく機会がございましたら、
その際は何卒よろしくお願い申し上げます。

【地方企業への辞退連絡・例文3:簡潔な表現】

お世話になっております。
内定をいただいております○○大学の山田です。

この度は内定をいただき、ありがとうございました。
しかしながら、慎重に検討した結果、
内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。

面接でのご対応など、大変お世話になりながら、
このような結果となり、誠に申し訳ございません。

早期内定承諾後の対応

就活早期に内定を承諾したものの、その後により良い条件の企業から内定を得たケースも少なくありません。特に注意が必要な状況です。

文学部4年の佐藤さんは、就活解禁と同時に活動を始め、5月に中堅企業から内定をいただきました。不安な気持ちから早々に承諾してしまいましたが、その後、よりやりたい仕事ができる大手企業からも内定が出て、進退に悩んでいます。すでに内定承諾のサインもしており、SNSでもその企業の内定者と交流が始まっています。

このような場合の連絡例文をご紹介します。

【承諾後の辞退連絡・例文1:詳細な説明】

お世話になっております。
5月に内定承諾をさせていただきました○○大学の佐藤です。

突然のご連絡となり、大変申し訳ございません。
内定承諾後、御社での業務に向けて準備を進めておりましたが、
この度、自身のキャリアについて改めて深く考える機会があり、
大変申し訳ございませんが、内定を辞退させていただきたく存じます。

内定承諾後のこのようなご連絡となり、
大変なご迷惑をおかけすることを重々承知しております。
申し訳ございません。

【承諾後の辞退連絡・例文2:真摯な謝罪】

お世話になっております。
先月内定承諾をさせていただきました○○大学の佐藤でございます。

このようなご連絡を差し上げることは、大変心苦しく、
また御社への申し訳なさで胸が痛みます。

しかしながら、この度の決断に至るまで真摯に考え抜いた結果、
内定を辞退させていただきたく存じます。

内定承諾後にこのようなご連絡となり、
御社に多大なご迷惑をおかけすることを、深くお詫び申し上げます。

【承諾後の辞退連絡・例文3:感謝の気持ちを強調】

お世話になっております。
先日内定承諾をさせていただきました○○大学の佐藤です。

御社には採用面接から内定後の手続きまで、
大変丁寧にご対応いただき、心より感謝申し上げます。

このような形でご連絡を差し上げることは、
私にとっても大変辛い決断でございました。
しかしながら、自身の将来とキャリアについて熟考した結果、
内定を辞退させていただきたく存じます。

これまでの御社のご厚情に深く感謝申し上げますとともに、
このような結果となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。

内定辞退でしてはいけないこと

内定辞退の際は、いくつか避けるべき行動があります。これらは企業への印象を著しく損ねるだけでなく、あなたの社会人としての評価にも関わってきます。

まず、メールや電話で一方的に連絡して即座に切ってしまうような対応は避けましょう。たとえ緊張していても、担当者の反応に丁寧に対応することが大切です。

また、辞退理由として「他社のほうが給与が高い」といった待遇の良さを説明することは適切ではありません。このような発言は、あなたの社会人としての未熟さを印象付けてしまいます。

SNSでの内定辞退に関する言及も厳禁です。「A社を辞退してB社に決めました」といった投稿は、たとえ善意であっても企業の印象を損ねかねません。また、その情報が思わぬ形で広がっていく可能性もあります。

内定辞退の連絡を期限から大幅に遅らせることも、決して良い印象を与えません。企業は次の採用計画を立てる必要があり、あなたの返事を待っている状況です。早めの連絡を心がけましょう。

最後に、担当者の退社時間間際に連絡するのも避けるべきです。担当者が十分な時間を取って対応できない状況では、誠意ある対応とは言えません。相手の立場に立って、適切な時間帯を選ぶようにしましょう。

これらの行動は、一度の過ちが長く記憶に残り、将来的な人間関係やビジネス関係に影響を及ぼす可能性があります。内定辞退という重要な場面だからこそ、細心の注意を払って対応することが求められます。

×メールや電話で一方的に連絡して即座に切る
×辞退理由として他社の待遇の良さを説明する
×SNSで内定辞退について言及する
×期限を大幅に過ぎてから連絡する
×担当者の退社時間間際に連絡する

内定辞退後の対応と注意点

社会人としての評判管理

内定辞退後も、その企業とは何らかの形でつながる可能性があります。特に同じ業界内での活動や取引関係が生まれる可能性は十分にあります。そのため、辞退後も以下のような点に注意を払いましょう。

まず、SNSでの発言には細心の注意を払います。内定を辞退した企業について否定的な投稿をすることは避けましょう。また、辞退後すぐに入社予定の企業について華々しく投稿するのも控えめにすることをお勧めします。

次に、内定辞退後も礼儀正しい対応を心がけましょう。もし企業の方と偶然出会った際は、きちんとご挨拶をします。将来、どのような形で再会するかわかりません。誠実な対応を心がけることで、良好な関係を維持することができます。

よくある質問と回答

就活生からよく寄せられる質問にお答えしましょう。

「内定辞退のリスクはありますか?」
法的な問題は基本的に起こりません。ただし、内定承諾書を提出した後の辞退は、企業に大きな迷惑をかけることになります。慎重に検討した上で、誠意を持って対応することが重要です。

「複数の内定をいただいている場合、どうすればよいですか?」
できるだけ早く意思決定を行い、辞退する企業には速やかに連絡することをお勧めします。内定承諾の期限がある場合は、その期限に十分余裕を持って連絡しましょう。

「期限延長をお願いしたい場合はどうすればよいですか?」
誠意を持って状況を説明し、具体的な期限を提示してお願いすることが大切です。ただし、長期の延長は避けるべきでしょう。

内定辞退後の心の整理

内定辞退の連絡を終えた後も、後悔や不安が残るかもしれません。しかし、自分の将来のキャリアを真剣に考え、勇気を持って決断を下したことは、立派な社会人としての第一歩です。
選考でお世話になった企業への感謝の気持ちを忘れずに、これからの新生活に向けて前を向いていきましょう。今回の経験は、必ずあなたの人生の糧となるはずです。

 

まとめ:内定辞退で押さえるべき5つのポイント

内定辞退は決して望ましい行為ではありませんが、より良いキャリアを選択するためには避けられない場合もあります。そんな時は以下の5つのポイントを意識して、誠実に対応することが大切です。

・決断したらすぐに連絡する
・必ず電話で連絡を入れる
・感謝の気持ちを忘れない
・将来を見据えた対応を心がける
・特別な事情がある場合は丁寧に説明する

私も就活生時代に内定辞退の経験があり、その時の緊張と不安は今でも覚えています。でも、誠実に対応することで、企業の方々に理解していただけました。皆さんも、自分の意思をしっかりと持ち、誠意を持って対応することで、必ずや道は開けるはずです。

ここまでご覧くださり、ありがとうございました.

なお本文中に登場する人物たちは、状況を思い浮かべやすいように作成した架空のキャラクターです.皆さんの状況に近いケースを選んで参考にしてくだされば幸いです.

ところでこれは私見ですが、「断り方」は小さな自己主張の第一歩だと思っています.断ることが苦手だという方はぜひこちらの記事もご覧いただければと思います.
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最後の最後に、ひとつだけお願いがあります.
「こんな断り方をしたらうまくいった」
「こんな断り方はまずかったと反省している」
という体験を、もしあなたがお持ちでしたら、ぜひコメント欄で共有してください.
同じお悩みを抱えたみなさんの助けになると思いますので、ぜひよろしくお願いします!

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