エンバーマーのお給料はどのくらい? 資格をとれる養成学校はどこ?

女優としてひっぱりだこの壇蜜さん。セクシーでありながら品よく賢く、何でもこなせるマルチタレントです。葬儀社に勤めていた異色の経歴でも知られています。その壇蜜さんももっているエンバーマーの資格が注目されているというので、調べてみました。

エンバーミングとは、いったいどんな仕事なのか?
エンバーマーにこれからなろうとしたら、どんな資格が必要で、どんな風に学べばよいのか?
学費はどのくらいかかり、エンバーマーになったらどのくらいの収入が得られるのか?
そのあたりをまとめています。

 

エンバーミングという仕事

エンバーミングというのは、ご遺体を生前の姿に近づける仕事。
病気や事故で亡くなった遺体の様子は、生前の元気だったころの人物像と変わっている場合があります。こうした状況は親族にとってみれば辛いもの。またお通夜や葬儀などで故人の知人たちに見せるのも複雑です。
エンバーミングはこういう辛さを和らげ、故人の尊厳をとりもどす仕事と言えます。

エンバーミングの具体的な処置

ご遺体に化粧を施すことは、現在でも一般的に行なわれていますね。
しかしエンバーミングは、もっと踏み込んだ処置をします。
例としては、遺体の一部を切開して動脈から防腐剤を注入。静脈からは血液を出すなどするそうです。
防腐液を使用するのでドライアイスを使う必要もないうえ、防腐液の色がピンクがかっているため、遺体も自然な肌色になるのだとか。

また、エンバーミングの目的は生前の故人のイメージを回復させることですから、遺体の損傷の状態によって、作業はこれだけではなく、多岐にわたるものだと考えられます。

 

エンバーミングが今、注目されている

このエンバーミング、火葬が中心の日本ではこれまであまり注目されてきませんでした。

しかし故人ときちんとお別れをしたい、というニーズが高まり、次第に注目されてきているといいます。
着々と進展する高齢化社会を背景に、この傾向は今後も強まるでしょう。

欧米では一般的なものなのだそうです。

西洋ではエンバーミングは一般的に行われている。土葬文化であること、長距離を運搬することもあることなどから発達した技術である。アメリカでのエンバーミング率は90%以上だそうだ。
出典:壇蜜さんも取得している遺体衛生保全士。費用や申込方法を徹底解説!|葬儀・家族葬なら格安葬儀の【心に残る家族葬】

一方では悪質業者が入りこむ懸念もあり、エンバーミングの国家資格を法制化しようという動きが起きているそうです。

エンバーマーになるには

それにしても、あまり聞き慣れない職業であることも事実。
いったいどのようにしたらエンバーマーになれるのでしょう?

エンバーミングの資格

日本では、「一般社団法人 日本遺体衛生保全協会」という組織がエンバーミングの普及、実施を目的として活動しています。
international Funeral Science Assosiation、略称はIFSAです。

ホーム | 一般社団法人 日本遺体衛生保全協会
IFSAは、ご遺体からの感染防御、エンバーミングの日本における適切な実施と普及を目的として作られた団体です。

エンバーミングを学ぶ学校

エンバーマーの資格を取得するにはこのIFSA認定の養成学校に通う方法と、海外の葬儀学校に留学する方法があります。
海外の場合は労働ビザ取得の関係で注意が必要らしく、国内のエンバーマー養成施設をご紹介しましょう。

国内の養成学校は二件。
神奈川県平塚市と大阪にあるようです。

平塚市のほうは、「日本ヒューマンセレモニー専門学校 エンバーマーコース」で、学校法人鶴嶺学園が運営しています。

二年間の全日制で、学費は今みたところ、1年次が入学金・別途費用も含めて140万くらい、二年次は100万弱くらいのようです。

おおまかな流れは、入学から六ヶ月間は座学で、IFSA認定の講師のもとで必要な知識、心構えを学習。筆記試験に合格した後、基礎実習を半年。実習試験となります。この実習は50件以上の経験が必要とのことですが、実習試験の後にもうけられた研修期間は、1年間100件以上となっています。想像ですが、かなりハードな過程ですね。

この二年間の学習期間を経てIFSA公認エンバーマー資格試験を受験し、合格するとエンバーマーとして認められます。
ただし、前述のとおり、これは国家資格ではありません。

エンバーマーの給料と年収

注目されているとはいえ、エンバーマの認知度はまだまだ低いのも事実です。

収入についての情報は、具体的なものを見つけることができませんでした。
2010年の書き込みになりますが、元葬儀関係だったという方が、エンバーマーに関して次のようにおっしゃっておられます。

アルバイトやパートタイムでのエンバーマーも全体数の3割はいるとされ、わたしの勤務していた葬儀社でも2割はこういった非正規社員であったと記憶しています。
葬儀社の社員からエンバーマーになるにもエンバーマーが飽和状態の現在では難しいと考えられます。
正社員でのエンバーマー雇用率は50%というところではないかと聞きました。 新たに資格取得のために今から入学をされれば、業界の飽和状態が厳しい現状を考えると就職率は20~30%以下になると予想されます。
出典:IFSA(エンバーマー)の資格を取得した人の就職率 – その他(資格・免許) | 【OKWAVE】

やや古い情報で、今は変わっている可能性もありますが、基本的には葬儀社に就職するか、契約して活動していらっしゃる方が多いのではないかと思います。

葬儀屋の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説 | 葬儀屋の仕事・なり方・年収・資格を解説 | キャリアガーデン
葬儀屋を目指す人のための職業情報サイト|キャリアガーデン

 

まとめ

今後、需要が広まって行くと考えられるエンバーマーについて、ざっくりとですが調べてみました。

やりがいもありそうですが、メンタルも体力も求められる仕事と言えそうです。
仮に個々の契約で活動することになった場合、実際のエンバーミングの仕事とともに、啓蒙普及の活動も同時進行で行なうことになるのではないか、と感じました。

どの仕事でもたいへんな面はありますが、技術とともに、しっかりした使命感も必要な仕事と言えそうです。

コメント