お見舞いのお金を知り合いに贈りたいんだけど、お札は新札を使うのかな?
でも、おめでたいことじゃないから旧札がマナー?
・・・そもそも金額はいくら包むのが相場なんだろう?
そういえば、お見舞いを包む袋って紅白でいいんだっけ?
表の書き方はどうすればいいんだろう?
お見舞いについては、こんな小さな疑問がいろいろありますが、いまさら聞けない感じもありますよね。
というわけでこの記事では、お見舞いのマナーに関する疑問の数々にお答えしていきます。
お急ぎの方は、最初の項目をササっと読んで、鉄板マナーをおさえてください。
詳しく知りたい方には、中盤でしっかり解説していきます。
さらに、
- お見舞いで訪問する時のマナーや
- 郵送する場合のポイント
も解説しますので、あなたが知りたいことに合わせてお役立ていただけたら幸いです。
お見舞い金のつつみ方の5つの基本〜急いでいる人向け
最初に、お見舞のお金の包み方の基本をご紹介しましょう。
「とりあえず、どうすればいいかすぐ知りたい!」という場合は以下の5つのポイントをおさえてください。
ほとんどの場合、こうしておけば失礼には当たらないと思います。
1.お見舞いを包む袋として、紅白の水切がついたものを準備します。
2.水切は蝶結びではないタイプで、熨斗(のし)もついていないものを選びましょう。
3.袋の上側の中央に「御見舞」と縦書きします。下側の中央に、送り主の方のお名前を縦書きしてください。
4.お見舞いの金額は3000円から5000円が一般的。
5.お札は使用感の少ないものを。ですが新札は避けた方が無難です。
トラブルに遭遇した時、人はどうしても気が動転し、不安に陥ってしまいます。
そんな時、友人・知人からのいち早いお見舞いは心強いもの。
届ける体裁は上のようにしておけばとりあえず大丈夫なので、あなたの気持ちをできるだけ素早く伝えてください。
*ただ、渡し方にも少し注意したほうがいいポイントがあります。これについては後のほうでご案内します。
お見舞いのお金の包み方のマナー
ここからは、上の5つのポイントについて、それぞれ少し詳しく書いておきます。
やり方をそのままコピーするのではなく、「なぜそのやり方になったのか?」を知ると、自分でもアレンジできるようになります。また、レアなケースに遭遇しても、あなたらしく対応できるようになるでしょう。
お見舞いの袋の選びかた
まずは袋の選び方からいきましょう。
お見舞いに使う袋の種類
紅白の袋を選ぶのが基本です。
「病気や怪我、災害などは不幸なのだから、紅白は違和感あるな・・・」
という方もいらっしゃるかも知れませんね。
ですがここで紅白を選ぶのは、元気をつけて欲しい、くらいの意味だと理解すればよいと思います。
逆に不祝儀袋を送ると色合いが暗いので、気力も奪われそうですよね。
水引なしで赤い帯だけが入っている封筒や、場合によっては白無地の封筒をお見舞い用に使う場合もあります。
例えば死産・流産のお見舞いや、病気が非常に重いなど、華やかな水引がついているとどうしても違和感がある場合には、装飾が無い封筒のほうがしっくりきます。
水引は「結びきり」を
水引がついた袋を選ぶ場合は、水引の形に注意しましょう。
実際に買いに行くと、水引の結び目にもいろいろなパターンがあることがわかります。
それらの中でお見舞いに使えるものは、「結びきり」とよばれるもの。
具体的には「蝶結びではないもの」と憶えておきましょう。
蝶結びは簡単にほどくことができ、また、結びやすい結び方です。そのため二度目・三度目を連想させてしまいます。でもお見舞いの元になる病気や怪我なんて、何度もしたくはありませんよね。お見舞いだって一度きり・今回限りがよいわけです。そのためお見舞いには一度結んだら簡単にはほどけない「結びきり」の水引を使うというわけです。
熨斗(のし)付きは避ける
水引の形と同時に注意したいのが熨斗(のし)。
今では折り紙状のお飾りになっている熨斗ですが、元をたどるとお祝い事に添えたアワビを包んでいたもの。現在の熨斗紙は、これが形式化したものです。
そもそもお祝いの縁起物として添えていたものなので、お見舞いの場合は熨斗は不要です。
熨斗鮑(のしあわび)はアワビを薄くはいで平たく伸ばしたもの。
そのためお見舞いに熨斗をつけると、病なり災害なりが「長くのびる」と連想する方もいるかも知れません。注意しましょう。
お見舞いの袋の書き方
袋の上半分=水引より上側の中央に、表書きを書きます。
「御見舞」や「お見舞」と縦書きします。
「お見舞い」など四文字を嫌う方もいらっしゃいますので、三文字でまとめるのがよいでしょう。
目上の方に向けては「御伺」とする場合もあります。
水引より下側には、贈り主の氏名を中央に縦書きします。
複数の連名で記載する場合、目上の人を右側にもってきます。
三名以上の連名になる場合は、代表者の氏名を記し、その左側に「外 一同」と記します。そして別紙に全員の名前を記載して同封するようにしましょう。
中袋には、表側に金額、裏側に贈り主の氏名と住所を縦書きします。
金額は「壱萬圓」、「参阡圓」、などと旧字の使用を勧める場合もありますが、あまり堅苦しく考え過ぎなくてもよいと思います。
お見舞いに贈る金額はいくらくらい?相場は?
金額の目安がわからない、という方も多いでしょう。
これはケースにもよりますが、一般的には親や近い親戚などの場合で1万円、友人・知人の場合は3千円から5千円くらいが相場でしょう。
これを書くにあたりネットの情報も見てみましたが、やはりこのくらいの金額を示している方が多いです。日常的な感覚としても妥当ではないかと、私は思います。
おつきあいの程度によって加減してもよいと思いますが、死や苦を連想させる「4」や「9」の金額は避けたほうが無難です。
お見舞い金に使うのは新札?旧札?〜折り目をつけるって本当?
お見舞いとして包むお札は、使用感が強くくたびれているものは避けた方がよいでしょう。ただし、新札である必要はありません。むしろ新札は嫌われるとされています。
なぜかと言うと、新札だとあらかじめ準備していた=病気や怪我をするのを待っていた、と連想される可能性がある、というわけです。そのため手元に新札しかない場合は、わざわざ二つ折りして折り目をつけてから使うよう勧める人もいます。
お見舞いの場合、相手はやはり何らかのダメージを負っているのですから、パリっとしたお札はちょっと不似合いという感じはわかります。また、普通のお札であれば、準備する間もなく来てくれたのだな、という意味合いを相手は読み取ってくれるかも知れません。
このような理由から、お見舞いには普通の、ややこぎれいなお札を使えば間違いないと思います。
お見舞いのお札の入れ方や向き
お札の入れ方や向きが気になる方もいらっしゃるでしょう。
お見舞いの場合、封筒から出した時、一番にお札の人物の顔が見えるように入れます。
本題から外れますが、不祝儀の場合はこれとちょうど逆にします。人物の顔の面を封筒の奥に、面も、反対側が先に見えるように入れるのがマナーとされています。
お見舞いの渡し方
さて、冒頭に少しふれましたが、ここからはお見舞いを実際に渡すときの注意点を、いくつかご紹介します。
せっかくマナーに沿ったお見舞いを包んでも、渡し方ひとつで台無しになってしまいます。それぞれちょっと注意すれば済むことなので、ぜひポイントをおさえてください。
事前に連絡すべきか 入院の期間はどのくらいの時見舞いに行くべきか、時間帯はどうする?
お見舞いに行く前に確認する
ご自宅や病室にお見舞いに伺おうとする場合、事前に相手の家族などに連絡して状況を確認しましょう。
病気の場合、検査や治療・手術などの日程があります。状況によっては疲れていたり、精神的な余裕が無かったりするケースも考えられます。また、入院治療中の自分を見られたくない、と感じている人も少なくありません。
家族の方などに状況を確認して、差し障りがないようなタイミングで伺うよう気をつけましょう。
また、ご家族にしても、たいへんな状況を抱えて疲労していることも考えられます。できるだけ迷惑にならないような気遣いがたいせつです。特に面会時間・面会方法などは病院に聞けばわかること。最近はホームページに記載されている場合もありますから、自分で確認したほうがよいと思います。
お見舞いで長居をしない
ご自宅や病室を訪ねた際、長時間にならないよう注意しましょう。
そもそも療養中の場合は体力の温存が必須ですし、人がくればどうしても相手も気を遣うものです。病室が相部屋であれば、同室の患者さんに対しても気遣いがあるでしょう。
気持ちを表したいのであれば一度に長居をするより、相手の負担にならない程度の短い時間、何度も見舞う方がよいと思います。
お見舞いを郵送する
遠方の方へお見舞いを郵送したい場合もあるでしょう。
郵送には、上で書いたような訪問時の気遣いが不要で、しかも速くあなたの気持ちを表せるメリットがあります。
お見舞いを郵送するときは現金書留で
お見舞金を郵送で送る場合は現金書留を使います。
現金書留の封筒には二種類あり、それぞれサイズが
- 小:約119 × 197 mm
- 大:約142 × 215 mm
となっています。
どちらも封筒の値段は同じです。
準備したお見舞いの包みのサイズを考慮して選びましょう。多くの場合、小さいサイズでも入ると思いますが、念のため確認してくださいね。
現金書留は手紙も送れる
現金書留は信書を送ることができます。
つまり、手紙を添えられるということ。
直接お見舞いに行けない分、一筆添えると気持ちが伝わってよいと思います。
普段は手紙など書かないという人もいると思いますが、簡単なものでも、あるとないとでは印象がずいぶん違います。例文をつけますので、アレンジしてみてください。
お見舞いの手紙の例文
〜〜様
前略 入院なさったと伺い、とても驚いております。
日頃のお元気なご様子からは想像できませんが、その後、お加減はいかがでしょうか。
日頃からご多忙の〜〜様、気がかりなことも多いかと存じますが、今はどうぞ治療にご専念ください。
一日も早いご回復を心からお祈りしております。
あいにく遠方におりますため、とり急ぎ一言、お手紙にてお見舞い申しあげます。
草々
お見舞いの手紙の型〜4つのポイント
お見舞いの手紙には、次の4つのポイントをおさえると書きやすく、気持ちも伝えやすくなります。
例文もこの型に沿って作ったものです。
1.病気や怪我・災害の知らせを聞き、驚いている。
相手が何らかのトラブルを抱えたことを伝え聞き、自分が驚いていることを伝えます。
その報せを最初に知ったときのことを思い出すと、適切な言葉が思い浮かんでくるのではないでしょうか?
2.本人や家族を気遣う
次に、相手の状況に寄り添う言葉を添えます。
自分が同じ立場におかれたらどんな風に感じるか、それを表現すると、よい言葉が浮かんで来るように思います。
3.回復・復旧を祈る
回復を祈る言葉には、ほぼ定型があります。
一日も早いご回復をお祈りしております。
全快を心からお祈りしております。
などに加えて、親しい間柄であれば、治った後の行動を添えてもいいかも知れません。
またゴルフをしようとか、釣りに行きたいですね、などに類することがあれば、相手も楽しいほうへ目が向くかも知れません。
ただしお酒の席に誘うのは要注意です。
病気や怪我の具合によっては、無責任な励ましととられるようなこともありますので、これも注意してください。
4.結び
最後の結びにも型があります。
遠方にいるためお見舞いに行けない。
手術前と聞いたので、落ち着いてからお見舞いに伺います。
などに加え、「とり急ぎ手紙にてお見舞いを申し上げます。」
でしめるとまとまりやすいです。
お見舞いの手紙のNGポイント
書いてはいけないNGポイントがいくつかありますので、チェックしてください。
NGポイント〜形式
まず形式面。
時候の挨拶や全文は省き、前略〜早々(草々)で。
追伸は使わない。
NGポイント〜表現
表現の面では、相手に暗い連想をさせてしまうような忌み言葉を避けましょう。
不幸や死を連想させたり、再発・繰り返しを思わせるような言葉も避けましょう。
NGポイント〜内容
内容では、
病気やトラブルの程度を根掘り葉掘り聞くのはマナー違反。
無責任なアドバイスはしない。
その場限りと見透かされたり、過剰ととれるような励ましは逆効果。
相手に返事を求めないこと。
お見舞いのお金の包み方まとめ
以上、お見舞いのお金の贈り方について、一般的と思われるマナーをご紹介してきました。
少し振り返ると、
- お見舞いのお包みは紅白の袋が基本。
- 水引は結びきりのものを選ぶ。
- 熨斗はついていないものを選ぶ。
お札の関係では、
- お見舞いの金額は、近親者が1万円、友人・知人は3から5千円くらいが相場。
- お札の状態は普通のものを。新札は避けるほうが無難。
- お札は最初に人物の顔が目に入るように入れる。
などがポイントです。
この他、お見舞いの訪問をする時や、お見舞いを郵送するケースのマナーについて書いてきました。必要に応じてお役立てください。
お見舞いをする場合、相手は何らかのトラブルを抱えてしまい、精神的に動転したり、追い込まれたりしています。その相手の気持ちにどれだけ寄り添えるかどうかが、全ての基本になると思います。そのためのちょっとしたヒントに、この記事がなれたら幸いです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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