「17回忌の案内が来たけれど、どうやって断ればいいのだろう…」
親族の法要は、誰もが断りづらさを感じるものですよね。故人を偲ぶ気持ちは変わらないものの、時間の経過とともに、生活や環境も大きく変化していることでしょう。
この記事では、状況別の具体的な断り方の例文と、スムーズに断るためのコツをご紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります:
- 17回忌を断る際の適切な理由の伝え方
- メールや電話での丁寧な断り方の具体例
- 断った後も良好な関係を保つためのポイント
私については、こちらをご覧ください。
17回忌を断る前に知っておきたい基礎知識
17回忌は故人の命日から数えて満16年目に行われる法要です。重要な節目となる法要ではありますが、近年では家族構成や生活様式の変化により、参列が難しいケースも増えてきています。
17回忌は必要か?参列の判断基準
一般的に、17回忌は七回忌や十三回忌と比べると、やや規模を縮小して執り行われることが多くなっています。ご家族だけで行うケースも増えており、親族全員の参列を必須とする考え方は徐々に変化してきています。参列の判断は、故人やご遺族との関係性、自身の状況などを総合的に考慮して決めることが望ましいでしょう。
お墓参りだけでも大丈夫?代替手段の選び方
法要に参列できない場合でも、別日にお墓参りをすることで故人を偲ぶことは十分可能です。実際、遠方に住む親族の方々の中には、法要当日の参列は見送り、都合の良い日にお墓参りをする方も少なくありません。大切なのは形式ではなく、故人を思う気持ちです。
お坊さんを呼ばない選択をする場合の注意点
近年では、お坊さんを呼ばずに家族だけでしめやかに追悼の時を持つというケースも増えています。ただし、菩提寺がある場合は、事前に相談しておくことが望ましいでしょう。突然の連絡を避け、丁寧な説明と今後のお付き合いについての確認をしておくことが大切です。
17回忌の断り方|子育て世代の例文集
山田美奈子さん(40歳)は、夫と小学生の子供2人との4人暮らし。義理の祖父の17回忌の案内が届きましたが、子供の運動会と重なってしまいました。夫の実家は地方にあり、交通費や宿泊費もばかにならない金額になります。子供の大切な思い出も、家計の状況も考えなければならず、悩んでいます。
子供の学校行事と重なった場合の断り方
子供の学校行事は、親として参加すべき重要な機会です。特に運動会や発表会などの大きな行事の場合は、子供の気持ちを第一に考えることも必要でしょう。このような場合は、状況を丁寧に説明することが大切です。
拝啓
突然のご連絡で恐縮です。
義理の祖父様の17回忌法要のご案内、ありがとうございます。
誠に申し訳ございませんが、当日は長男の運動会と重なってしまい、参列が叶いませんことをお詫び申し上げます。
後日、改めてお墓参りに伺わせていただきたく存じます。
何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
敬具
遠方での法要を断る際のメールの書き方
遠方での法要参列は、移動時間や費用面での負担が大きくなります。特に子育て世代にとって、家計への影響は無視できない要素となります。事情を正直に伝えることで、むしろ信頼関係を深められる場合もあります。
拝啓
義理の祖父様の17回忌法要のご案内をいただき、ありがとうございます。
大変心苦しいのですが、現在子供たちが小さく、長距離の移動が難しい状況です。
誠に申し訳ございませんが、今回は欠席とさせていただきたく存じます。
ご法要の日には、自宅にて故人様を偲ばせていただきます。
何卒ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。
敬具
経済的な理由で断る場合の伝え方のコツ
経済的な理由での欠席は伝えづらいものですが、誠実に状況を説明することで理解を得られることが多いです。ただし、あまり詳しい説明は逆効果になる可能性もあります。
拝啓
突然のご連絡、失礼いたします。
義理の祖父様の17回忌法要のご案内、ありがとうございました。
申し訳ございませんが、諸般の事情により、今回は参列を控えさせていただきたく存じます。
法要の日には、私どもなりに故人様を偲ばせていただきます。
まずはご連絡まで。
敬具
17回忌の断り方|仕事優先で断る場合
中村正志さん(50歳)は大手メーカーの営業部門で管理職を務めています。最近、実家の両親の介護も始まり、仕事と介護の両立に奔走する日々。そんな中、遠方の親戚から17回忌の案内が届きました。重要な商談と日程が重なっており、頭を抱えています。
仕事が忙しい時期の断り方テンプレート
仕事都合での欠席は、特に会社員にとって避けられない状況です。しかし、単に「仕事で」と伝えるのではなく、真摯な気持ちと共に代替案を提示することで、より良い印象を与えることができます。
拝啓
突然のご連絡、失礼いたします。
〇〇様の17回忌法要のご案内をいただき、ありがとうございます。
誠に申し訳ございませんが、当日は重要な業務が入っており、
どうしても抜けることができない状況でございます。
後日、必ずお墓参りに伺わせていただきたく存じます。
取り急ぎ、欠席のご連絡まで。
まことに申し訳ございません。
敬具
介護との両立で断らざるを得ない場合の例文
介護は避けられない事情として、多くの方が理解を示してくれるでしょう。ただし、介護の詳細な状況説明は控えめにするのが無難です。
拝啓
〇〇様の17回忌法要のご案内、ありがとうございます。
大変心苦しいお願いではございますが、
現在実家の両親の介護に携わっており、
遠方への外出が難しい状況でございます。
今回は参列を控えさせていただきたく、
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
ご法要の日には、自宅にて故人様を偲ばせていただきます。
敬具
体調面を考慮して断る場合の文例
体調面の理由は、特に中高年の方であれば十分に理解される断り方です。ただし、病状の詳細な説明は避け、簡潔に伝えることをお勧めします。
拝啓
〇〇様の17回忌法要のご案内をいただき、ありがとうございます。
申し訳ございませんが、近頃体調を崩しており、
長時間の移動が難しい状況でございます。
誠に残念ではございますが、今回は欠席とさせていただきたく、
謹んでご容赦をお願い申し上げます。
まずは略儀ながら書中にてご連絡申し上げます。
敬具
17回忌の断り方|パート主婦の場合
鈴木由美子さん(45歳)はスーパーでパート勤務をしながら、中学生と小学生の子育てに奮闘中です。夫の親戚から17回忌の案内が届きましたが、普段からほとんど付き合いがなく、シフトの調整も難しそう。家計も苦しい時期で、どう断ればよいか迷っています。
シフト調整ができない場合の断り方
パート勤務の場合、急なシフト変更は同僚に迷惑をかけることにもなりかねません。責任ある社会人としての立場を説明することで、理解を得やすい状況といえます。
拝啓
〇〇様の17回忌法要のご案内をいただき、ありがとうございます。
誠に申し訳ございませんが、当日は勤務先での重要な業務が
入っており、調整が難しい状況でございます。
まことに心苦しいのですが、今回は欠席とさせていただきたく存じます。
後日、必ずお墓参りに伺わせていただきます。
取り急ぎ、書面にてご連絡申し上げます。
敬具
普段付き合いのない親戚への断り方
普段からお付き合いの少ない親戚への断りは、形式的になりすぎないよう注意が必要です。丁寧さは保ちながらも、簡潔に要点を伝えるのがコツです。
拝啓
突然のご連絡、失礼いたします。
このたびは、〇〇様の17回忌法要のご案内をいただき、
誠にありがとうございます。
大変恐縮ではございますが、諸般の事情により
今回は参列を控えさせていただきたく存じます。
ご法要の日には、自宅にて心ばかりのお参りをさせていただきます。
まずは略儀ながら、書中にてご連絡申し上げます。
敬具
家計の都合で断る場合の例文
経済事情は多くの方が直面する現実的な問題です。ただし、具体的な金銭的な説明は避け、控えめな表現を心がけましょう。
拝啓
〇〇様の17回忌法要のご案内、ありがとうございます。
誠に心苦しいお願いではございますが、
現在家庭の事情により、遠方への外出を控えており、
今回は欠席とさせていただきたく存じます。
法要の日には、自宅にて故人様を偲ばせていただきます。
取り急ぎ、ご連絡まで。
敬具
17回忌の断り方|連絡手段別の例文集
断り方は、連絡手段によっても微妙に表現を変える必要があります。それぞれの手段の特性を理解し、適切な伝え方を心がけましょう。
メールで17回忌を断る場合の文例
メールの場合は、形式的な文面でも違和感なく受け止められます。ただし、絵文字や顔文字は避け、フォーマルな印象を保つことが大切です。
件名:17回忌法要の件につきまして
拝啓
突然のメールにて失礼いたします。
先日ご案内いただきました、〇〇様の17回忌法要につきまして、
ご連絡申し上げます。
誠に心苦しいのですが、当日は諸事情により
参列がかないませんことをお詫び申し上げます。
ご法要の日には、自宅にて心ばかりのお参りをさせていただきます。
後日、改めてお墓参りに伺わせていただきたく存じます。
取り急ぎ、メールにてご連絡させていただきました。
何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
電話で17回忌を断る場合の会話例
電話では、相手の反応を見ながら会話を進められるメリットがあります。事前に要点を整理し、簡潔に伝えることを心がけましょう。
「お電話で失礼いたします。
先日ご案内いただきました17回忌法要の件でご連絡させていただきました。
大変申し訳ございませんが、当日は都合により参列が難しい状況でございます。
(相手の反応を伺いながら)
はい、そうなんです。本当に申し訳ございません。
後日、必ずお墓参りに伺わせていただきたいと思います。」
LINEで17回忌を断る際の文章術
LINEは比較的カジュアルな連絡手段ですが、法要に関する連絡の場合は、ある程度改まった表現を使うことをお勧めします。
いつもお世話になっております。
先日ご案内いただいた、17回忌法要の件でご連絡させていただきます。
大変申し訳ございませんが、当日は予定が重なってしまい、
参列することができません。
後日、お墓参りに伺わせていただきたく存じます。
何卒ご理解いただけますと幸いです。
17回忌の断り方|お寺への連絡方法
ここまで、17回忌の参列の断り方をご説明してきましたが、17回忌を断るというケースには、ほかに菩提寺に対して伝える、という場合もあるでしょう。
「お寺への連絡の仕方」に不安を感じていらっしゃる方は少なくないと思いますので、この節でふれていきます。
菩提寺への連絡は、特に慎重な対応が求められます。今後のお付き合いも考慮しながら、丁寧な説明を心がけましょう。
法要を断る場合の基本的な手順
まずは電話でアポイントを取り、可能であれば直接お寺に伺って説明することが望ましいでしょう。やむを得ない場合は、電話やメールでの連絡でも構いません。
お布施に関する相談の仕方
お布施についての相談は失礼にあたるとお考えの方も多いですが、実際のところ、お寺様に相談することは決して非常識ではありません。むしろ、事前に相談することで適切な対応が可能になります。
お寺との良好な関係を保つコツ
お寺との関係は、一回限りではなく長期的な付き合いになることが多いものです。断る場合でも、今後の関係性を考慮した丁寧な対応を心がけましょう。
17回忌の断り方|4C分析とDREAMメソッド
17回忌のような案内や誘いを断るとき、多くの方は心理的な負担を感じます。
ここでは、その重荷を軽くし、より良い人間関係を保つための実践的な方法をご紹介します。
これは当blogでご提案しているフレームワークなのですが、まず状況を4つのCで分析することで、判断の指針を得ることができます:
・Context(文脈)
法要の持つ意味、親族関係の深さ、これまでの付き合いの程度などを考慮します。17回忌という節目の重要性を認識しつつ、現在の状況を冷静に見つめ直すことが大切です。
・Consequence(結果)
断ることで生じる短期的な影響と長期的な影響を考えます。家族関係や信頼関係にどのような変化が起きるか、また、代替案を提示することでその影響をどう和らげられるかを検討します。
・Culture(文化)
組織や地域の慣習、世代間の価値観の違いなどを考慮します。特に17回忌に関しては、地域や家族によって重要度の捉え方が異なることも意識しておく必要があります。
・Capacity(能力)
時間的な余裕、経済的な状況、精神的・肉体的な体力など、自身のリソースを正直に評価します。無理な参列は、かえって関係性を損なうリスクにもなり得ます。
この分析を踏まえた上で、実際の断り方にはDREAMの要素を取り入れます:
・Direct(直接性)
曖昧な表現を避け、誠実に意思を伝えます。「できれば」「なんとなく」といった不明確な言葉は使わず、はっきりと、しかし丁寧に意思を表明します。
・Respect(尊重)
17回忌という法要の意義を理解し、故人を偲ぶ気持ちと、準備してくださる方々への感謝の意を示します。相手の立場や気持ちを理解する姿勢が重要です。
・Explain(説明)
断る理由を、簡潔かつ誠実に説明します。過度に詳しい言い訳は逆効果になる可能性があるため、要点を絞って伝えることを心がけます。
・Alternative(代替案)
後日のお墓参り、別日での線香あげなど、具体的な代替案を提示します。これにより、故人を偲ぶ気持ちが伝わり、関係修復の糸口となります。
・Maintain(関係維持)
今後も良好な関係を保ちたいという意思を示します。特に親族関係においては、将来的な付き合いを考慮した対応が重要です。
この4CとDREAMによる分析と実践は、単なるテクニックではありません。これは、自分の置かれた状況を正しく理解し、相手との関係性を大切にしながら、誠実に意思を伝えるための体系的な思考フレームです。
この4C分析とDREAMメソッドについては、次のリンク先の記事で詳しく紹介しています。
断るのが苦手だったり、いつも不本意ながら頼まれごとを引き受けてしまい、損をしている気がする、、、という方にぜひご覧いただけたらと思います。
→断り方が人生を変える
17回忌の断り方|これだけは避けたい例
法要を断る際、意図せず相手に誤解を与えてしまう対応があります。以下のようなケースは、取り返しのつかない関係悪化を招く可能性があるため、特に注意が必要です。
人間関係を損なう断り方の具体例
まず避けるべきは、連絡の遅れです。案内状が届いてから時間が経ちすぎると、先方の準備や手配に支障をきたします。また、一度参加を表明しておきながら直前になってキャンセルするのも、大きな失態となります。
さらに気をつけたいのは、メールや電話でいったん断った後、その理由を変更することです。「実は…」と言い訳を重ねると、最初の説明が嘘だったのではないかという疑念を抱かせてしまいます。
後々問題になりやすい理由付け
次に気をつけたいのは説明の仕方です。例えば以下のような対応は、後々問題になりかねません:
「その日は海外出張で…」と具体的な予定を告げたものの、実は予定が変更になっていた場合。SNSなどで現地にいないことが分かれば、取り返しのつきません。
「実家の母の具合が悪くて…」など、確認可能な事実を口実にするのも危険です。
「他の親戚の法事と重なって…」という説明も、親戚づてに事実確認されるリスクがあります。
不誠実な対応
一切連絡を入れない
これは相手への敬意を完全に欠いた行為とみなされます。
断りの連絡を家族や友人経由で伝える
自身の都合で参列できないのであれば、自ら連絡を入れるべきです。
いずれも不誠実な対応と受け取られ、その後の関係性にダメージとなる可能性があります。
よくある疑問|17回忌の断り方Q&A
断った後のお参りのタイミング
法要を欠席した場合、いつお墓参りに行けばよいのか悩む方も多いでしょう。法要から1か月以内を目安に、ご都合の良い日にお参りすることをお勧めします。事前に連絡を入れ、ご家族の都合も確認しておくとよいでしょう。
今後の法要への参列について
今回の法要を断った場合、次回以降の法要にはできるだけ参列する意思を示すことが大切です。ただし、確実に参加できる見込みがない場合は、安易な約束は避けましょう。
親戚づきあいの継続方法
法要を断っても親戚付き合いは継続していく必要があります。日頃からの電話やメール、年賀状などで関係を保ち、可能な範囲でコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
まとめ:17回忌を円滑に断るためのポイント
17回忌の案内を断るのは、誰にとっても心苦しいものです。しかし、現代社会において、様々な事情で参列が難しいケースがあることも事実です。大切なのは、以下の3点を意識することです。
・誠実な態度で早めに連絡を入れる
・具体的な代替案を提示する
・今後の関係性に配慮する
私自身、法要の参列を断らざるを得ない状況を経験し、その際の気持ちの整理に苦労した経験があります。そのため、この記事では実践的で具体的な例文と共に、人間関係を損なわない断り方のエッセンスをお伝えしました。
状況は人それぞれ異なりますが、この記事で紹介した方法を参考に、ご自身の状況に合わせてアレンジしていただければ幸いです。何より大切なのは、故人を偲ぶ気持ちと、ご遺族への思いやりです。形にとらわれすぎることなく、誠実な対応を心がけましょう。
ここまでご覧くださり、ありがとうございました.なお本文中に登場する人物たちは、状況を思い浮かべやすいように作成した架空のキャラクターです.皆さんの状況に近いケースを選んで参考にしてくだされば幸いです.
ところでこれは私見ですが、「断り方」は小さな自己主張の第一歩だと思っています.断ることが苦手だという方はぜひこちらの記事もご覧いただければと思います.
「こんな断り方をしたらうまくいった」
「こんな断り方はまずかったと反省している」
という体験を、もしあなたがお持ちでしたら、ぜひコメント欄で共有してください.
同じお悩みを抱えたみなさんの助けになると思いますので、ぜひよろしくお願いします!
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